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第8回: 自己採点のやり方と、結果との向き合い方。【教採ブログ連載】

  • 執筆者の写真: 河野正夫
    河野正夫
  • 12 分前
  • 読了時間: 7分

【教採ブログ連載】


第8回


自己採点のやり方と、結果との向き合い方





★自己採点は「次の一手」を決めるための作業である



1次試験が終わったあと、自己採点をするかどうか迷う受験者は少なくありません。


「結果が怖くて採点できない」「どうせ公式結果が出るならやらなくていい」という気持ちは理解できます。


しかし、自己採点には、合否の確認という以上の意味があります。


自己採点は、自分の現在地を把握し、次に何をすべきかを決めるための作業です。


どの分野で得点できたか、どの分野で失点したかが見えることで、2次試験対策の優先順位が決まります。


また、万が一次年度に再挑戦することになった場合にも、今回の試験の記録は重要な学習データになります。


自己採点を


「結果を突きつけられる恐怖の作業」として捉えるのではなく、


「次の準備を始めるための情報収集」として位置づけることが、


この作業に向き合うための正しい姿勢です。



★第一段階——試験当日中にすべき「記録」



自己採点は、正答が公開されて初めて行うことができます。


しかし、正答の公開を待つ間にすべき重要な作業があります。


それが、試験当日中に自分の回答を記録しておくことです。


試験が終わった直後が、どの問題にどう答えたかを最も正確に思い出せる時間です。


時間が経てば経つほど、迷って選んだ問題や、見直しで答えを変えた問題の記憶は急速に薄れます。


問題用紙への書き込みが許可されていた場合は、選んだ選択肢に印をつけた状態で持ち帰ることができます。


許可されていなかった場合は、会場を出た直後に、気になった問題・迷った選択肢・自信がなかった箇所をメモしておきましょう。


論作文については、書いた内容の骨子と、実際に論じた方向性を、できるだけ詳しく記録しておいてください。


この当日の記録が、正答公開後の自己採点と振り返りの精度を大きく左右します。



★正答の入手方法



自己採点に使う正答は、受験した自治体の公式ウェブサイトで確認してください。


正答の公開時期は自治体によって異なります。


試験日から数日以内に公開する自治体もあれば、合格発表と同時に公開する自治体もあります。


正答をそもそも公開しない自治体も存在します。


その場合は、選択肢の照合による自己採点自体ができないことになります。


試験後は定期的に自治体の公式サイトを確認し、正答が公開されたタイミングですみやかに自己採点に移ってください。



★第二段階——正答公開後の自己採点の手順



正答が公開されたら、当日に記録した自分の回答と照合し、全問題の正誤を確認します。


次に、得点を計算します。


配点が公開されている場合はそれに従い、公開されていない場合は均等配点として計算してください。


得点が出たら、科目別・分野別の正誤を整理します。


教職教養であれば「教育法規」「学習指導要領」「教育心理」「教育史」「教育時事」といった分野ごとに、正解数と不正解数を記録してください。


一般教養であれば「国語」「数学」「英語」「社会」「理科」「時事」といった科目ごとに整理します。


この分野別の整理が、自己採点を「次の準備への地図」に変える作業です。


どの分野で安定して得点できているか、どの分野で繰り返し失点しているかが見えることで、2次試験対策期間中に補強すべき領域が明確になります。


間違えた問題については、なぜ間違えたかの理由も記録しておきましょう。


知識が抜けていたのか、問題文の読み誤りだったのか、選択肢の紛らわしさに引っかかったのか。


この理由の分類が、同じミスを繰り返さないための学習に直結します。



★論作文の振り返り方



論作文は、筆記試験のように数値で自己採点することができません。


しかし、振り返りをしないまま放置することは、次の準備につながりません。


当日に記録しておいた内容をもとに、以下の観点で自己評価してください。


題意への正対という観点では、出題テーマに対して正面から答えていたかを確認します。


テーマがずれていた場合、どのように読み誤ったかを分析しておきましょう。


構成の安定という観点では、序論・本論・結論の3段構成が崩れていなかったかを確認します。


書いているうちに論理の方向が変わっていなかったか、結論が序論と対応していたかを振り返ってください。


具体性という観点では、抽象的な理念の記述にとどまらず、具体的な教師の行動や場面が盛り込まれていたかを確認します。


文字数と時間配分という観点では、制限文字数に対して十分な量を書けたか、時間内に書き切れたかを確認します。


書き切れなかった場合は、どの段階で時間が足りなくなったかを特定しておきましょう。


可能であれば、信頼できる指導者に当日の記録をもとにフィードバックをもらうことが、最も確かな振り返りになります。



★得点が想定より高かったとき



自己採点の結果が自分の予想より高かった場合の向き合い方を整理します。


まず、安心することは構いません。


しかし、安心のあまり2次試験の準備を後回しにすることは、最も避けるべき行動です。


1次試験の筆記で高得点を取っても、2次試験の準備が不十分であれば合格には届きません。


自己採点の結果が良好であることは、自信の根拠として活用してください。


「1次は通過できそうだ」という手応えを、2次試験の準備をすぐに始めるためのエネルギーに変えることが、この結果の正しい使い方です。


また、自己採点はあくまで参考値であることも忘れないでください。


公式結果が予想外に低い可能性もゼロではありません。


1次合格発表が出るまでは、結果を確定したものとして扱わず、準備を続けることが重要です。



★得点が想定より低かったとき



自己採点の結果が自分の予想より低かった場合の向き合い方を整理します。


まず、自己採点の結果は公式結果ではないことを確認してください。


選択肢の記憶が曖昧な問題、解釈が分かれる問題、配点の誤った推測が積み重なると、自己採点の数字は実際の得点より低く出ることがあります。


得点が低かった場合でも、公式の1次合格発表が出るまでは諦めず、2次試験の準備を進めることが最も合理的な行動です。


合格発表を待ちながら何もしない時間は、準備の機会を失うだけです。


自己採点の得点が合格ラインに届いていないと感じる場合でも、公式結果が出るまでは可能性を残したまま、2次試験の準備を続けてください。


その準備は、今年度合格した場合には直接役に立ち、次年度に再挑戦する場合にも無駄にはなりません。



★自己採点結果を記録として残す



自己採点が終わったら、その結果を記録として残しておいてください。


記録する内容は、科目別・分野別の得点、間違えた問題の一覧とその理由の分類、論作文の自己評価メモ、そして試験全体を通じた感想や気づきです。


この記録は、今年度の2次試験対策において補強すべき領域を特定するために使えます。


次年度に再挑戦することになった場合も、今回の試験での学習状況と失点パターンを正確に把握している受験者は、次の準備を効率よく進めることができます。


記録は丁寧に作る必要はありません。


箇条書きで十分です。


試験の記憶が鮮明なうちに書き留めておくことが、後から振り返ったときの情報の精度を高めます。



★最後に——自己採点は「終わり」ではなく「始まり」である



自己採点は、1次試験の終わりを確認する作業ではありません。


次のステージへの準備を始めるための、情報収集の作業です。


得点が高くても低くても、その結果から学べることがあります。


得点の高い領域は、自信を持って次の試験に臨める根拠になります。


得点の低い領域は、2次試験対策期間中に補強すべき課題として活用できます。


自己採点の結果を一喜一憂の材料として消費することをやめ、次の準備への地図として使うことを選んでください。


1次試験が終わったその日から、あなたの取り組みはすでに2次試験に向けて動き始めています。




河野正夫



 
 
 

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