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第6回 教育原理・教育法規を「丸暗記」せず得点化する秘訣:条文・理念を理解し、エピソードに落とし込む学習法

  • 執筆者の写真: 河野正夫
    河野正夫
  • 2025年9月2日
  • 読了時間: 5分

第6回 教育原理・教育法規を「丸暗記」せず得点化する秘訣:条文・理念を理解し、エピソードに落とし込む学習法



【大学生のための、教採裏技講座】全20回



1.はじめに



教員採用試験において、教育原理・教育法規は必ず出題される基盤的分野です。


出題比率こそ自治体ごとに異なりますが、教育基本法・学校教育法・地方公務員法・学習指導要領などは「最低限理解しておくべき常識」として位置づけられています。


しかし、多くの受験生が誤りやすいのは、法規を「丸暗記」の対象と考えることです。


条文を暗記するだけでは、筆記試験での応用力が不足し、論作文や面接でも根拠として使えません。


むしろ重要なのは、条文や理念を理解し、自分の教育観や経験と結びつけることです。


こうすることで、知識が「点数」へと転換し、さらに「語れる資産」として活きてきます。」





2.教育原理・法規学習の本質



(1)教育原理=理念の理解


教育原理は「教育とは何か」「教師の使命とは何か」を体系的に学ぶ分野です。


西洋の思想家(コメニウス、ルソー、ペスタロッチなど)の教育観や、日本教育史の流れを押さえることが中心となります。こ


こでは、理論と現代教育のつながりを理解することが大切です。



例:


ルソーの「自然主義教育」は、現代の「主体的・対話的で深い学び」に通じています。


単なる思想の暗記ではなく、「今の教育実践でどう生きているか」を意識することで得点化しやすくなります。



(2)教育法規=規範の理解


教育法規は、教師として働く際に必ず基盤となるルールを定めています。


教育基本法は教育の理念を、学校教育法は学校種ごとの特徴や区分を、地方公務員法、教育公務員特例法や地方教育行政法は教育公務員に関する制度面を規定しています。


ここでも重要なのは「条文の正確な言葉」より、その趣旨や原理を理解することです。


たとえば、教育基本法第1条の「人格の完成」という理念は、論作文や面接で「子ども一人ひとりの可能性を引き出す教育」という言葉に、自分なりに翻訳して活用できます。



(3)知識を「評価基準」に転換する


教採では、筆記試験だけでなく、論作文や面接でも「教育法規を根拠に語れるか」が問われています。


教育現場の判断基準を法規に基づいて説明できるかどうかは、合否を左右する要素です。


したがって、学習の目的は「暗記」ではなく「教育現場での判断基準を自分の言葉に置き換える」ことだと言えます。



3.学習法のステップ



(1)条文を「要旨化」する


最初のステップは、条文を丸暗記するのではなく、要旨を短い言葉に整理することです。

例:



☆教育基本法第1条 → 「教育の目的=人格の完成と社会の形成者の育成」


☆教育基本法第2条 → 「教育の目標=知・徳・体の調和」


☆学校教育法第21条 → 「義務教育の目的=基礎的な能力・心身の発達」



このように、条文を「キーワードの塊」としてまとめると、理解しやすく、記憶も定着します。



(2)理念を「エピソード化」する


次に、理念を自分の経験に結びつけます。



例:


教育基本法の「公共の精神」


→ボランティア活動で地域社会に貢献した経験



例:


教育公務員特例法の「職務に専念する義務」


→ 教育実習であっても、実習時間中は、児童生徒の安全を最優先に考えた対応



条文や理念をエピソードで語れるようにすると、論作文や面接で自然に使える知識になります。



(3)「問われ方」を知る


教育法規は、筆記試験では「条文穴埋め」が多いですが、面接などでは「趣旨理解」や「具体的適用」が問われることが多いです。



例:



「教育基本法に定められた教育の目的は何か」


「義務教育の目的を学校教育法に基づいて述べよ」


「教員が遵守すべき服務の基本原則は何か」



過去問や自治体問題集を通して、筆記試験、そして、面接、小論文、集団討論などでの、出題のされ方に慣れることが得点化への近道です。



4.具体的な学習テクニック



(1)「キーワードカード」方式


条文の全文を暗記するのではなく、要旨やキーワードだけをカード化します。


表に「教育基本法第1条」、裏に「教育の目的:人格の完成・社会の形成者の育成」と書く、といった方法です。


短時間で繰り返すことで、知識が定着します。



(2)「一行要約+経験メモ」ノート


条文ごとに「一行要約」と「自分の経験」を並記したノートを作るのも有効です。

例:


教育基本法第3条(障害教育) → 「生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習する」


経験メモ:教師として、日々の研究と修養がなによりも大切。


このように書いておくと、試験で根拠+具体例を即座に語れるようになります。



(3)グループ学習での「条文説明リレー」


仲間と学ぶ際には、条文を1人ずつ要約して説明する「条文リレー」を行うと効果的です。


自分の言葉で他者に説明できれば、本当に理解している証拠となります。



5.得点化のプロセス



(1)筆記試験での活用


条文のキーワードを選択肢から判断


施策や制度の背景を問う問題に対応


「条文=暗記」ではなく、「条文=理解」に基づく選択ができるようになります。



(2)論作文での活用


「児童の主体性を尊重する教育の必要性について述べよ」と問われたとき、教育基本法第2条の「自主的精神」を根拠にすれば説得力が増します。


条文を「引用」ではなく「根拠」として使うことが、評価を高める秘訣です。



(3)面接での活用


面接で「教師として大切にしたいことは何ですか」と問われたときに、「教育基本法第1条にある人格の完成を目指し、子ども一人ひとりの可能性を伸ばす教育を実践したい」と答えられると、知識と教育観を接続できる受験者として高評価につながります。



6.まとめ


教育原理・教育法規の学習は、丸暗記ではなく理解と転換が核心です。


条文を要旨化してキーワードで押さえる


理念を自分の経験に結びつけてエピソード化する


筆記・論作文・面接で「根拠」として活用する


これにより、教育法規は単なる知識から「点数を生む武器」へと変わります。


次回は第7回「教育心理の裏技学習法」と題して、膨大な理論や研究成果を効率的に覚え、応用する戦略を解説します。




河野正夫



 
 
 

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