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第17回 個人面接の突破法: 10の頻出質問徹底攻略

  • 執筆者の写真: 河野正夫
    河野正夫
  • 2025年9月12日
  • 読了時間: 6分

第17回 個人面接の突破法:10の頻出質問徹底攻略



<教員採用試験 面接合格講座(連載全30回)>



1.はじめに



教員採用試験において、個人面接は最も重視される選考段階です。


筆記試験や実技試験で高得点を取ったとしても、面接で十分な評価が得られなければ不合格となることは全く珍しくありません。


これは、採用側の教育委員会が「現場に適応できるか」「教育者としての人格や態度が適切か」を確認するためです。


しかし、多くの受験者は面接準備を「暗記すべき模範解答づくり」に偏らせてしまい、実際の面接で深掘り質問に対応できず苦戦します。


面接官は用意された文章をそのまま話すだけの受験者を見抜きます。


個人面接突破の鍵は、頻出質問への戦略的準備と即応力の両立です。


本稿では、個人面接で頻出する10の質問を取り上げ、それぞれの意図、評価ポイント、戦略的な答え方を解説します。





2.頻出質問と戦略的回答法



(1)志望動機


意図


受験者がなぜ教員を志望し、なぜその自治体を選んだのかを確認するための質問です。


ここには「定着性」と「教育課題への理解」という二つの視点があります。



戦略


☆個人的な動機から出発し、地域施策と接続させる。


☆「採用後にどのように貢献したいか」を具体的に語る。




「子どもが安心して学べる場をつくりたいという思いから教員を志望しました。講師として勤務した際、不登校傾向の生徒への支援に携わり、学校が安心できる居場所であることの大切さを実感しました。〇〇市では『居場所づくり事業』が進められており、その取り組みに貢献したいと考えています。」



(2)自己PR


意図


受験者が自分の強みをどう認識し、教育活動にどう生かそうとしているかを確認します。



戦略


☆強みを一つに絞る。


☆経験と具体的行動を明確にする。


☆学校現場での活用方法を提示する。




「私の強みは子ども一人ひとりの変化に敏感に気づけることです。講師時代、登校渋りをしていた児童の小さな変化を察知し、早めに保護者と情報共有することで、徐々に登校できるようになりました。この経験を生かし、早期支援ができる教師を目指します。」



(3)強みと弱み


意図


自己理解と誠実さを確認するための質問です。


特に弱みは、受験者がどれほど自己開示できるかを測る試金石になります。



戦略


☆強みと弱みを無理に結びつけない。


☆弱みは「克服しようとしている課題」として語る。


☆信憑性のある具体例を添える。



例(弱み)


「私は新しいことを覚えるのに時間がかかります。そのため、授業研究では繰り返し教材研究を行い、確実に定着するよう工夫しています。」



(4)教育観


意図


受験者の教育理念が、子ども観・学習観・指導観において一貫しているかを確認します。



戦略


☆抽象論で終わらせず、具体的行動とつなげる。


☆地域課題や自治体の教育方針に触れる。



STAR法(状況→課題→行動→結果)で整理する。


「私は、

子どもを多様な可能性を持つ主体的な存在として捉えています。そのため、授業では子ども同士が対話しながら学ぶ活動を大切にしています。講師として学級会活動を工夫した結果、子どもたちが互いを認め合い、主体的に発言できる学級に変わりました。」



(5)学級経営への考え方


意図


学級経営は教員の重要な役割です。


面接官は「子ども集団をどのように導くか」という具体的な方針を知りたいと考えています。



戦略


☆予防的視点と組織的視点を重視する。


☆学級の一体感を高めるための工夫を具体的に語る。


☆トラブル対応についても触れる。




「子どもが安心して過ごせる学級をつくるため、日常の小さな声かけを大切にしています。また、学級会を活用して子どもたちが自ら考え、話し合う機会を設けています。トラブルが生じた際には、一人で抱え込まず管理職や養護教諭と連携して対応します。」



(6)いじめ対応


意図


いじめへの初期対応力、組織的対応力を確認する質問です。


自治体によっては重点課題として特に重視されます。



戦略


☆早期発見・初期対応を強調する。


☆チーム対応の姿勢を示す。


☆法令やガイドラインを意識した発言をする。




「いじめは早期発見が最も重要です。子どもの表情や行動の小さな変化を見逃さず、気になることがあれば管理職やスクールカウンセラーにすぐに報告します。組織的に連携して対応することで、子どもが安心できる環境を守ります。」



(7)不登校への対応


意図


不登校は全国的に増加しており、面接では対応力を必ず確認されます。



戦略


☆子どもの気持ちを尊重する姿勢を示す。


☆家庭や専門機関との連携を重視する。


☆「学校復帰のみがゴールではない」という視点を持つ。




「不登校は単なる欠席ではなく、子どもが抱える不安や課題の表れと捉えています。子どもや保護者の思いを尊重し、校内の支援体制や専門機関と連携しながら支援を進めます。最終的には子どもが安心して学べる場を保障することを目指します。」



(8)保護者対応


意図


保護者との信頼関係を築く力を確認する質問です。現場でのトラブル防止にも直結します。



戦略


☆傾聴を第一に考える。


☆感情的にならず、冷静に対応する。


☆組織での対応を前提とする。




「保護者対応では、まずお話をしっかりと伺うことを心がけます。その上で、学校としての対応方針を共有し、感情的にならずに冷静に説明します。難しい場面では管理職と連携して対応します。」



(9)校務分掌に関する意欲


意図


学校は教科指導だけでなく、校務分掌を通じて組織運営を行います。


面接官は受験者がその役割を理解しているかを確認します。



戦略


☆経験をもとに語る。


☆チーム学校の一員として貢献する姿勢を示す。




「講師として学年主任をサポートする中で、学級経営だけでなく学校全体を見渡す視点を学びました。採用後は、校務分掌にも積極的に関わり、組織の一員として学校運営に貢献したいです。」



(10)最後に伝えたいこと


意図


面接全体を締めくくり、受験者が強調したい点を確認する質問です。



戦略


☆受験者の核となる教育観や姿勢を簡潔にまとめる。


☆新しい情報を加えるよりも、全体の総括として位置づける。




「これまでの経験を通して、子ども一人ひとりの可能性を信じることの大切さを学びました。〇〇市の教育施策と連携しながら、子どもたちの成長を支える教師を目指して努力していきます。」



3.模擬面接での準備



面接力を高めるためには、教員採用試験に精通した優れた面接の指導者に評価してもらうことが不可欠です。


勤務校の管理職や同僚、ゼミ仲間は面接指導の専門家ではないため、適切な助言は期待できません。


模擬面接では以下を意識しましょう。



☆頻出質問を軸に、即答・補足・展開の三段階で答える練習をする。


☆録音・録画して、声のトーンや間の取り方を客観的に確認する。


☆教育委員会の最新施策や地域課題を踏まえた内容に更新する。



4.まとめ



個人面接で合格するためには、頻出質問を単に覚えるだけでは不十分です。



☆各質問の意図を理解する。


☆経験と地域課題を結びつけた具体的な回答を準備する。


☆模擬面接で専門家の指導を受け、実践力を磨く。



このプロセスを繰り返すことで、面接官に「採用後に安心して任せられる教師」という印象を与えることができます。



次回予告


第18回は「集団討論の戦略―リーダー役とフォロワー役の使い分け」です。


集団討論で求められる役割と戦略を具体的に解説し、協働的な議論を展開するための実践法を紹介します。




河野正夫


 
 
 

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