第25回 模擬面接の活用法:効果的なフィードバックの受け方
- 河野正夫
- 2025年9月20日
- 読了時間: 6分
第25回 模擬面接の活用法:効果的なフィードバックの受け方
<教員採用試験 面接合格講座(連載全30回)>
1.はじめに
教員採用試験において、面接は合否を決定づける重要な選考段階です。
筆記試験や実技試験で高得点を取っていても、面接で印象が悪ければ不合格になることは珍しくありません。
そのため、面接対策を戦略的に行うことが不可欠です。
面接対策の中心となるのが模擬面接です。
模擬面接は、単に本番を模した練習ではなく、受験者自身を客観的に分析し、改善を重ねるための実践的な場です。
しかし、多くの受験者は模擬面接を「回数をこなすこと」自体を目的にしてしまい、成長につながる活用ができていません。
本稿では、模擬面接を最大限に活かすために、特に重要な「フィードバック」の受け方を中心に、模擬面接の戦略的な進め方を解説します。
面接本番でのパフォーマンスを最大限引き出すことが可能となります。

2.模擬面接の意義
(1)本番に近い緊張感を体験できる
面接本番では、普段の練習では感じられない強い緊張に包まれます。
そのため、落ち着いて答える力や、姿勢を保つ力が大きく試されます。模擬面接は、この緊張感を疑似的に再現する場です。
本番に近い設定で練習を重ねることで、受験者は緊張下での自己コントロール力を高められます。
(2)自己認識のギャップを知る
自分では「うまく答えている」と思っていても、第三者の目から見ると全く違う印象を与えていることがあります。
これが自己認識と他者認識のギャップです。
模擬面接では、外部からの視点を取り入れることで、自分では気づけない癖や課題を発見できます。
(3)教育現場を意識した実践的トレーニング
教員採用試験の面接は、単に受験者の知識やスキルを確認する場ではありません。
採用後に教壇に立ったときの姿が自然に想像できるかどうかを見られます。
模擬面接は、教室での立ち居振る舞いを想定した実践的な訓練でもあるのです。
3.指導者の選び方
模擬面接の成果は、指導者の質によって大きく左右されます。
誤った指導や経験不足の指導者からのアドバイスは、かえって受験者を混乱させる危険があります。
(1)教員採用試験に精通した優れた指導者を選ぶ
模擬面接の指導は、必ず教員採用試験に精通した優れた指導者に依頼すべきです。
勤務校の管理職や同僚、ゼミ仲間は面接指導の専門家ではありません。
そのため、適切な助言は期待できず、誤った指導を受ける可能性も高いです。
教員採用試験に精通した指導者は、最新の教育施策や自治体ごとの試験傾向を把握しており、適切な改善方法を具体的に提示できます。
また、レトリック理論やパフォーマンス理論に精通している指導者に学ぶことが不可欠です。
(2)経験と実績を確認する
指導者を選ぶ際には、その人がこれまでにどれほど多くの受験者を指導し、合格に導いてきたかを確認しましょう。
経験豊富な指導者は、多くの成功例と失敗例を知っており、面接官が何を重視するかを深く理解しています。
(3)誠実なフィードバックをくれるか
「よかった」「上手だった」という感想だけで終わる指導者では、受験者は成長できません。
改善点を率直に伝えてくれる誠実さが重要です。
耳に痛い指摘も受け入れる覚悟を持ちましょう。
4.効果的な模擬面接の進め方
模擬面接は、ただ回数を増やせば良いわけではありません。
計画的かつ戦略的に進めることで、学習効果を最大化できます。
(1)事前準備を怠らない
☆志望動機・教育観・指導観を整理する
準備不足のまま模擬面接に臨むと、指導が抽象的になり、改善点が見えにくくなります。
☆頻出質問を想定して回答を作成する
自治体の過去の質問を調べ、想定問答を準備しておきます。
☆服装や持ち物も本番同様に整える
本番と同じ服装で臨むことで、身体感覚が本番に近づきます。
(2)本番を意識した受け答え
模擬面接は練習の場であっても、常に本番と同じ意識で取り組みます。
練習だからといって気を抜くと、身につくのは「練習用の癖」だけです。
面接官役を敵ではなく、同じ目標を持つ協働者と捉えることが、自然で誠実な態度につながります。
(3)終了直後の自己記録
模擬面接が終わったら、指導者からのフィードバックを受ける前に、自分自身で振り返りを行います。
「うまく答えられた点」「不安を感じた質問」「表情や姿勢で気になったこと」などを、具体的にメモしておくと、客観的な指導と照合しやすくなります。
5.フィードバックを最大限に活かす方法
模擬面接の価値は、フィードバックを受け、それを次回の改善につなげることにあります。
単なる感想ではなく、戦略的に受け止める姿勢が必要です。
(1)素直に受け止める
☆指摘を防衛的に否定せず、まずは受け止める。
☆改善点を「能力の欠如」ではなく、「伸びしろ」と考える。
☆感情ではなく、冷静に事実として捉える。
特に耳が痛い指摘ほど、自分の成長にとって重要なヒントです。
(2)指摘を具体化する
指導者からの指摘が抽象的なままだと、次回の練習で修正できません。
例:
「声が小さい」という指摘ならば、「入室時の挨拶は教室で子どもを呼ぶ声量で」「回答中はやや落ち着いたトーンで」など、具体的な行動目標に変換します。
(3)改善を次回で検証する
フィードバックを受けたら、必ず次回の模擬面接で実践し、指導者に改善状況を確認してもらいます。
この検証サイクルを回すことで、確実に成長が積み重なります。
6.録画を活用した自己分析
自分では気づきにくい癖や不自然な所作を知るためには、録画が最も有効な手段です。
(1)録画で確認すべきポイント
☆入室から退室までの流れがスムーズか。
☆姿勢や表情は安定しているか。
☆アイコンタクトが自然か。
☆声量やスピードは適切か。
☆不必要なジェスチャーや口癖が出ていないか。
(2)客観的な視点で見る
録画を見る際は、「面接官の視点」で確認します。
感情的に「嫌だ」「恥ずかしい」と思うのではなく、冷静に改善点を分析することが重要です。
7.よくある失敗と改善策
(1)やりっぱなしで終わる
模擬面接を繰り返すだけでは意味がありません。
終了後に必ず振り返りと記録を行い、次回に活かします。
(2)誤った指導者を選ぶ
勤務校の管理職や同僚、ゼミ仲間は専門家ではありません。
必ず教員採用試験に精通した優れた指導者を選ぶことが、合格への近道です。
(3)一度に全てを直そうとする
改善点を一度に全て修正しようとすると混乱します。
課題を一つずつ絞り込み、段階的に修正していくことが効果的です。
8.まとめ
模擬面接は、面接本番に直結する最重要トレーニングです。
しかし、その価値は単なる「練習回数」ではなく、フィードバックをどれだけ効果的に活かすかにかかっています。
☆模擬面接は本番の緊張感を再現し、自己認識を客観化する場である。
☆指導者は必ず教員採用試験に精通した専門家を選ぶ。
☆フィードバックを具体的な行動目標に変換し、改善と検証を繰り返す。
☆録画を活用して、自分自身を客観的に分析する。
このプロセスを継続することで、受験者は確実に成長し、面接官に「この人なら安心して教壇を任せられる」という印象を与えることができます。
模擬面接は単なる試験対策にとどまらず、将来の教育者としての基盤を築く場でもあります。
次回予告
第26回は「教育ニュースの整理法―時事問題を面接に生かす」です。
最新の教育課題をどのように整理し、面接回答に反映させるかを具体的に解説します。
河野正夫



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