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第3回<大学生のための面接無料講座>面接で問われる「教育観」の正体とは?

  • 執筆者の写真: 河野正夫
    河野正夫
  • 2025年6月8日
  • 読了時間: 5分

はじめに


「教育観」という抽象語に立ち向かう



教員採用試験の面接において、高い頻度で出題される質問の一つが、「あなたの教育観を教えてください」(聞かれ方は様々)です。


この質問を前にして、多くの受験者が戸惑いを見せます。


なぜなら、「教育観」とは一見、曖昧で抽象的な言葉であり、日常的に使い慣れていない概念だからです。


「子どもを大切にしたい」「わかりやすい授業をしたい」など、耳触りのよい言葉だけでは面接官に響きません。


評価される教育観とは、単なる理想論やスローガンではなく、具体的な教育経験に裏打ちされた、構造的かつ実践的な信念体系です。


本稿では、教育観とは何かを定義づけ、面接でそれをどのように語るべきかについて、段階的に解説します。





1.教育観とは「教育に対する一貫した価値観・信念」である



「教育観」とは、教育という営みに対して自分がどのような価値を置き、どのような目的を持ち、何を重視して教育を実践しようとするか、という個人の根本的な信念体系を指します。



たとえば、次のような切り口が「教育観」として挙げられます。



☆教育の目的:子どもにどのように育ってほしいか


☆教師の役割:教師は何を果たすべき存在か


☆指導の在り方:どのような方法で子どもに働きかけるか


☆子ども観:子どもをどのように捉えるか



教育観は、単なる理想の羅列ではありません。


むしろ、「私は○○を重視する。その理由は□□だからであり、そのために△△という実践を行いたい」というように、一貫性・根拠・実行性を備えた語りが求められます。



2.教育観を形づくる3つの源泉



教育観は、突然生まれるものではありません。以下のような経験を通して形成されていきます。



(1)学びの経験(大学・書籍・教育理論)


教育心理学、教育社会学、教育哲学などの学問領域から得た知識は、教育観を理論的に支える土台となります。


たとえば、「自己効力感」を育む教育の重要性に気づいた学生は、それを実践に活かしたいという教育観を持つようになります。



(2)対人関係の経験(子ども・保護者・教師)


教育ボランティアや実習で出会った子どもとの関係、教員とのやり取りの中で、印象に残った場面が教育観を育みます。感情が動かされた瞬間こそ、価値観の源泉です。



(3)自己の原体験(過去の学校生活や家庭)


自分が生徒だった頃の教師との出会いや、家族から受けた教育的影響も、教育観の重要な構成要素となります。


「自分が救われた経験を今度は他者に返したい」という動機も、教育観の一部です。



3.面接で語るための教育観の構造化モデル


面接で評価される教育観には、「構造」があります。


ただの印象論や個人的感想ではなく、教育的文脈に即して論理展開がなされているかが問われます。


以下のようなフレームを活用することで、語る内容を体系化できます。



【教育観の語り方テンプレート】



1. 主張:「私は〇〇という教育を重視します」


2. 根拠:「□□という経験/理論があるからです」


3. 実践:「そのために、△△という場面では◎◎を行います」


4. 展望:「こうした教育によって、子どもは~~と育つと考えます」



たとえば、「自己肯定感を育てる教育が大切だ」という主張をもとに、



☆保護者に否定されて育った子どもが、私の励ましで前向きになった経験


☆教育心理学で学んだ「有能感」の理論


☆子どもが成功体験を得られるような授業構成の工夫


☆自信を持って主体的に学べる生徒の育成を展望として示す



このような流れで語ることで、「抽象」→「具体」→「教育的意義」へと深めることができます。



4.よくあるNG例とその改善ポイント



面接では、以下のような「評価されにくい教育観」が頻出します。



【NG例1】「子どもが好きです。だから教師になりたいです」


→これは「感情」にとどまり、教育的視点が不足しています。


「好き」という感情を教育実践にどう結びつけるかを具体的に語る必要があります。



【NG例2】「全ての子どもを平等に扱いたいです」


→「平等」とは何を意味するのか、具体的な場面でどう行動するかが問われます。


理想ではなく、実践への展開が必要です。



【NG例3】「とにかく明るく、元気なクラスをつくりたいです」


→明るさは重要ですが、それが教育目標とどうつながるのか、教育的視点が欠如しています。


「学級経営」「社会的スキルの形成」などの概念と結びつけて語ることが大切です。



5.教育観を深化させる日常的トレーニング


教育観は、一度書いて終わりではありません。


むしろ、日々の学習や経験を通して深化させていくべきものです。



以下のトレーニングを継続することで、面接本番で自信を持って語れるようになります。



☆教育系ニュースを読み、「自分ならどう考えるか」を記録する


☆教育実習の出来事から「自分の価値観が揺れた瞬間」を抽出する


☆教育観を100字で要約し、定期的に書き直してみる


☆教育的対話ができる仲間と、自分の価値観について語り合う



教育観とは、問い続ける姿勢そのものでもあります。


「これが正解」という答えはありませんが、語るたびに深みを増すのが教育観の本質です。



おわりに


教育観とは、自分と社会をつなぐ言葉



教育観とは、単なる試験対策のためのテンプレートではなく、「自分は教育を通じて社会にどう貢献したいのか」を言語化する行為です。


そこには、他者へのまなざし、自分の弱さや葛藤、そして希望が込められます。


面接で問われるのは、そのような内省と思考の積み重ねがあるかどうかです。


ぜひ、本稿をきっかけに、あなた自身の教育観を掘り下げてみてください。


面接の場は、それを語る最高のステージとなるはずです。



次回予告



第4回:合格する人の共通点:


自己分析と自己理解の方法論



模擬面接を受けるたびに評価がぶれる人と、安定して高評価を得る人の違いとは?自分を知る力が、教育観を支え、回答の一貫性を生む方法について解説します。




河野正夫




 
 
 

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