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第8回:過去問分析による出題傾向の完全把握 【教員採用試験の不合格を合格に変える!】(全20回連載)

  • 執筆者の写真: 河野正夫
    河野正夫
  • 2025年10月3日
  • 読了時間: 9分

更新日:2025年10月5日

第8回:過去問分析による出題傾向の完全把握



【教員採用試験の不合格を合格に変える!】(全20回連載)



★★はじめに★★



教員採用試験対策において、過去問は最も重要な教材です。


しかし、多くの受験者が過去問を「ただ解くだけ」で終わらせてしまい、その真の価値を活かしきれていません。


過去問は、出題者からのメッセージそのものです。


科学的に分析することで、何が出題されやすいのか、どのような能力が求められているのかが明確に見えてきます。


この記事では、データ分析の手法を活用しながら、過去問から出題傾向を完全に把握する方法を分かりやすく解説します。





★★過去問分析の重要性を理解する★★



まず、なぜ過去問分析がこれほど重要なのかを理解しましょう。



☆出題傾向には一貫性がある


教員採用試験の出題は、各自治体の教育委員会が作成します。


作成者や方針に一定の継続性があるため、出題傾向にも一貫性が見られます。


過去の傾向を分析することで、今年の出題内容をある程度予測できます。



☆効率的な学習計画が立てられる


出題頻度の高い分野が分かれば、そこに学習時間を集中投下できます。


すべての範囲を均等に勉強するより、はるかに効率的です。



☆出題形式への対応力が高まる


どのような形式で出題されるのか(選択式、記述式、論述式)を知ることで、適切な対策ができます。



☆自信につながる


「この分野は毎年出る」と分かっていれば、その分野を徹底的に学習することで、本番でも自信を持って解答できます。



★★過去問の入手方法★★



分析の第一歩は、過去問を確実に入手することです。



☆公式ルートでの入手


いくつかの自治体は、教育委員会のホームページで過去問を公開しています。


まずはこちらを確認しましょう。


公開年数は自治体によって異なりますが、最低でも過去3年分、できれば5年分以上を入手します。



☆市販の過去問集


協同出版などから、自治体別の過去問集が販売されています。


解説が詳しく、複数年分がまとまっているため便利です。



☆県庁等での閲覧・コピー


ホームページで公開されていない問題は、県庁等で入手できる場合があります。


各自治体の公開窓口に問い合わせてみましょう。



★★過去問分析の基本手順★★



過去問分析は、以下の手順で進めます。



ステップ1:



☆データの整理


過去5年分の問題を用意し、年度別にファイリングします。


この段階では、まだ解く必要はありません。



ステップ2:


分類表の作成 エクセルやスプレッドシートを使って、問題を分類する表を作ります。



◎分類項目の例:



・年度


・科目(教職教養、専門教科、一般教養)


・分野(教育法規、教育心理など)


・細目(教育基本法、学習理論など)


・出題形式(選択式、記述式)


・難易度(易、中、難)



ステップ3:


全問題の分類 過去5年分のすべての問題を、作成した表に記入していきます。


この作業は時間がかかりますが、非常に重要です。



ステップ4:


データの集計 分野別の出題数、出題頻度、難易度分布などを集計します。



★★教職教養の出題傾向分析★★



教職教養について、具体的な分析方法を説明します。



☆分野別出題数の分析


各分野から何問出題されているかを年度別に集計します。



分析結果の例として、


ある自治体の過去3年間を見てみたと仮定します。


2024年度は教育法規が8問、教育心理が6問、学習指導要領が5問、教育原理が4問、教育史が2問でした。


2023年度は教育法規が7問、教育心理が7問、学習指導要領が5問、教育原理が3問、教育史が3問でした。


2022年度は教育法規が8問、教育心理が5問、学習指導要領が6問、教育原理が4問、教育史が2問でした。


この3年間の合計を見ると、教育法規が23問、教育心理が18問、学習指導要領が16問、教育原理が11問、教育史が7問となります。


この分析から、教育法規が最も出題数が多く、教育史が最も少ないことが明確に分かります。



☆頻出項目の特定


各分野の中で、特に頻繁に出題される項目を特定します。



◎教育法規の例:


・教育基本法第1条(教育の目的):5年中5回出題


・学校教育法第21条(義務教育の目標):5年中4回出題


・地方公務員法第33条(信用失墜行為の禁止):5年中3回出題



このように、毎年または隔年で出題される項目が見えてきます。


これらは最優先で学習すべき内容です。



☆新傾向の発見


過去5年の推移を見ることで、新しい傾向も見えてきます。


例えば、「ICT教育に関する問題が2022年から急増している」「働き方改革に関する出題が増えている」といった変化です。



★★専門教科の出題傾向分析★★



専門教科も同様に分析します。


☆単元別出題頻度


各単元からどれくらい出題されているかを集計します。



◎数学の例:


・代数(方程式、関数):毎年5〜6問


・幾何(図形、証明):毎年3〜4問


・解析(微分、積分):毎年2〜3問


・統計・確率:毎年1〜2問



☆難易度の傾向


基礎問題、標準問題、応用問題の出題比率を分析します。



例:


・基礎問題:40%


・標準問題:50%



・応用問題:10%


この場合、基礎から標準レベルの問題を確実に解けるようにすることが、得点アップの鍵となります。



☆学習指導要領との対応


専門教科の問題が、学習指導要領のどの部分に対応しているかを確認します。指導要領で重視されている内容は、試験でも出題されやすい傾向があります。



★★一般教養の出題傾向分析★★



一般教養は範囲が広いため、分析が特に重要です。


☆科目別出題数の把握


各科目の出題数を集計し、どの科目に力を入れるべきかを判断します。



例:


・国語:毎年6問


・数学:毎年4問


・英語:毎年4問


・社会:毎年4問(日本史2問、地理1問、公民1問)


・理科:毎年3問(化学2問、生物1問)



この例では、国語が最多出題のため、国語を重点的に学習すべきだと分かります。



☆出題されない科目の特定


過去5年間一度も出題されていない科目や分野があれば、思い切って学習対象から外すことも検討します。



★★出題形式の分析★★



問題の形式を分析することで、どのような能力が求められているかが分かります。



☆選択式問題の分析


選択肢の数、ひっかけ問題の有無、部分点の有無などを確認します。


「すべて選べ」形式なのか「一つ選べ」形式なのかも重要です。



☆記述式問題の分析


記述式問題では、以下の点を分析します。


・字数制限(50字、100字、200字など)


・求められる内容(定義、説明、具体例、意見)


・採点基準(キーワードの有無、論理性など)



☆論述式問題の分析


論述問題では、テーマの傾向を分析します。



◎頻出テーマの例:


・主体的・対話的で深い学びの実現方法


・いじめ問題への対応


・ICTを活用した授業づくり


・特別支援教育の推進



★★出題者の意図を読み解く★★



過去問分析の上級テクニックとして、出題者の意図を読み解く方法があります。



繰り返し出題される内容の意味 何度も出題される内容は、「教員として絶対に知っておいてほしい」という出題者のメッセージです。


これらは完璧にマスターする必要があります。



☆法改正後の出題


法律や制度が改正された翌年は、改正内容に関する問題が出やすい傾向があります。


最新の改正情報は必ずチェックしましょう。



☆時事問題との関連


社会的に大きな話題になった教育問題は、翌年の試験に反映されることがあります。


いじめによる事件、学力調査の結果、新しい教育政策などに注目しましょう。



★★分析結果の活用方法★★



分析したデータを、実際の学習計画に活かします。



☆優先順位リストの作成


出題頻度が高い項目から順に、学習の優先順位リストを作ります。



優先度A(必須):


毎年出題される項目



優先度B(重要):


2〜3年に1回出題される項目



優先度C(参考):


たまに出題される項目



☆学習時間の配分


優先度Aの項目に最も多くの時間を割き、優先度Cは時間に余裕があれば取り組むという方針を立てます。



☆予想問題の作成


過去の出題傾向から、「今年出題されそうな問題」を予想して自作します。


この予想問題を解くことで、実践的な力が身につきます。



★★継続的な分析とアップデート★★



過去問分析は一度で終わりではありません。



☆新年度問題の追加


新しい年度の問題が公開されたら、すぐに分析表に追加します。


傾向に変化がないか確認しましょう。



☆分析の見直し


学習を進める中で、新たな気づきがあれば分析を更新します。


「この項目は思ったより難しい」「この分野は関連知識が必要」といった情報を追記します。



☆模擬試験結果との照合


模擬試験を受けたら、その出題内容と自分の分析を照合します。


予想が当たっていたか、見落としていた分野はないかを確認します。



★★分析作業の効率化★★



過去問分析は時間がかかる作業ですが、以下の工夫で効率化できます。



☆テンプレートの活用


一度分析用の表を作成すれば、翌年度以降は同じテンプレートが使えます。エクセルの関数を使えば、自動集計も可能です。



☆仲間との情報共有


信頼できる勉強仲間がいれば、分析作業を分担することもできます。


ただし、分析結果だけをもらうのではなく、自分でも必ず問題を見て確認することが重要です。



☆専門機関の資料活用


予備校や教員採用試験対策機関が発行している出題傾向分析資料も参考になります。


ただし、これらはあくまで参考であり、自分自身で過去問を見て分析することが最も重要です。



★★過去問分析で陥りがちな失敗★★



分析に熱中しすぎて、以下のような失敗をしないよう注意しましょう。



☆分析だけで満足してしまう


分析することが目的ではありません。


分析結果を実際の学習に活かすことが重要です。



☆過去問だけに頼りすぎる


過去問は重要ですが、それだけでは不十分です。


基礎知識の習得、応用力の育成も並行して行う必要があります。



★★まとめ★★



過去問分析は、教員採用試験対策において最も効果的な戦略の一つです。


科学的にデータを分析することで、出題傾向を完全に把握し、効率的な学習計画を立てることができます。


重要なのは、ただ問題を解くのではなく、「なぜこの問題が出題されるのか」「どのような能力が求められているのか」を考えながら分析することです。


出題者の意図を理解し、求められる教員像に近づく努力をすることが、合格への最短距離となります。



次回は、教育時事・教育課題への対応力強化について、解説します。



教員採用試験では、最新の教育政策や現代的な教育課題についての理解が問われます。


いじめ、不登校、ICT教育、働き方改革、インクルーシブ教育など、時事的なテーマは筆記試験だけでなく面接でも頻出です。





河野正夫



 
 
 

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