第18回:試験当日のパフォーマンス最大化術 【教員採用試験の不合格を合格に変える!】(全20回連載)
- 河野正夫
- 10月16日
- 読了時間: 8分
第18回:試験当日のパフォーマンス最大化術
【教員採用試験の不合格を合格に変える!】(全20回連載)
# 第18回:試験当日のパフォーマンス最大化術
## はじめに
これまで何ヶ月も準備してきた教員採用試験の当日。この日に最高のパフォーマンスを発揮できるかどうかが、合否を左右します。
しかし、当日の過ごし方を誤ると、せっかく積み上げてきた力を発揮できずに終わってしまいます。
試験当日は、新しい勉強をする日ではありません。
これまでの努力の成果を、最大限に引き出す日です。
この記事では、スポーツ心理学や認知科学の知見をもとに、試験当日に最高のパフォーマンスを発揮するための具体的な方法を分かりやすく解説します。

## 起床から家を出るまで
当日の朝の過ごし方が、一日のパフォーマンスを決めます。
**十分な余裕を持って起床**
試験開始時刻の3時間前には起床します。
人間の脳が完全に覚醒するまでには、起床後2〜3時間かかります。
ギリギリに起きると、試験開始時に頭が働きません。
起床後にすること:
- ゆっくりと深呼吸する
- カーテンを開けて日光を浴びる
- 軽いストレッチをする
- 顔を洗って目を覚ます
**朝食を必ず取る**
朝食を抜くと、脳にエネルギーが回らず、集中力が低下します。
炭水化物を中心に、消化の良い食事を取ります。
おすすめの朝食:
- ご飯、パン、シリアルなどの炭水化物
- 卵、納豆などのタンパク質
- 野菜や果物
- 温かいスープや味噌汁
避けるべき朝食:
- 脂っこい食べ物(胃がもたれる)
- 初めて食べるもの(体調不良のリスク)
- 食べ過ぎ(眠くなる)
**持ち物の最終確認**
前日に準備した持ち物を、もう一度確認します。
必須の持ち物:
- 受験票
- 筆記用具(鉛筆、シャープペン、消しゴム、黒ペン)
- 時計(会場に時計がない場合がある)
- ハンカチ、ティッシュ
- 水筒(真夏なので、水分補給用)
あると便利なもの:
- 上着(会場の温度調整用)
- まとめノート(会場での軽い復習用)
**服装の確認**
清潔感があり、動きやすい服装を選びます。
面接や実技試験を考慮して、スーツまたはそれに準じた服装が基本です。
## 移動時間の過ごし方
会場への移動中も、パフォーマンスに影響します。
**時間に余裕を持って出発**
予定より30分〜1時間早く会場に到着するよう出発します。
電車の遅延などのトラブルにも対応できます。
**移動中は軽いリラックス**
移動中に参考書を読んで詰め込もうとするのは逆効果です。
景色を見る、深呼吸するなど、リラックスして過ごします。
**早めの到着が安心感を生む**
早く会場に着くことで、心に余裕が生まれます。
トイレの場所、試験室の確認などもできます。
## 試験開始前の待ち時間
会場到着から試験開始までの時間の使い方が重要です。
**軽い復習程度にとどめる**
まとめノートをざっと見る程度にします。
この時間に新しいことを覚えようとしても、効果はありません。
むしろ不安が増すだけです。
**他の受験者と比較しない**
周りの受験者が難しそうな本を読んでいても、気にする必要はありません。
自分は自分のペースで準備してきたことを信じます。
**深呼吸でリラックス**
緊張を感じたら、ゆっくりと深呼吸します。
鼻から大きく息を吸い、口からゆっくり吐き出します。
これを3〜5回繰り返すと、心が落ち着きます。
**トイレは早めに**
試験開始直前はトイレが混雑します。
余裕を持ってトイレに行っておきます。
**ポジティブな言葉を自分にかける**
「私はできる」「これまで頑張ってきた」「大丈夫」と、自分に言い聞かせます。
ポジティブな自己暗示は、パフォーマンスを高めます。
## 筆記試験中のパフォーマンス最大化
筆記試験では、戦略的な行動が重要です。
**開始直後の行動**
試験開始の合図があったら、まず全体を確認します。
問題数、配点、時間配分を把握してから解き始めます。
確認すること:
- 問題は全部で何問か
- 各問題の配点予想を素早く(10秒以内)
- 問題の種類(選択式、記述式など)
- 難易度の分布
**解く順序の戦略**
全ての問題を順番に解く必要はありません。
戦略的に解く順序を決めます。
効果的な順序:
1. 確実に解ける問題から解く
2. 配点の高い問題を優先する
3. 難しい問題は後回しにする
4. 最後に見直しの時間を確保する
**時間配分の管理**
全体の時間を考えながら、問題を解きます。
一つの問題に時間をかけすぎないよう注意します。
時間配分のコツ:
- 問題数で試験時間を割って、1問あたりの目安時間を決める
- 定期的に時計を見て、進捗を確認する
- 分からない問題は飛ばして、後で戻る
**分からない問題への対応**
分からない問題で悩み続けるのは時間の無駄です。
対応方法:
- 3分考えて分からなければ、次に進む
- 問題用紙に印をつけて、後で戻ってくる
- 選択式なら、分かる範囲で選択肢を絞る
- 完全に分からなくても、空欄にしない
**見直しの重要性**
時間が余ったら、必ず見直しをします。
見直しのポイント:
- マークシートのずれがないか
- 問題の読み間違いがないか
- 計算ミスがないか
- 空欄がないか
## 休憩時間の過ごし方
試験と試験の間の休憩時間も、重要です。
**前の試験のことは忘れる**
終わった試験の答え合わせをしたり、できなかった問題を気にしたりするのは逆効果です。
気持ちを切り替えて、次の試験に集中します。
**トイレを済ませる**
休憩時間には必ずトイレに行っておきます。
次の試験中に困らないよう、早めに済ませます。
**体を軽く動かす**
座りっぱなしだと、血行が悪くなります。
トイレに行く、廊下を少し歩くなど、軽く体を動かします。
**深呼吸とリラックス**
次の試験に向けて、深呼吸をして心を落ち着けます。
## 面接試験でのパフォーマンス最大化
面接試験では、緊張のコントロールが鍵です。
**待ち時間の過ごし方**
面接の順番待ちの時間は、緊張が高まります。
深呼吸を繰り返し、自分を落ち着かせます。
**入室前の準備**
ドアをノックする前に、深く息を吸って吐きます。
笑顔を作って、明るい表情で入室します。
**緊張は悪いことではない**
適度な緊張は、パフォーマンスを高めます。
完全にリラックスしようとせず、緊張を受け入れます。
**失敗しても動揺しない**
質問に対して完璧に答えられなくても、落ち着いて次の質問に臨みます。
一つの失敗で全てが決まるわけではありません。
## 実技試験・模擬授業でのパフォーマンス最大化
実技試験や模擬授業では、心身の準備が重要です。
**体を温める**
体育の実技試験では、事前に十分な準備運動をします。
体が温まっていないと、怪我のリスクが高まり、パフォーマンスも下がります。
**イメージトレーニング**
実技や模擬授業の直前に、成功している自分をイメージします。
頭の中で、スムーズに動いている姿を思い描きます。
**最初の動作を大切に**
最初の動作を丁寧に行うことで、その後の流れがスムーズになります。
焦らず、落ち着いて始めます。
## 緊張への対処法
試験当日の過度な緊張は、パフォーマンスを低下させます。
**呼吸法**
深呼吸は、最も効果的な緊張緩和法です。
4秒かけて鼻から吸い、8秒かけて口から吐きます。
**筋弛緩法**
肩や腕に一度力を入れてから、一気に力を抜きます。
体の緊張がほぐれます。
**ポジティブな言葉**
「緊張している」ではなく、「準備万端だから、体が反応している」と言い換えます。
緊張を前向きに捉えます。
**今に集中する**
「もし失敗したら」という未来の不安を考えるのではなく、「今、目の前のこと」に集中します。
## トラブルへの対応
当日、予期しないトラブルが起こることがあります。
**忘れ物をした場合**
受験票を忘れた場合は、すぐに試験会場の係員に相談します。
身分証明書があれば対応してもらえることがあります。
筆記用具は会場で借りられることもあります。
**体調不良の場合**
試験中に体調が悪くなったら、無理をせず、手を挙げて係員に伝えます。
トイレに行く、保健室で休むなどの対応をしてもらえます。
**電車の遅延など**
公共交通機関の遅延で遅刻しそうな場合は、駅で遅延証明書をもらい、会場に連絡します。
救済措置がある場合もあります。
**焦らず冷静に**
どんなトラブルでも、焦ると状況が悪化します。
深呼吸して、冷静に対処方法を考えます。
## 全ての試験が終わった後
試験終了後の過ごし方も大切です。
**自分を労う**
長い準備期間と緊張の試験を終えた自分を、まず労います。
「よく頑張った」と自分を褒めることが大切です。
**結果を気にしすぎない**
試験の出来を振り返って後悔しても、結果は変わりません。
「やるべきことはやった」と気持ちを切り替えます。
**次の試験に備える**
一次試験が終わったら、すぐに二次試験の準備を始めます。
結果発表を待つのではなく、合格を前提に準備を進めます。
**リフレッシュする**
適度にリフレッシュすることも必要です。
好きなことをして、心身を休めます。
## まとめ
試験当日のパフォーマンス最大化には、十分な余裕を持った起床、バランスの良い朝食、戦略的な時間配分、緊張のコントロール、トラブルへの冷静な対応という5つの要素が重要です。
当日は新しい勉強をする日ではなく、これまでの努力の成果を最大限に引き出す日です。
重要なのは、完璧を目指すことではなく、自分のベストを尽くすことです。
緊張や不安は誰でも感じます。
それを受け入れながら、冷静に、一つ一つの試験に集中して臨みましょう。
あなたのこれまでの努力は、必ず実を結びます。
自信を持って、試験に挑んでください。
次回は、不合格からの完全復活事例研究について解説します。
もし今回残念な結果になっても、そこから学び、次回の合格につなげる方法を学んでいきましょう。
河野正夫


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