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1次試験の1週間前にやるべきこと・避けるべきこと。【教採ブログ連載】第1回 

  • 執筆者の写真: 河野正夫
    河野正夫
  • 11 分前
  • 読了時間: 7分

【教採ブログ連載】第1回 


1次試験の1週間前にやるべきこと・避けるべきこと





1週間前という時間の正体



1次試験まで1週間を切ったとき、多くの受験者が「もっと勉強しなければ」という焦りと、「今さら何をしても変わらないのでは」という無力感の間で揺れます。


この両方の感覚は、どちらも自然なものです。しかし、どちらの感覚に引っ張られるかによって、残り1週間の使い方は大きく変わります。


この時期にやるべきことは、新しい知識を詰め込むことではありません。


これまでに積み上げてきたものを、本番で確実に出力できる状態に整えることです。


試験当日にピークを持ってくるための「調整期間」として、この1週間を位置づけてください。



やるべきこと① 学習の範囲を絞り込む



1週間前の時点で、全範囲を均等に復習しようとすることは現実的ではありません。


教職教養・一般教養・論作文等のそれぞれについて、「確実に得点できる領域」と「あと少しで固まる領域」に絞って復習の対象を決めましょう。


教職教養であれば、教育基本法・学校教育法・学習指導要領の頻出条文は、この時期に繰り返し目を通しておく価値があります。


条文の文言を丸暗記する必要はありませんが、第何条に何が書かれているか、どの法律でどの概念が定義されているかという骨格は、直前の確認で得点に直結します。


一般教養については、時事問題と、自分が受験する自治体で過去に頻出だった分野を中心に据えます。


範囲が広い科目を1週間で網羅しようとすると、どれも中途半端になります。「捨てる勇気」を持って範囲を絞ることが、直前期の正しい戦略です。


論作文については、新しいテーマを一から練習するよりも、これまでに書いたものを読み直し、自分の書き方のクセを確認する時間に使いましょう。


特に、


「序論・本論・結論の構成が崩れていないか」


「具体的なエピソードや根拠が含まれているか」


という観点で自分の答案を見直しておくと、本番での安定感につながります。



やるべきこと② 過去問を「解く」より「確認する」



直前期に過去問を使うとき、新しい問題を解いてスコアを測ることよりも、すでに取り組んだ問題の解説を読み直すことに時間を使ってください。


間違えた問題の解説を読み直すと、なぜ間違えたのかの理由が見えてきます。


知識が抜けていたのか、問題文の読み方を誤ったのか、選択肢の紛らわしさに引っかかったのか。


その理由によって、直前期にすべき対処が変わります。



知識の穴であれば、該当箇所のテキストを再確認する。


問題文の読み方の癖であれば、本番で問題文をどう読むかを意識的に確認する。


選択肢の引っかかり方であれば、本番で最後の見直しを丁寧にする習慣をつける。



過去問の使い方を「解く」から「分析する」に切り替えることが、直前期には重要です。



やるべきこと③ 本番の動きをシミュレーションする



試験当日の流れを、できるだけ具体的にイメージしておきましょう。


試験会場への経路と所要時間を確認します。


当日使う交通機関のダイヤ、乗り換えの有無、最寄り駅から会場までの徒歩時間。


前日の夜に地図を見て確認しておくだけで、当日の精神的な余裕が変わります。


持ち物についても、受験票・筆記用具・腕時計・昼食・飲み物といった基本的なものを1週間前にリストアップし、前日にまとめて用意できる状態にしておきましょう。


「当日の朝に確認すれば大丈夫」という発想は、朝の焦りにつながります。


1週間前に準備を始めることで、万が一のトラブル(受験票の紛失・筆記用具の不足など)にも対処できます。


試験の時間配分についても、頭の中で整理しておきましょう。


筆記試験の試験時間に対して、どのくらいのペースで解くか。


論作文の制限時間に対して、構成考案・執筆・見直しをどう配分するか。


本番で「時間が足りない」と焦らないために、自分なりのペース配分を事前に決めておくことが助けになります。



やるべきこと④ 睡眠と生活リズムを整える



直前期における最も重要な「学習」の一つが、睡眠の確保と生活リズムの調整です。


試験当日の開始時刻に合わせて、脳が活動状態に入っているようにするためには、当日だけ早起きしても間に合いません。


少なくとも3日前、できれば1週間前から、試験当日と同じ起床時刻に合わせた生活リズムに切り替えておくことが効果的です。


深夜まで勉強を続けることは、直前期においては得策ではありません。


睡眠不足の状態では、記憶の定着が妨げられるだけでなく、試験当日のパフォーマンスが大きく落ちます。


夜は一定の時刻に勉強を切り上げ、入眠の準備をする習慣を、試験前の1週間で作っておきましょう。


食事についても、胃腸に負担をかけるものや、普段食べ慣れていないものは避けたほうが無難です。


体調を崩すリスクを最小限にするという観点から、この1週間は「いつもと同じ」を守ることが大切です。



避けるべきこと① 新しい参考書・教材に手を出す



直前期に新しい参考書を購入して、最初から読み始めるという行動は、ほぼ例外なく逆効果です。


新しい教材を開くと、「自分はまだこれを知らなかった」という気づきが次々と出てきます。


しかし、それは、自分の知識が不足していることの証拠ではなく、単に「まだ触れていない範囲がある」という事実にすぎません。


試験に出るかどうかわからない新しい知識を1週間で詰め込もうとするより、すでに学んだことを確実に仕上げるほうが、得点への貢献は大きくなります。


直前期に使う教材は、これまで自分が使ってきたもの、書き込みや付箋が入っているものに限定してください。


なじんだ教材は、見た瞬間に記憶が引き出されやすい状態にあります。


それが直前期の強みです。



避けるべきこと② 合格者・他の受験者との比較



SNSや勉強仲間との会話の中で、他の受験者の進捗状況や学習量を知ってしまうことがあります。


「あの人はここまで終わっている」


「もうこんなに問題を解いている」


という情報は、直前期の焦りを増幅させる以外の効果をほとんど持ちません。


自分がこれまでにやってきた準備の量と質は、他の誰かの準備と比較して評価するものではありません。


試験は相対評価の競争であることは事実ですが、直前の1週間においては、他者との比較に意識を向けることよりも、自分の状態を整えることに集中することが、最終的に得点を引き上げます。


SNSを開く頻度を意識的に減らし、自分のペースで残りの準備を進めることを、この時期には選んでください。



避けるべきこと③ 徹夜・休日をなくした詰め込み



「試験前の最後の1週間だから」という理由で、睡眠を削って勉強を続けることは、長期的な準備を最後に台無しにするリスクがあります。


徹夜後の状態で試験を受けると、知っているはずの知識が本番で引き出せなくなります。


問題文の読み違い、マークミス、計算ミス、論作文での論理の飛躍といったケアレスミスが増えるのも、睡眠不足による認知機能の低下が原因です。


試験当日に最大限のパフォーマンスを発揮するためには、試験日に向けて体と脳が充電された状態でいることが前提条件です。


「もう1時間だけ」という誘惑に負けないために、就寝時刻をあらかじめ決め、その時刻になったら迷わず勉強を終える習慣を1週間前から実践してください。



避けるべきこと④ ランダムな詰め込み学習



「残り時間が少ない」という焦りから、テキストをランダムにめくって次々と新しい項目を確認しようとする行動があります。


しかし、体系性のない詰め込みは記憶に定着しにくく、本番で「あれ、どこで見たっけ」という曖昧な状態を生みやすくなります。


直前期の学習は、範囲を絞り、一つひとつの項目を確実に確認する方向で進めましょう。「広く薄く」より「狭く深く」が、残り1週間の正しい方針です。



最後に——「整える」という発想で1週間を使う



1次試験まで1週間という時間は、新しい力をゼロから積み上げるには短すぎます。


しかし、これまで積み上げてきた力を本番で最大限に発揮できる状態に整えるには、十分な時間です。


学習の絞り込み、過去問の分析的な見直し、本番のシミュレーション、睡眠と生活リズムの調整。


この4つを丁寧に実行するだけで、直前期の過ごし方として十分に機能します。


焦って新しいことに手を伸ばす必要はありません。


比較して自信を失う必要もありません。


今あなたの手元にある準備の積み重ねを信頼し、それを本番で出し切るための1週間として、残りの時間を使ってください。




河野正夫



 
 
 

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