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第8回:保護者・同僚との連携の語り方【講師枠・臨採枠・現職枠で受験する人のために】

  • 執筆者の写真: 河野正夫
    河野正夫
  • 2025年7月5日
  • 読了時間: 6分

【講師枠・臨採枠・現職枠で受験する人のための無料面接講座(連載・全10回)】



第8回:保護者・同僚との連携の語り方


信頼を築き、協働を成立させる言葉の構造と姿勢の共有



教員という仕事は、決して教室内だけで完結するものではありません。


保護者や同僚、管理職、場合によっては地域社会や外部機関など、多様な関係者と協力しながら子どもの育ちと学びを支えていくことが求められます。


とりわけ経験者枠の面接では、「保護者との関係づくり」「同僚との連携」「チームとしての協働意識」について、実際の経験に基づいた語りが重視されます。


本稿では、面接における「連携観の語り方」を、保護者編と同僚編の二つに分けて解説します。


いずれも単なる「報告」や「伝達」の話に終始せず、信頼と協働をキーワードに据えた語りに昇華させることが、合否を分けるポイントとなります。





教師の連携観が問われる背景



教育現場では、すべての子どもが同じ環境・同じ条件で学んでいるわけではありません。


家庭環境や生活リズム、価値観や文化的背景などは一人ひとり異なります。


こうした多様性に対応し、教育的な支援を行っていくには、教員一人の力量だけで解決しようとするのではなく、「複数の視点」と「共同の意思決定」が必要になります。


そのためには、子どもを中心に据えた「対話型の連携」が不可欠です。


とりわけ保護者と同僚は、教員にとって日常的に関わる最も近しい協働者です。


彼らとの関係の築き方や、日々のコミュニケーションの質は、学級経営・指導力・組織対応力といった面接官が重視する資質とも深く結びついています。



保護者との連携:信頼関係の出発点は「共有」



面接で保護者との関わりについて問われた場合、まず問われているのは、「子どもを取り巻く家庭という環境をどう捉え、どう関係を築こうとしているか」という視点です。


保護者を一方的に支援対象として捉えるのではなく、共に子どもの成長を支えるパートナーと見なす姿勢が前提となります。


この関係性を築く第一歩は「情報共有」です。保護者が子どもの学校での様子を知る機会をどれだけ丁寧に用意できるかが、信頼感の土台になります。



【例:語りの場面】


「学級通信では、単なる出来事報告ではなく、子どもたちの学びのプロセスや葛藤の様子を丁寧に描写し、学校生活を一緒に見守っているような感覚を持ってもらえるよう工夫しました。」



このように、保護者に「見えている」「伝わっている」と感じてもらえる関係を築くことが、連携の起点となります。



保護者対応の中で問われる“傾聴”と“対話力”



次に面接官が見ているのは、難しい状況での保護者対応において、「どのように傾聴し、どのように信頼を回復したか」という具体的なやりとりです。


たとえば、学習面で不安を抱える保護者からの要望や、クラス内の人間関係に対する不満などに直面した際、一方的に説明や弁明をするのではなく、まずは「何に不安を感じているのか」「何を求めているのか」を丁寧に聴き取る姿勢が評価されます。



【語りの構造例】



1. 状況の共有:


「通知表の記述についてご心配の声をいただきました」



2. 保護者の意図の把握:


「お話を丁寧に伺う中で、家庭での努力を伝えたかったという思いが強いことに気づきました」



3. 応答と協働への転換:


「それを踏まえ、次回の個人面談では本人の努力や取り組み過程をより明確に伝える形で記録を整理する提案を行いました」



このような構造で語ることにより、単なるトラブル対応ではなく、「信頼回復のプロセス」として面接官に伝えることができます。



同僚との連携:


協働と柔軟性の視点から語る



同僚との連携について問われる際に見られているのは、「組織の一員としての意識」「チームで教育を支える姿勢」「自他の専門性の相互活用」といった視点です。


ここでも、ただ「会議に出席している」「業務を分担している」といった記述だけでは不十分です。


協働の本質は、「情報の共有」と「立場の違いを尊重し合えるかどうか」にあります。


特に若手講師や臨採教員の場合は、周囲の指導を受け入れる姿勢と、それを自分なりに咀嚼して実践に落とし込んでいるかどうかが問われます。



【例:語りの焦点】


☆学年会で授業設計を提案し、他教員と検討・修正しながら進めた


☆学級内の児童理解について、支援学級担当や養護教諭と連携し、支援の軸を共有した


☆朝の打ち合わせや職員会議で、自分の視点を共有し、他者の意見を咀嚼して実行に反映させた



こうした具体的なやりとりは、個人技ではなく「チームとして子どもを支えている教員像」を印象づける効果を持ちます。



面接における語り方:


3つの構成要素を組み立てる



面接で連携について語る際には、次の3つの要素を明確に分けて構成すると、整理された印象を与えることができます。



1.関係構築の基本姿勢


☆保護者や同僚をどう捉えているか(尊重・共育・役割の違い)


☆連携における信頼の重要性をどのように考えているか



2.具体的な関わりと工夫


☆どのような場面でどのような工夫を行ったか


☆課題や困難があった際、どのように応じたか



3.相手の反応と自分の学び


☆相手の変化や信頼の芽生えが見られたか


☆その経験から自分の連携観や行動がどう変化したか



この構成を踏まえて語ることで、「関係を丁寧に育てていく姿勢」と「自己省察に基づく行動の変容」が自然と伝わります。



よくあるNG表現と回避方法



面接で頻出する誤解を生みやすい語りのパターンには注意が必要です。



「保護者とは連絡帳でこまめにやり取りしています」


→ 手段の列挙に終始せず、やり取りの“中身”や“変化”に焦点を当てる



「同僚からアドバイスをもらって助かりました」


→ 「どのような場面で、どんな助言があり、自分がどう行動を変えたか」を具体的に述べる



語りには常に、「場面」「行動」「意図」「結果」の4点セットが求められます。



総括:


第8回のまとめ



☆教師の仕事は、教室内にとどまらず、保護者や同僚との連携によって支えられている


☆保護者との関係づくりは、「情報共有」と「傾聴」によって信頼の土台が築かれる


☆同僚との連携では、「自分の立場と相手の立場を尊重し合う姿勢」と「協働による実行力」が問われる


☆面接では、「関係観→具体的工夫→変化と学び」の3層構造で語ると説得力が増す


☆手段や結果だけでなく、「その関係をどう捉えているか」という根本的なスタンスの表明が重要である




次回(第9回)は、「教育観の深め方と語りの言葉選び」をテーマに、経験に根ざした言葉で教育観を構築するためのヒントをお届けします。


テンプレート化した理念ではなく、日々の実践から立ち上がる“自分だけの教育観”をどう言語化するか。


その技法を構造的に掘り下げていきます。




河野正夫



 
 
 

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