第19回 最終合格者に共通する「心技体」の整え方:精神面・生活習慣・当日の過ごし方で合否が決まる
- 河野正夫
- 2025年9月16日
- 読了時間: 6分
第19回 最終合格者に共通する「心技体」の整え方:精神面・生活習慣・当日の過ごし方で合否が決まる
【大学生のための、教採裏技講座】全20回
1.「心技体」が整わなければ合格できない理由
教員採用試験は、筆記試験や論作文、面接、実技試験など、多面的に受験者を評価する試験です。
しかし、最終合格を勝ち取る人と、惜しくも不合格となる人を分ける決定的な要素は、知識量や技術だけではありません。
合格者の多くに共通しているのは、「心技体」のバランスが整っていることです。
ここで言う「心技体」とは以下の三つの要素を指します。
心(精神面):
安定したメンタルと、試験に向けた集中力
技(実技・表現力):
面接、模擬授業、論作文など、試験に直結する技術
体(身体・生活習慣):
健康管理や試験当日のコンディション調整
この三つは互いに密接に関わり合っています。
どれか一つでも欠けると、本来の実力を発揮できず、合否に直結します。
逆に言えば、この三つを意識的に整えることで、合格の確率を大きく引き上げることができます。

2.心(精神面):
本番に動じない安定したメンタルを作る
試験本番では、緊張や不安によって実力が半減することがあります。
とくに面接や模擬授業では、精神面がそのまま表情や声、姿勢に現れます。
精神面を整えることは、知識や技術以上に重要な要素です。
(1)不安の正体を知る
不安の多くは、未知への恐れから生まれます。
「面接官に何を聞かれるか分からない」「実技試験で失敗したらどうしよう」という気持ちは、準備不足から来ることが多いのです。
まずは、不安を漠然と抱くのではなく、具体的に言語化します。
例:
「一次試験の教育法規が不安」
「模擬授業の時間配分が崩れるのが怖い」
「面接で言葉が詰まるかもしれない」
こうして不安を明確にすると、解決すべき課題が見えてきます。
(2)試験を「日常化」する
試験本番だけが特別な場だと感じると、緊張は高まります。
そこで、日常の練習を本番と同じ環境で行い、試験そのものを日常化することが有効です。
☆模擬面接はスーツを着用して実施する
☆模擬授業では実際の時間を計測する
☆本番と同じ机・椅子を使って論作文を書く
このような工夫により、試験本番でも「いつもの練習通りだ」と感じられ、余計な緊張が和らぎます。
(3)自己肯定感を支える
面接官は、受験者の言葉だけでなく、自信の有無を敏感に見抜きます。
自信を持つためには、過去の成功体験を振り返ることが効果的です。
例:
☆実習で子どもに褒められた瞬間
☆ゼミ発表でうまく説明できた経験
☆ボランティアで感謝された場面
こうした記憶を具体的に思い出し、「自分は教師として成長している」という感覚を心に刻みます。
この積み重ねが、試験本番での落ち着きにつながります。
3.技(試験技術):
合格点を確実に取る実践力
精神面が整っていても、試験そのものの技術が不十分では合格できません。
「技」とは、知識を得点化し、面接で伝わる形に変える力です。
単に勉強するだけでなく、試験形式に合わせた実践的な訓練が不可欠です。
(1)筆記試験:
理解型学習への転換
筆記試験は、単なる暗記では突破できません。
特に教育法規や教育心理は、条文や理論を暗記するだけではなく、背景と理念を理解することが重要です。
例:
教育基本法第1条「教育の目的」
→子どもの学びをどう支えるか
ピアジェの発達段階
→授業での指導法とどうつながるか
理解型学習は、論作文や面接にも直接活きます。
表面的な知識ではなく、現場で使える知識を積み重ねましょう。
(2)面接:
評価観点を意識した練習
面接では、質問に対する答えの内容だけでなく、態度や表情、声の出し方が評価されます。
単に答えを暗記するのではなく、評価観点に沿った練習が必要です。
評価されるポイントの例:
☆子どもへの理解と関わり方
☆チームで働く力(協働性)
☆教師としての使命感と責任感
☆安定した態度と表情
これらを意識しながら練習することで、面接官に「現場で安心して任せられる人物」という印象を与えます。
(3)模擬授業・実技試験:授業力の可視化
模擬授業や実技試験では、短時間で自分の授業力を示す必要があります。
評価のポイントは、芸術的なパフォーマンスではなく、子どもに伝わるかどうかです。
☆声の大きさと抑揚
☆板書の整理と可読性
☆発問の工夫と子どもとの対話
☆安全管理と動線の確保
これらを日常の練習で習慣化し、本番では自然に発揮できる状態に仕上げます。
4.体(生活習慣):
健康管理が合否を左右する
どれだけ知識と技術があっても、試験当日に体調を崩せばすべてが水泡に帰します。
実際、最終合格者は例外なく生活習慣の安定を重視しています。
(1)睡眠の質を最優先に
睡眠不足は集中力と判断力を著しく低下させます。
試験前だからといって徹夜で勉強するのは逆効果です。
試験の1週間前からは、毎日同じ時間に就寝・起床するリズムを整えましょう。
(2)食事と水分補給
脳の働きを維持するためには、安定した栄養摂取が不可欠です。
☆朝食は必ず摂る(炭水化物+タンパク質+水分)
☆カフェインの摂りすぎは避ける
☆試験中はこまめに水分補給を行う
試験当日は、急激な血糖値の変化を避けるため、消化の良い食品を選びましょう。
(3)体調変化への予防策
季節性の体調不良(夏の熱中症、冬のインフルエンザ)への対策も重要です。
手洗い・うがい、適度な運動、衣服の調整など、日常的な予防習慣を身につけましょう。
5.試験当日の過ごし方
試験当日の行動は、結果に直結します。
当日のミスを防ぐために、事前にシミュレーションしておきましょう。
(1)試験開始前
☆30分以上前に会場に到着する
☆控室では深呼吸をして心拍数を整える
☆必要な持ち物を再確認し、不安要素を減らす
(2)試験中
☆焦らず、一問一問を確実に解く
☆面接では、入室時の姿勢・表情を意識する
☆模擬授業では、最初の一声に全神経を集中する
(3)試験後
☆終わった科目は振り返らない
☆気持ちを切り替えて次に集中する
☆終日が終わるまで全体の集中を保つ
6.心技体は互いに影響し合う
心・技・体はそれぞれ独立したものではなく、互いに深く影響し合います。
例:
☆体調が悪いと集中力(心)が下がり、面接での表現力(技)が低下する
☆精神面が不安定だと、体調管理が疎かになり、試験当日に体力を失う
☆技術的な準備が不足していると、精神的に追い込まれ、体調を崩す
最終合格者は、この相互作用を理解し、三つを同時に整えています。
どれか一つだけではなく、総合的にバランスを取ることが重要です。
7.まとめ
最終合格を勝ち取るには、知識や技術だけでは不十分です。
☆心(精神面)を安定させ、本番で力を発揮できる状態を作る
☆技(試験技術)を実践形式で磨き、評価観点に直結させる
☆体(生活習慣)を整え、健康とコンディションを維持する
この三つを統合して準備することで、合格への道が開けます。
試験本番は、長期間積み上げた努力の集大成です。
「心技体」を日々の生活に組み込み、当日を最高の状態で迎えてください。
次回予告
第20回は「合格後を見据えた『教師のキャリア戦略』」。
採用後に差がつく準備と、教師としての成長を継続するための戦略を提示します。
河野正夫



コメント