第28回:<大学生のための面接無料講座>非言語要素(表情・視線・姿勢・声)を制する者が合格する。
- 河野正夫
- 2025年7月5日
- 読了時間: 5分
第28回 非言語要素(表情・視線・姿勢・声)を制する者が合格する
言葉以上に伝わる「印象の設計」を本番に向けて仕上げる
教員採用試験の面接では、語る内容がどれほど論理的で、教育観に一貫性があったとしても、「伝わり方」が弱ければ高評価につながりません。
逆に、回答内容が完璧でなくても、表情や姿勢、話し方などが安定していれば、説得力や印象は飛躍的に高まります。
本番で評価されるのは、「言葉だけではない」総合的な表現力です。
採点基準のなかには明確に「態度」「印象」「表現力」(ラベル名は多様)といった項目が存在しており、そこには非言語的な要素が大きく関わっています。
今回は、表情・視線・姿勢・声といった非言語的表現に焦点を当て、それぞれをどう整え、どのようにトレーニングするべきかを具体的に解説します。

1.面接で求められるのは「安心感のある語り手」であること
教員採用試験の面接官は、多くの場合、教育委員会の職員や現場の管理職です。
彼らが受験者に求めるのは、単に“優秀な学生”ではなく、“教員として保護者や子どもと向き合える人物”です。
したがって、「一緒に働きたいと思えるか」「この人が担任だったら安心できるか」という印象が重要になります。
その印象を形づくる要素の大部分は、非言語的な振る舞いによって伝わります。
言葉以上に、話すときの目線や声の調子、座っている姿勢や顔の表情が、面接官に強い印象を残します。
2.表情:
信頼感と安心感をつくる表情筋の使い方
表情は、初対面の印象を決定づける最大の要素です。
面接においては、特別に「笑顔を絶やさずに」と意識する必要はありませんが、「話している内容と表情が一致しているか」「相手に対してオープンな印象を与えているか」が大切です。
特に注意したいのは、「緊張すると顔が固まる」という点です。
普段の表情が柔らかい人でも、緊張下では無意識に眉間に力が入り、目元や口元が閉ざされがちです。
対策としては、面接直前に顔のストレッチを行う習慣をつけるとよいでしょう。
鏡を見ながら、眉を上げ下げしたり、口角を動かしたりするだけでも、表情筋がほぐれて自然な笑顔を出しやすくなります。
また、動画で練習の様子を撮影し、自分の表情の癖を確認することも有効です。
3.視線:
アイコンタクトは「視線のリズム」で考える
面接中にどこを見て話すかは、印象に直結します。視線をそらしたまま話すと自信がないように映りますし、逆に一点を凝視すると、威圧感を与える可能性があります。
最も自然に映るのは、話し相手の目元を中心に、時折視線をずらしながら話すスタイルです。
たとえば、質問者が2人いる場合は、質問をしてきた相手に最初の視線を向け、回答の途中でもう一人の方に視線を移す、といった“視線のリズム”を意識するだけで、落ち着いた印象になります。
また、「質問を聞くとき」と「答えるとき」の視線の使い方も変える必要があります。
聞くときはやや前のめりで相手の目元を見る。答えるときは、一度視線を少し上にそらして考え、その後で目を合わせながら話す。
こうした自然な視線の切り替えが、「考えている」「伝えようとしている」という印象を与えます。
4.姿勢:
椅子に座った瞬間から始まっている
面接では、椅子に座ってからの姿勢がずっと見られています。
背もたれに深く寄りかかるのではなく、骨盤を立て、背筋を伸ばした安定感のある姿勢が望まれます。
肩の力が抜けていて、手は膝の上に自然に置くか、指先を軽く組んでおくのが基本です。
特に注意すべきは、「緊張すると姿勢が前傾になる」「貧乏ゆすりや手遊びが無意識に出る」といった癖です。
これらは、無自覚な印象低下につながります。面接練習の際に、動画撮影や第三者からのチェックを取り入れ、姿勢の安定感を客観的に検証することが必要です。
5.声と話し方:
内容より先に「伝わり方」で評価される
声の印象は、話の内容以上に面接官の記憶に残ります。特に大切なのは、声の大きさ・トーン・速度・滑舌の4つです。
声の大きさ:部屋の隅まで届く程度を意識する。弱々しい声では、自信や意志の弱さと捉えられかねません。
トーン:
高すぎず低すぎず、落ち着いた中音域で話すこと。無理に明るくしすぎると軽さが出てしまいます。
話す速度:
早口は緊張のサインと見なされがち。ゆっくりと、語尾まで丁寧に話す。
滑舌:
特に志望校名や専門用語で詰まらないように、口を大きく使って練習する。
また、面接の冒頭で声が震えてしまうのを防ぐためには、1分前から軽く発声練習をしておくことが有効です。
会場近くのトイレなどで、小さな声で「あ・い・う・え・お」と発声するだけでも、声帯と呼吸が安定しやすくなります。
6.非言語の練習も「意識的に」「計画的に」
非言語的な要素は、日常ではあまり意識する機会がないため、自然に習得されるものと思われがちです。
しかし、面接という特別な場面においては、意識して習得し、定着させるトレーニングが必要です。
おすすめは、「音声付きの動画を撮影し、再生して振り返る」方法です。
自分の表情、目線、姿勢、声の出し方がどのように映っているかを確認するだけでも、非言語的な自己理解が一気に深まります。
そして、一度にすべてを改善しようとするのではなく、1回の練習につき1つの要素に集中して修正していくのが効率的です。
まとめ
非言語的な表現は、言葉以上に“人柄”や“誠実さ”を伝える手段です。
どれほど論理的で立派な内容を語っていても、目が泳ぎ、声が震え、姿勢が崩れていれば、それは面接官には不安定に映ります。
「伝える」だけでなく、「伝わる」ためには、言葉の外側にあるすべての動きと音に注意を向ける必要があります。
表情・視線・姿勢・声、それらを整えることで、語る内容に真実味と安定感が加わり、「この人に任せたい」と思わせる印象につながります。
次回(第29回)は、「よくある失敗10選とその回避策」と題し、面接本番で起こりやすいミスと、それを未然に防ぐための具体策を紹介します。
失敗から学ぶ準備を、ここで徹底しておきましょう。
河野正夫



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