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第24回:2次試験の論作文・小論文の書き方と練習方法の鉄則。【教採ブログ連載】

  • 執筆者の写真: 河野正夫
    河野正夫
  • 2 日前
  • 読了時間: 7分

【教採ブログ連載】


第24回


2次試験の論作文・小論文の書き方と練習方法の鉄則





★2次試験の論作文は1次とは異なる



教員採用試験の2次試験において、論作文・小論文を課す自治体があります。


1次試験で課される論作文と、2次試験で課される論作文は、同じ「書く試験」であっても、その位置づけが異なります。


2次試験の論作文は、個人面接・集団討論・模擬授業・場面指導といった実技試験と並んで実施されます。


面接での語りと論作文での記述が、一貫した教育観として整合しているかも重要な点です。


2次試験の論作文は、単独の試験として完結するものではなく、2次試験全体における受験者の人物像の一部としての位置づけもあります。


この認識を持つことが、2次試験の論作文対策の出発点です。



★論作文で問われていること



2次試験の論作文で問われているのは、文章の巧みさではありません。


教育に対する受験者の考え方・教師としての実践のイメージ・教育課題への向き合い方が、論理的かつ具体的に表現されているかどうかです。


採点者が見ているのは、以下の点です。



出題テーマに正面から答えているかという題意への正対、


序論・本論・結論という構成が崩れていないかという論述の構成、


抽象的な理念だけでなく具体的な実践のイメージが伴っているかという具体性、


文章として読みやすく誤字脱字がないかという表現の正確さ。



これらの観点を把握したうえで、論作文の書き方と練習方法を考えていきます。



★序論・本論・結論の書き方



論作文の基本構成は、第4回でも論じた序論・本論・結論の3段構成です。


2次試験においても、この構成は変わりません。



序論では、出題テーマに対する自分の基本的な立場を示します。


「私は○○という教育課題に対して、○○という考え方で向き合いたい」という形で、論述全体の方向性を最初に示してください。


序論は長く書く必要はありません。


全体の文字数の10パーセントから15パーセント程度を目安にしてください。



本論では、序論で示した考えを支える具体的な内容を論じます。


2つから3つの柱を立て、それぞれに具体的な教師の行動・場面・取り組みを盛り込んでください。


抽象的な理念の記述だけで終わらせず、「どのような場面で」「どのように関わり」「どのような結果を目指すか」という具体性を持たせることが、本論の評価を左右します。


本論は、全体の文字数の70パーセントから75パーセント程度を使います。



結論では、序論で示した立場を受けて、教師としての決意と展望を示します。


結論は序論の繰り返しではなく、本論で論じた内容を踏まえたうえでの展望として書くことで、論述に一貫性が生まれます。


全体の10パーセントから15パーセント程度で締めくくってください。



★「添削」では論作文は上手にならない



論作文の練習方法において、長年にわたって主流とされてきたのが、学習者が書いた文章に指導者が赤ペンで朱入れをする「添削」です。


しかし、この方法には根本的な限界があります。


添削は、学習者が書いた文章を出発点として、それを部分的に修正することで指導します。


たとえるなら、素人が作った料理に、プロのシェフが調味料を少し足すような方法です。


素材の選び方・火の通し方・味の設計が根本から誤っている料理は、後から調味料を足しても最高の料理にはなりません。


論作文も同じです。


構成の骨格が崩れている、題意からずれている、具体性がまったく伴っていないという根本的な問題を抱えた文章は、赤ペンで部分的に修正されても、面接官に高評価をもらう論作文にはなりません。


添削という方法では、学習者の文章の質は根本的には向上しません。


指導者が「ここをこう直しなさい」と指示しても、学習者はなぜそう直すのかの本質を理解できないまま終わることがほとんどです。


結果として、次に書く文章でも同じ問題が繰り返されます。


いまだに日本の論作文指導で朱入れの添削方式が主流であることは、残念なことです。



★リライティング型指導が、論作文を根本から変える



従来の添削に代わる根本的に異なる指導法が、リライティング型指導です。


リライティング型指導とは、以下の手順で進む指導法です。


まず、学習者が論作文を書きます。


次に、卓越した指導者がその文章を読み、詳細なコメントをします。


そのうえで、指導者が学習者の趣旨と考えを最大限に尊重しながら、文章を完全に書き直します。


学習者は、指導者が書き直した完全形の論作文を受け取り、自分の文章との違いを、指導者の解説とともに理解します。


素人が作った料理をプロのシェフが味見し、素材・火加減・味の設計について詳しくコメントしたうえで、同じ素材を使ってゼロから作り直す。


その完成品を食べながら、作り方の解説を受ける。


この方法でしか、料理は根本から上達しません。


論作文も同じです。


完全形の論作文を読み、指導者の解説を受けることで、学習者は「優れた論作文がどのようなものか」を体感として理解できます。


この体感が、次に自分で書くときの基準として機能します。


赤ペンで部分的に修正された文章を見ても、完成形の論作文のイメージは得られません。



★リライティング型指導に求められる指導者の条件



リライティング型指導において求められる指導者の条件は、完全形の論作文を自分で書ける卓越したライターであることです。


学習者の趣旨を理解し、それを最高の形で表現し直す能力が、指導者に求められます。


感覚や思いつきで赤ペンを入れるだけの指導者では、リライティング型指導はできません。


卓越したライターであり、教育の内容に精通した指導者だけが、この指導法を実践できます。


指導者を選ぶ際の基準は、「自分で完全形の論作文を書けるか」という一点に尽きます。


「添削が得意です」「長年の指導経験があります」という言葉だけでは、リライティング型指導ができるかどうかは判断できません。


指導者自身が完全形の論作文を書いて見せられるかどうかを、確認してください。


自分で書けない指導者は、学習者の文章を根本から書き直すことができません。



★リライティング型指導を受けた後の学習者の作業



リライティング型指導を受けた後の学習者自身の作業も、重要です。


指導者が書き直した完全形の論作文を、受け取って終わりにしてはなりません。


なぜその構成になっているのか、なぜその言葉が選ばれているのか、なぜその具体例が盛り込まれているのかを、指導者の解説をもとに深く理解してください。


その理解が、自分で書く力の土台になります。


理解したうえで、同じテーマまたは別のテーマで再び自分で書く練習を行ってください。


書いたものを再びリライティング型指導で見てもらい、また完全形を受け取って理解する。


このサイクルを繰り返すことで、論作文の質は着実に上がっていきます。



★繰り返し書くことの意味



リライティング型指導を受けながら、自分でも繰り返し書く練習を続けることが、論作文の力を高める道筋です。


繰り返し書くことで、構成を組み立てる速度が上がります。


繰り返し書くことで、題意を正確に読み取る力が身につきます。


繰り返し書くことで、自分の言葉で具体的に書く習慣が定着します。


指導者のリライティングを読んで理解することと、自分で書く練習を繰り返すことの両方が、論作文の練習方法として機能します。


どちらか一方だけでは不十分です。


完全形の論作文を読んで理解し、自分でも書いて、また指導者に書き直してもらう。


このサイクルを繰り返すことが、2次試験の論作文で高評価を得るための最も確かな練習方法の原則です。



★最後に——練習方法の原則が、論作文の質を決める



2次試験の論作文は、準備の質が直接結果に出る試験です。


従来の添削方式で「少しずつ修正する」という練習では、面接官に高評価をもらえる論作文には到達しません。


リライティング型指導を受け、完全形の論作文を体感し、自分でも繰り返し書く練習を重ねること。


この練習方法の原則を守ることが、2次試験の論作文における合格答案を生み出します。


書き方の技術と練習方法の原則、この2つを正しく理解したうえで準備を進めることが、論作文で高評価を得るための確かな道筋です。




河野正夫



 
 
 

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