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第17回:追質問への対応。【初歩から学ぶ面接合格戦略】(30回連載シリーズ)

執筆者の写真: 河野正夫
河野正夫
22 時間前
読了時間: 6分

【初歩から学ぶ面接合格戦略】(30回連載シリーズ)


第17回:追質問への対応



★追質問が来た瞬間、何が起きているか



面接の途中で、用意していない質問が飛んできます。


そのとき、受験者の中では、こんなことが起きます。



失敗した。


さっきの答えが悪かったのかもしれない。


どう答えればいいのか分からない。



心拍が上がり、言葉を探し始めます。



一方、面接官の側で起きていることは、まったく違います。



いま聞いた話について、もう少し知りたい。


この人の考えを、もう一段確かめたい。



面接官は、前に身を乗り出しています。



この落差が、追質問への対応を難しくしています。


今回は、この落差を埋めていきます。





★追質問は、四つの理由から生まれます



追質問の発生源は、四つに分類できます。



1.関心。


もっと知りたいから聞いています。


語りが面白かった場合に生まれます。



2.確認。


いま聞いた話の具体性を確かめたい。


実際にあった出来事なのかを確かめたい。


この目的で聞いています。



3.検証。


この人の考えが、どこまで深いのかを測りたい。


表面的な知識なのか、本当に理解しているのかを確かめたい。


やや厳しい口調になることがあります。



4.救済。


ここは、多くの受験者が気づいていない種類です。


最初の答えが弱かったため、もう一度機会を与えている。


この形の追質問が、実際にあります。


面接官は、評価を下げるために質問しているわけではありません。


採用したい人材を見つけるために、質問しています。



★どの理由で来たかを、聞き分けます



質問の形から、発生源をある程度推測できます。



「もう少し詳しく聞かせてください」


これは、関心です。



「具体的には、どのような場面でしたか」


これは、確認です。



「なぜ、そう考えるようになりましたか」


これは、検証です。



「たとえば、こういう場合はどうしますか」


これは、救済であることが多くあります。



発生源が分かれば、返し方も決まります。


質問を聞いた瞬間に、四つのどれかを考える習慣をつけてください。



★対処の基本形は、三つの動作です



どの追質問にも共通する、基本の動作があります。



1.一呼吸置きます。


即答を急がないでください。


一拍置いてから話し始めると、表情が整い、声も落ち着きます。


考えてから話す人という印象も残ります。



2.結論から返します。


追質問であっても、結論を先に置く原則は変わりません。


最初の一文で、何を答えるのかを示します。



3.短く返します。


最初の回答より、短くしてください。


追質問への答えが長くなると、新しい論点が増えます。


論点が増えると、さらに追質問を呼び込みます。


そして、語れば語るほど、説得の色が濃くなっていきます。



★型別の返し方



発生源ごとに、返し方を見ていきます。



☆関心への返し方。



控えの札を出す場面です。


戦略の段階で手元に残しておいた材料が、ここで使えます。


主力の札で語った内容と、別の角度から重なる話を出します。


同じ人物像が、二つの場面から立ち上がります。



☆確認への返し方。



具体的な場面を、一つ出します。


いつ、どこで、誰と、何があったか。


情景が浮かぶ形で語ります。


抽象的な説明を重ねても、確認は満たされません。


面接官が求めているのは、実在した場面です。



☆検証への返し方。



自分の教育観の根拠まで降ります。


脚本に書き込んでおいた背景を語る場面です。


なぜ、自分はそう考えるようになったのか。


その源にある経験を、短く語ります。


ここで根拠が出てくる受験者は、考えが本物だと判断されます。



☆救済への返し方。



最初の答えを、そのまま言い直さないでください。


角度を変えます。


別の場面を出す。


別の側面から説明する。


同じ内容を繰り返すと、せっかくの機会を使い切ってしまいます。



★答えられない追質問が来たとき



ここが、多くの方が最も不安に感じる部分です。


まず、原則を一つ。


知らないことを、知っているふりをしないでください。



面接官は、その分野で長く仕事をしてきた方々です。


取り繕った答えは、即座に見抜かれます。


そして、知識の不足より、誠実さの不足の方がはるかに重く評価されます。



処理の手順は、四つです。



1.知らない部分と、考えられる部分を切り分けます。


質問全体が分からないという場面は、実はあまりありません。


制度の名称を知らないだけで、中身については考えられる場合が多くあります。



2.知らない部分を、率直に述べます。


「その制度については、詳しく存じ上げておりません」


一文で、はっきり述べます。



3.自分の立場から考えられることを述べます。


「ただ、子どもの安全に関わる場面であれば、まず学年主任に報告いたします」


知識がなくても、教師としての判断は語れます。



4.学ぶ姿勢を示します。


「すぐに確認して身につけていきます」


この四つの手順を踏めば、答えられなかったこと自体では、大きく減点されません。


むしろ、誠実さと現場対応力の証明になります。


学校現場でも、分からないことに出会う場面は毎日あるからです。


分からないときにどう動く人なのか。


面接官は、そこを見ています。



★やってはいけない三つの反応



追質問に対して、避けたい反応が三つあります。



1.黙り込む。


沈黙が長く続くと、対応力への懸念が生まれます。


教室で子どもから想定外の質問をされたとき、この人は固まってしまうのではないか。


面接官は、そう受け取ります。


分からない場合でも、分からないと口に出してください。


沈黙より、はるかに良い対応です。



2.話を長くする。


不安を、言葉の量で埋めようとしないでください。


長さは、自信のなさとして伝わります。



3.前言を撤回する。


指摘されたからといって、意見を変えないでください。


「おっしゃる通りです、私の考えが間違っておりました」


この反応をすると、教育観の一貫性が崩れます。


面接官の追質問は、意見を変えさせるためのものではありません。


考えの深さを確かめるためのものです。


異なる見方を示されたときは、それを受け止めた上で、自分の立場を維持します。


「そのお考えも理解できます。その上で、私は~と考えています」


この形で返します。



★追質問に強くなる準備の方法



事前にできる作業があります。


自分の用意した回答を、声に出して読んでください。


そして、一文ごとに「なぜ」と問いかけます。



なぜ、そう考えるのか。


なぜ、その方法を選ぶのか。


なぜ、それが大切だと思うのか。



答えが出てこない箇所があります。


そこが、追質問の来る場所です。



その箇所に、背景を書き足していきます。


この作業を、主要な五つの回答に対して行ってください。


追質問の大半が、想定内に入ります。



★追質問が来ない面接は、良い面接とは限りません



最後に、視点を反転させておきます。


追質問が来ないということは、面接官が受け取るだけで終わったということです。


関心も、確認の必要も、検証の意欲も生まれなかったということです。


追質問が多い面接は、面接官が前に出てきている面接です。


質問が続いたら、関心を持たれていると受け取ってください。


その受け取り方ができるようになると、本番での表情まで変わります。



★第17回のまとめ



追質問は、四つの理由から生まれます。



関心。


確認。


検証。


救済。



理由が分かれば、返し方も決まります。



一呼吸置く。


結論から返す。


短く返す。



答えられないときは、知らない部分と考えられる部分を切り分け、誠実に処理します。


追質問は、失敗の合図ではありません。


得点の機会です。




河野正夫



 
 
 

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