第18回 不合格経験を次につなげるリカバリープラン:落ちても次年度に合格する人の思考法と実行術
- 河野正夫
- 2025年9月15日
- 読了時間: 6分
第18回 不合格経験を次につなげるリカバリープラン:落ちても次年度に合格する人の思考法と実行術
【大学生のための、教採裏技講座】全20回
1.不合格は「終わり」ではなく「通過点」
教員採用試験は、志望自治体・志望校種・志望教科(分野)によっては、倍率が高く、志望先によっては数十人に一人しか合格できない厳しい試験です。
そのため、努力しても一度で合格するとは限りません。
多くの合格者が一度以上は不合格を経験しています。
しかし、不合格を「終わり」として捉えてしまうと、そこで全てが途切れてしまいます。
教採の本質は、教師としての適性と成長の可能性を見極める選考試験です。
不合格は、「適性が全くない」という意味ではなく、むしろ「さらに成長すれば合格できる」という示唆でもあります。
重要なのは、この経験をどう捉え、どのように次につなげるかです。
失敗を正しく分析し、成長の糧に変えた人こそが、翌年度に合格を勝ち取ることができます。

2.不合格者と合格者を分ける「視点」の違い
同じ不合格経験でも、翌年に飛躍する人と、再びつまずく人がいます。
この差は、単なる努力量ではなく、不合格後の考え方と行動にあります。
(1)「点数不足」という単純な解釈をしない
多くの人は、不合格を「自分は実力が足りなかった」とだけ解釈します。
もちろん、学力や面接力が不足していた可能性はありますが、それだけではありません。
たとえば、
☆試験当日の体調管理の不備
☆自治体の採用枠が想定より少なかった
☆面接官との相性や、評価基準の微妙な差
☆自治体が求める人物像と、自分のアピールのズレ
こうした要素が複雑に絡み合って合否が決まります。
「実力不足」という一言で片づけてしまうと、真の課題が見えなくなります。
(2)「量を増やせばいい」という思考停止に陥らない
不合格後、やみくもに勉強量を増やそうとする人がいます。
しかし、今年と同じやり方を繰り返すだけでは、結果は変わりません。
合格するためには、やり方そのものを変える戦略的な修正が必要です。
たとえば、面接で落ちた場合は単なる模擬面接回数の増加ではなく、
☆評価観点を深く理解する
☆優れた指導者に客観的な指摘を受ける
☆現場で通用する教育観を言語化する
といった質的改善が欠かせません。
(3)「自分には向いていない」という早計な結論を避ける
不合格が続くと、「教師には向いていないのかもしれない」と思い詰める人もいます。
しかし、それは冷静な判断ではありません。
教員採用試験はあくまで選考試験であり、その年の採用枠や評価基準によって結果が左右されます。
教師としての資質は、試験の合否だけで完全に判断できるものではありません。
むしろ、不合格経験を通して、
「なぜ自分は教師になりたいのか」
「どんな教師を目指すのか」
を再確認できる人こそが、次年度に合格する傾向があります。
3.不合格経験を「合格素材」に変える視点
不合格経験は、ただ悔やむだけでは無駄になります。
しかし、適切に整理すれば、翌年の面接や論作文に活かせる「合格素材」に変わります。
ここで重要なのは、失敗そのものを語るのではなく、そこから得た成長や省察を語ることです。
(1)失敗を「問題解決の証拠」に変える
たとえば、二次試験の面接で緊張し、思うように話せなかったとします。
そのまま語れば「失敗談」に過ぎませんが、リフレーミングすれば次のようになります。
「前回は緊張で伝えたいことが言えなかった。
その経験から、自分の考えを簡潔にまとめて話す実践での挑戦を継続し、実習先で全校生徒に説明を行う際に活かした。」
このように語れば、試験官には
☆失敗を冷静に分析した力
☆行動を通じて改善した力
☆現場に還元した力
が伝わり、「教師として成長できる人材」として評価されます。
(2)「反省」ではなく「未来志向」で語る
不合格を語る際に、過去の反省だけで終わるのは逆効果です。
試験官は、過去ではなく未来に何をするかを重視しています。
例:
「前回の経験を踏まえ、今後は児童生徒一人ひとりが安心して発言できる授業づくりを実践したい」
このように未来志向で語ることで、不合格経験が「成長物語」へと変わります。
(3)不合格そのものを語る必要はない
面接では、「不合格だった」という事実をわざわざ伝える必要はありません。
あくまで、
「過去の経験から何を学び、教師としてどのように成長したか」
だけを語ればよいのです。
不合格は裏方の事実であり、表舞台では「学び」「成長」「展望」に置き換えることが重要です。
4.冷静な分析で次年度の課題を特定する
不合格を乗り越えるためには、原因分析を感情論ではなくデータで行うことが必要です。
(1)一次試験と二次試験を分離して分析する
筆記試験で落ちたのか、面接や実技で落ちたのかを明確に切り分けます。
一次試験で不合格の場合は学習計画を、二次試験で不合格の場合は表現力や現場経験を中心に見直します。
この分析なしに来年度の対策を始めると、誤った方向に努力してしまいます。
(2)自分の視点ではなく「試験官の視点」で見る
自己評価は主観的になりがちです。
「自分はうまくやったつもり」でも、試験官から見れば評価が低いこともあります。
このギャップを埋めるために、
☆模擬面接を指導者に評価してもらう
☆録画映像で自分の話し方や態度を客観視する
といった方法を活用します。
第三者の客観的な視点こそが、成長の鍵です。
5.支えてくれる環境を整える
不合格後は孤独感や自己否定感が強くなりがちです。
しかし、一人で抱え込むと冷静な判断ができなくなります。
☆大学の教員やゼミ仲間
☆現場経験の豊富な指導者
こうした人々とのつながりが、次年度への準備を大きく後押しします。
特に、優れた指導者によるフィードバックは、独学では得られない気づきを与えてくれます。
6.不合格経験は「教師としての深み」になる
最終合格者の中には、最初から順風満帆だった人ばかりではありません。
一度や二度の不合格を経験している人が多くいます。
むしろ、不合格を経験した人は
☆子どもの失敗や悩みに共感できる
☆問題解決力を実践的に身につけている
☆自分の限界と向き合い、成長する姿勢を持っている
という強みを備えることができます。
これらは、採用後の教師生活において非常に重要な資質です。
不合格は、確かに辛い経験ですが、教師としての説得力を増す財産でもあります。
次年度の合格は、単なるリベンジではなく、より深みのある教育者になるための通過点なのです。
7.まとめ
不合格経験は、誰にでも起こり得る現実です。
大切なのは、その経験をどう活かすかです。
☆不合格を単なる「点数不足」と考えない
☆失敗を語るのではなく、成長物語として語る
☆自己視点ではなく、試験官視点で改善を考える
☆支えてくれる環境を確保し、孤立しない
これらを意識すれば、不合格経験は合格への大きなステップとなります。
不合格は決して「終わり」ではありません。
むしろ、合格への道をより確かなものにするための貴重な経験なのです。
次回予告
第19回は「最終合格者に共通する『心技体』の整え方」。
精神面、生活習慣、試験当日の過ごし方が、合否をどのように分けるのかを徹底解説します。
河野正夫



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