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10.子供・保護者・同僚との信頼関係。(最終回) 大学生の教採面接・合格術

  • 執筆者の写真: 河野正夫
    河野正夫
  • 4 日前
  • 読了時間: 11分

大学生の教採面接・合格術


10.子供・保護者・同僚との信頼関係。(最終回)



★はじめに



教員採用試験の面接において、「信頼関係」という言葉は頻繁に登場します。


「子供たちとの信頼関係をどう築きますか」「保護者との信頼関係をどう構築しますか」「同僚とどのように協力しますか」といった質問は、ほぼすべての面接で出されます。


多くの受験者は、この質問に対して「誠実に対応します」「コミュニケーションを大切にします」といった一般的な答えを述べますが、それだけでは面接官の心には響きません。


信頼関係の構築について、具体的で説得力のある語り方を身につけることが、面接での高評価につながります。



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★信頼関係とは何か



信頼関係を語る前に、信頼関係とは何かを明確にする必要があります。


信頼関係とは、相手を信じ、相手からも信じられる関係です。


一方的なものではなく、双方向の関係です。


また、一朝一夕に築かれるものではなく、時間をかけた日々の積み重ねによって育まれるものです。


面接で信頼関係について語る際、この本質を理解していることを示す必要があります。


「子供たちを信じます」と言うだけでは不十分です。


「子供たちを信じると同時に、子供たちから信じられる教員になるために、日々の行動を大切にします」というように、双方向性と継続性を意識した語り方が重要です。



★子供との信頼関係の語り方



子供との信頼関係について問われた場合、多くの受験者は「子供たちの話をよく聞きます」「一人一人を大切にします」といった答えを述べます。


これらは間違いではありませんが、抽象的すぎて説得力を欠きます。


効果的な語り方は、具体的な行動と、その背景にある考え方を結びつけることです。


例えば、次のような語り方が考えられます。



「子供たちとの信頼関係を築くために、まず、子供たちの話を丁寧に聞くことを大切にしたいと考えています。教育実習で、ある子供が休み時間に私のところに来て、家で飼っている犬の話をしてくれたことがありました。授業の準備で忙しかったのですが、手を止めて話を聞きました。その子供は嬉しそうに話し、その後、授業中も積極的に発言するようになりました。この経験から、子供たちにとって、自分の話を聞いてもらえることが、信頼関係の第一歩だと学びました。教員になったら、忙しくても、子供たちの話に耳を傾ける時間を大切にしたいと思います。」



この語り方には、いくつかの要素が含まれています。


第一に、具体的なエピソードがあります。


第二に、その時の自分の判断と行動が示されています。


第三に、その経験から何を学んだかが明確です。


第四に、今後どうするかという意思が示されています。


こうした構成により、単なる一般論ではなく、経験に基づいた説得力のある語りになります。



また、子供との信頼関係について語る際には、一人一人の違いを理解することの重要性も示すことが効果的です。



「子供たちは一人一人違います。積極的に話しかけてくる子供もいれば、なかなか心を開かない子供もいます。信頼関係の築き方も、一人一人に合わせる必要があると考えています。教育実習で、授業中にほとんど発言しない子供がいました。その子供は、大勢の前で話すことが苦手でしたが、個別に話しかけると、自分の考えをしっかり持っていることがわかりました。そこで、その子供にはまず、ペアやグループでの活動の中で発言する機会を増やし、少しずつ自信をつけてもらうように心がけました。この経験から、信頼関係を築くためには、一人一人の特性を理解し、その子供に合った関わり方をすることが大切だと学びました。」



この語り方は、子供の多様性を理解していること、個に応じた対応ができること、観察力と工夫する力があることを示しています。



★保護者との信頼関係の語り方



保護者との信頼関係について問われた場合、多くの受験者は困難を感じます。


大学生は、保護者と直接関わる経験がほとんどないからです。


教育実習でも、保護者対応の場面に立ち会うことは稀です。


しかし、経験がないからといって、答えられないわけではありません。


保護者の立場を想像し、自分がどのように対応したいかを語ることができます。



「保護者の方々は、大切なお子さんを学校に預けてくださっています。不安や心配を抱えておられることも多いと思います。信頼関係を築くためには、まず、日々の子供の様子を丁寧に伝えることが大切だと考えています。良いことも、課題も、正直に伝えます。ただし、課題を伝える際には、一方的に問題点を指摘するのではなく、学校としてどのような支援をしているか、家庭でどのような協力をお願いしたいかを、具体的に伝えることが重要だと考えています。」



この語り方は、保護者の立場への共感、情報共有の重要性、正直さ、協力関係の構築という複数の要素を含んでいます。



さらに、保護者対応の難しさを認識していることを示すことも効果的です。



「保護者対応は、教員にとって難しい仕事の一つだと認識しています。保護者の方々の考え方や価値観は多様であり、学校に対する要望も様々です。すべての保護者の要望に応えることは難しいかもしれませんが、少なくとも、保護者の話を丁寧に聞き、学校の方針や考え方を誠実に説明し、子供のために何が最善かを一緒に考える姿勢を持ちたいと思います。わからないことや判断に迷うことがあれば、管理職や先輩教員に相談しながら、適切に対応したいと考えています。」



この語り方は、保護者対応の難しさを理解していること、謙虚さ、誠実さ、チームで対応する意識を示しています。


特に、「わからないことは相談する」という姿勢を示すことは、初任者として現実的で誠実な態度として評価されます。



また、塾講師や家庭教師のアルバイト経験がある場合は、その経験を保護者対応に結びつけることもできます。



「塾講師のアルバイトで、保護者面談に同席する機会がありました。保護者の方は、お子さんの成績だけでなく、学習への取り組み方や、友達との関係など、様々なことを心配しておられました。その際、具体的な事実に基づいて、お子さんの良い点と課題を伝え、今後の学習計画を一緒に考えることで、保護者の方に安心していただけました。この経験から、保護者との信頼関係は、具体的で正確な情報共有と、お子さんのために協力するという共通の目標を持つことで築かれると学びました。」



★同僚との信頼関係の語り方



同僚との信頼関係について問われた場合、多くの受験者は「協力します」「コミュニケーションを取ります」といった答えを述べます。しかし、これだけでは不十分です。


効果的な語り方は、学校という組織の中で働くことの理解を示すことです。



「学校は、一人の教員だけで運営されるものではなく、多くの教員が協力して子供たちの教育にあたる組織です。私は初任者として、まず先輩教員から多くのことを学ばせていただく立場です。謙虚に学ぶ姿勢を持ちながら、同時に、自分にできることは積極的に行い、学校の一員として貢献したいと考えています。」



この語り方は、組織への理解、謙虚さ、学ぶ姿勢、貢献への意欲という複数の要素を含んでいます。



また、報告・連絡・相談の重要性を示すことも効果的です。



「同僚との信頼関係を築く上で、報告・連絡・相談を徹底することが重要だと考えています。特に、子供たちの問題や、保護者からの相談など、自分一人で判断できないことは、すぐに学年主任や管理職に相談します。情報を共有し、チームで対応することで、より良い解決策が見つかると考えています。また、自分が担当する業務については、進捗状況を適切に報告し、他の教員に迷惑をかけないように心がけます。」



この語り方は、組織人としての基本的な姿勢、チームワークの理解、責任感を示しています。



さらに、大学でのサークル活動やグループ活動の経験を結びつけることもできます。



「大学のサークル活動で、イベントの企画運営を担当した経験があります。その際、メンバー全員の意見を聞き、役割分担を明確にし、定期的に進捗を共有することで、円滑に活動を進めることができました。この経験から、組織の中で協力して仕事を進めるためには、コミュニケーションと役割の明確化が重要だと学びました。学校でも、この経験を活かし、同僚の先生方と協力して仕事を進めたいと考えています。」



★三者の関連性



子供・保護者・同僚との信頼関係は、それぞれ独立したものではなく、互いに関連しています。


この関連性を示すことで、より深い理解を示すことができます。



「子供たちとの信頼関係を築くことは、保護者との信頼関係にもつながります。子供たちが学校を楽しみにし、成長している姿を見れば、保護者も安心してくださいます。また、保護者と良好な関係を築くことは、子供たちの教育にも良い影響を与えます。家庭と学校が協力することで、子供たちはより安心して学ぶことができます。さらに、同僚との信頼関係があれば、困難な状況でも協力して対応でき、結果として子供たちや保護者にも良い教育を提供できます。この三つの信頼関係は、互いに支え合っていると考えています。」



★時間をかけることの理解



信頼関係は、すぐに築かれるものではありません。時間をかけた積み重ねが必要です。この理解を示すことも重要です。



「信頼関係は、一度の出来事で築かれるものではなく、日々の小さな積み重ねによって育まれるものだと考えています。毎日の挨拶、子供たちへの声かけ、保護者への連絡、同僚への報告。こうした一つ一つの行動を丁寧に行うことで、少しずつ信頼関係が築かれていくと思います。焦らず、着実に、誠実に対応し続けることが大切だと考えています。」



失敗からの回復



信頼関係について語る際、常にうまくいくという前提ではなく、失敗や困難があることも認識していることを示すことが効果的です。



「どれだけ努力しても、失敗やミスは起こります。子供たちに適切な対応ができなかったり、保護者に誤解を与えてしまったり、同僚に迷惑をかけてしまったりすることもあると思います。その際、大切なのは、失敗を隠さず、素直に認め、謝罪し、改善することだと考えています。完璧な教員はいません。しかし、失敗から学び、次に活かす姿勢を持つことで、かえって信頼が深まることもあると思います。」



この語り方は、現実的な認識、謙虚さ、誠実さ、成長への意欲を示しています。



★具体的な場面の想定



面接では、具体的な場面を想定した質問が出されることもあります。


「子供が授業中に騒いでいるとき、どう対応しますか」「保護者から厳しい要望があったとき、どうしますか」「同僚と意見が対立したとき、どうしますか」といった質問です。



こうした質問に対しては、一つの正解を述べるのではなく、状況を丁寧に見極め、適切に対応する姿勢を示すことが重要です。



「子供が授業中に騒いでいる場合、まず、なぜ騒いでいるのかを考えます。授業の内容が理解できていないのか、他に気になることがあるのか、体調が悪いのか。状況を見極めた上で、適切に声をかけます。一度の注意で改善されない場合は、授業後に個別に話を聞き、原因を探ります。必要であれば、学年主任や生徒指導担当の先生に相談します。子供の行動には必ず理由があるはずなので、表面的な対応ではなく、根本的な原因を理解することが大切だと考えています。」



この語り方は、観察力、状況判断力、多角的な視点、チームで対応する意識を示しています。



★価値観の違いへの対応



保護者や同僚との関係において、価値観の違いに直面することもあります。この点についても触れることが効果的です。



「保護者の方々の教育観は多様です。厳しく指導してほしいという方もいれば、のびのびと育ててほしいという方もいます。すべての要望に応えることは難しいですが、それぞれの保護者の考えを尊重しながら、学校としての教育方針を丁寧に説明し、理解を得る努力をしたいと思います。また、同僚の先生方も、それぞれ異なる指導観や経験を持っておられます。違いを否定するのではなく、互いに学び合い、より良い教育のために協力したいと考えています。」



★継続的な努力



信頼関係の構築は、一時的な努力ではなく、継続的な努力が必要です。この点を示すことも重要です。



「信頼関係は、築くことも難しいですが、維持することも難しいと思います。一度築いた信頼も、一つの失敗や不注意で失われることがあります。常に誠実に、丁寧に、子供たち、保護者、同僚と向き合い続けることが必要だと考えています。これは簡単なことではありませんが、教員として最も大切なことの一つだと思います。」



★結論



教員採用試験の面接において、信頼関係について問われた際には、一般的な答えではなく、具体的で説得力のある語り方が求められます。


子供との信頼関係については、具体的なエピソードを交え、一人一人の違いを理解し、個に応じた対応をする姿勢を示します。


保護者との信頼関係については、保護者の立場への共感、情報共有の重要性、誠実さ、協力関係の構築を語ります。


同僚との信頼関係については、組織への理解、謙虚さ、学ぶ姿勢、報告・連絡・相談の徹底を示します。


また、三者の信頼関係が互いに関連していること、時間をかけた積み重ねが必要であること、失敗からの回復も信頼関係の一部であること、価値観の違いへの対応、継続的な努力の必要性についても触れることで、深い理解を示すことができます。


信頼関係の構築は、教員の仕事の根幹です。


この点について、自分の経験に基づいた具体的で誠実な語りができることが、面接での高評価につながり、合格への確かな道となります。


抽象的な理念ではなく、具体的な行動と、その背景にある考え方を結びつけて語ることを心がけてください。




河野正夫



 
 
 

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