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第12回:PREP法。【面接で満点合格を目指すためのレトリック理論講座】(20回連載シリーズ)

執筆者の写真: 河野正夫
河野正夫
45 分前
読了時間: 9分

【面接で満点合格を目指すためのレトリック理論講座】(20回連載シリーズ)


第12回:PREP法



★PREP法とは



PREP法は、話す順番を決める型です。四つの頭文字を並べた名前になっています。



P Point 結論


R Reason 理由


E Example 具体例


P Point 結論



結論から入り、理由を述べ、具体例を挙げ、もう一度結論に戻る。この順で話します。



もともとは、面接のための型ではありません。


仕事の報告や、会議での発言、短い文章など、短い時間で相手に伝える場面で広く使われています。



前回までに、レトリックの五つの工程のうち、構成の工程を扱いました。


発想・構成・修辞・記憶・演出の五つのうちの二番目です。


PREP法は、その構成の工程で使う型の一つです。



第10回で、面接の答えは最初の一文に結論を置くと述べました。


PREP法は、その置き方を四つの部分に広げた型になっています。


面接の一つの答えは30秒から40秒ですので、四つの部分がちょうど収まります。





★一つの質問で、通してみます



実際に作ってみます。


授業で、子どもの考えを引き出すために、どのような工夫をしていますか。


まず、型を使わずに答えた形を見ておきます。



「はい。国語の授業で、登場人物の気持ちを聞いたときに、手が三本しか挙がりませんでした。それで、三分だけ書く時間を取ってみました。そうしたら、手が十本以上に増えました。やはり、いきなり聞くよりも、書いてからのほうがよいと思いました。」



内容は入っています。


ただ、最初の一文が場面の説明から始まっているので、面接官は、これが何の話なのかを聞きながら探すことになります。




次に、PREP法で答えます。


「はい。私が工夫しているのは、答えを聞く前に、書く時間を取ることです。手を挙げる子だけで授業が進むと、考えているのに言葉にできていない子が、そのまま置かれてしまうからです。国語の授業で、登場人物の気持ちを聞いたときに、手が三本しか挙がりませんでした。そこで、三分だけ書く時間を取って、同じことをもう一度聞きました。手が十本以上に増えました。書いたものを見ると、挙げなかった子も、ほとんど全員が書けていました。ですから、問いを出したあとに、まず書く時間を置くようにしています。」



四つの部分に分けると、こうなっています。



結論は、答えを聞く前に書く時間を取ること、という一文です。


理由は、考えているのに言葉にできていない子が置かれてしまうから、という一文です。


具体例は、国語の授業で手が三本から十本以上に増えた、という場面です。


最後の結論は、問いを出したあとに書く時間を置くようにしている、という一文です。



★なぜ結論を二回言うのか



結論が二回出てきます。


この形には、理由があります。



一回目の結論は、何の話が始まるのかを面接官に知らせます。


第10回で述べたように、面接官は聞きながら同時に整理しています。


先に結論を聞いていると、続く理由と具体例を、その結論の中身として受け取れます。



二回目の結論の働きは、三つあります。



一つ目は、話が戻ることです。


具体例を話しているあいだ、話は細かいところへ入っていきます。


三本の手、三分、十本以上。


こうした細かい言葉が続いたあとに結論へ戻ると、何の話だったかがはっきりします。



二つ目は、終わりが伝わることです。


結論に戻った時点で、答えが終わったことが面接官に届きます。


以上です、という言葉を付けなくても伝わります。



三つ目は、残るものが決まることです。


面接官の記憶に残りやすいのは、最後に聞いた一文です。


自分が残したい一文を、最後に置けます。



★最後のPは、言い換えて置きます



ここに、気をつけることが一つあります。


最後の結論を、一回目とまったく同じ文にしないことです。


同じ文にすると、こうなります。



私が工夫しているのは、答えを聞く前に、書く時間を取ることです。……(理由と具体例)……私が工夫しているのは、答えを聞く前に、書く時間を取ることです。



面接官は、同じ文を三十秒前に聞いています。


繰り返しだとすぐにわかります。


そして、最後の一文から何も受け取れません。



言い換える作り方を、三つ挙げます。



1.言葉を少し替える



ですから、問いを出したあとに、まず書く時間を置くようにしています。


工夫という語を使わず、実際にやっていることの形に替えました。



2.具体例の中の言葉を入れる



ですから、三分でも書く時間があるかどうかで、出てくる考えの数が変わると思っています。


三分という言葉が、具体例から入っています。理由と具体例を通ったあとの結論になります。



3.これから続ける形にする



書く時間を取ることは、これからも続けたいと思っています。


同じ内容を、これからの話に置き換えました。



確かめ方があります。二つの結論の文を並べて読んでみて、同じ言葉が三つ以上重なっていれば、言い換えが足りていません。



志望動機を聞かれたときは、特に気をつけます。


中学校の英語科を志望します、という一文を最後に置いても、情報が増えません。


ですから、理由を組み込んだ一文にします。


このような理由で、中学校の英語科を志望します。


この形にすると、最後の結論が、理由を通ったあとの結論になります。



★理由と具体例の違い



PREP法が形だけになる原因で、いちばん多いのが、理由と具体例の混同です。


理由は、なぜそうするのかという説明です。


具体例は、実際にあったことです。


理由の場所に具体例を置いてしまうと、こうなります。



「私が工夫しているのは、書く時間を取ることです。国語の授業で、登場人物の気持ちを聞いたときに、手が三本しか挙がりませんでした。……」



結論のすぐあとに、具体例が来ています。理由が抜けています。



理由がないと、その具体例が何を示す例なのかが、聞いている側にわかりません。


手が三本だったという話を聞いても、それが書く時間とどうつながるのかが、まだ出てきていません。



見分け方があります。



理由の文は、〜からです、で終わります。


具体例の文は、〜ました、で終わります。



原稿を書き出したときに、〜からです、で終わる文が一つもなければ、理由が抜けています。



逆のことも起きます。


具体例の場所に、理由が続いてしまう形です。



「書く時間があると、考えを言葉にしやすくなります。言葉にできれば、話すこともできます。」



これは理由が二つ並んでいるだけで、実際にあったことが出てきません。


具体例の部分には、いつ、どの場面で、何が起きたかを入れます。数が入ると、場面がはっきりします。



もう一つ、理由が一般論になってしまう形もあります。


「子ども一人一人を大切にしたいからです。」


形は理由になっていますが、書く時間を取るという結論と、国語の授業の場面を、つないでいません。


この言葉は、どの結論の下にも置けます。



理由は、結論と具体例をつなぐものにします。


自分の結論だけに当たる理由を書きます。


具体例が思い出せないときは、結論のほうを変えます。


場面を持っている結論に替えるほうが、早く仕上がります。



★200文字から250文字に収める



一つの回答の長さは、30秒から40秒です。


文字数では、200文字から250文字です。



四つの部分の配分は、こうなります。



結論   30字から40字


理由   40字から60字


具体例  90字から120字


結論   30字から40字



いちばん長いのは、具体例です。


理由があります。


結論と理由は、言葉を短くしても意味が通ります。


具体例は、短くすると場面が消えます。


いつ、どこで、誰が、何をしたか。


これが入らないと、具体例の働きがなくなります。



ですから、長さを削るときは、具体例を最後に残します。


手順は、こうなります。



1.理由を一文にします。二文あれば、一文にまとめます。


2.具体例の中から、場面に関わらない説明を外します。


3.最後の結論を短くします。



具体例そのものが長すぎる場合は、場面を一つに絞ります。


国語の授業の話と算数の授業の話を両方入れると、どちらも短くなります。


一つに絞って、そこを詳しく語ります。



★ナンバリングとラベリングとの組み合わせ



前回、ナンバリングとラベリングを扱いました。数を先に示す技法と、項目ごとに一言の見出しを付ける技法です。



項目が二つや三つあるときに、PREP法をどこに入れるのか。


答えは、項目ごとに小さく回す形です。



「はい。二点あります。


一つ目は、書く時間の取り方です。手を挙げる子だけで進むと、考えているのに言葉にできていない子が置かれてしまいますので、問いのあとに三分だけ書く時間を取ります。国語で登場人物の気持ちを聞いたときに、手が三本から十本以上に増えました。


二つ目は、席の組み方です。隣の子に話してから全体で言うほうが、言葉が出てきやすいからです。三人で一組にして、月に一度組み替えています。」



項目ごとに、見出し、理由、具体例、という形になっています。



項目が複数になると、一項目に使える長さが短くなります。


ですから、最後の結論は、項目ごとには置きません。


全体の終わりに一度置くか、置かずに終わります。


全体をナンバリングとラベリングで組み、各項目の中をPREP法で組む。この組み合わせになります。



★原稿の作り方



準備の段階での手順を、五つに分けて書きます。



1.結論の一文を書く



問いの言葉を借りて作ります。


どのような工夫をしていますかと聞かれたら、私が工夫しているのは、で始めます。



2.〜からです、で終わる一文を書く



これが理由です。


この形で書くと、理由の場所に具体例が入りません。



3.実際にあったことを書く



いつ、どの授業で、何が起きたか。


数を入れると、場面がはっきりします。


手の数、分の数、人数。こうした数が一つ入るだけで、聞いている側に場面が見えます。



4.最後の一文を、言い換えて書く


一文目と同じ文にしません。


さきほどの三つの作り方のどれかを使います。



5.声に出して、文字数と時間をはかる


200文字から250文字、30秒から40秒に入っていれば、そのまま使えます。


超えていれば、理由と最後の結論を短くします。



★まとめ



PREP法は、結論、理由、具体例、結論の順で話す型です。


一回目の結論で、何の話かを知らせます。


理由で、なぜそうするのかを述べます。


具体例で、実際にあったことを挙げます。


最後の結論で、話を戻して終わります。



長さは、200文字から250文字です。


四つのうち、具体例をいちばん長く取ります。



気をつけるところは、二つです。



最後の結論を、一回目と同じ文にしないこと。



理由の場所に、具体例を置かないこと。



項目が二つや三つあるときは、前回のナンバリングとラベリングで全体を組み、各項目の中でPREP法を小さく回します。




河野正夫


 
 
 

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