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第15回:<大学生のための面接無料講座>「特別支援教育への関心・対応力」、現場配属への広い視野を示す。

  • 執筆者の写真: 河野正夫
    河野正夫
  • 2025年6月20日
  • 読了時間: 5分

第15回:「特別支援教育への関心・対応力」、現場配属への広い視野を示す


“通常学級だけ”という前提を捨てることから始まる面接対策



はじめに


「特別支援」はもはや例外ではない



教員採用試験を受けるにあたって、多くの受験者が無意識に「通常学級の担任として配属される」ことを想定しています。


しかし、現実の配属先は多様であり、特別支援学級・通級指導教室・特別支援学校などに初任で配属される可能性は十分にあります。


また、仮に通常学級を担任するとしても、発達障害のある児童生徒や、情緒的・知的な特性に応じた支援が必要な子どもたちが在籍する状況は当たり前になっています。


文部科学省の調査でも、「通級による指導」を受ける児童生徒は年々増加しており、インクルーシブ教育の理念に沿った実践が全教員に求められているのです。


面接においても、特別支援教育への理解・関心・対応力は重要な評価ポイントとなっており、それを欠いた回答は「現場理解の欠如」として減点対象になることもあります。





1.なぜ特別支援教育の視点が重視されるのか



(1)現場の配属における即戦力性


各自治体で、特別支援学級の担任を新規採用者が任されるケースは少なくありません。


特別支援教育に関する知識や姿勢がないと、初任配置で大きな戸惑いやミスマッチが起こりやすくなります。



(2)通常学級でも支援が求められる現状


発達障害、グレーゾーン、外国籍児童、家庭に課題を抱える子どもなど、支援を必要とする児童生徒は特別支援学級だけに存在するのではありません。


通常学級での多様な個への対応力が必要です。



(3)学校全体で支援体制を構築する必要性


特別支援教育コーディネーターや学年・学級担任との連携が求められるなか、全教職員が支援の視点を共有しなければ対応が困難になります。


新採用者であっても例外ではありません。



2.面接で問われる特別支援教育の観点とは?



「特別支援教育」に関する質問は、直接的なものもあれば、間接的な形で出されることもあります。



以下は典型的な設問です。



「特別支援教育について、どのような学びをしてきましたか?」


「支援が必要な児童生徒がいたら、どのように対応しますか?」


「発達障害のある子どもへの指導の工夫を挙げてください」


「通常学級に在籍する配慮が必要な児童への接し方は?」



また、志望動機や教育観の中に、特別支援への無理解が見えると、それだけで印象が悪くなることもあります。


だからこそ、「語る準備」が不可欠です。



3.“最低限語れるべき知識”とは何か



(1)インクルーシブ教育の理念


すべての子どもが可能な限り共に学ぶことを基本とする教育理念です。


特別支援教育はその一環であると理解する必要があります。



(2)「合理的配慮」の意味


発達や障害の特性に応じて、本人が学習に参加できるよう適切に調整すること。評価方法・座席・板書支援なども含まれます。



(3)「通級による指導」「特別支援学級」「特別支援学校」の違い



通級:通常学級に在籍しながら、必要に応じて別教室で指導を受ける


支援学級:軽度の障害のある児童が主に在籍


特別支援学校:より高度な支援が必要な児童が在籍



これらの違いや目的を理解しておくことが重要です。



4.面接での語り方:


構造とエピソードの工夫



単なる「知識の披露」ではなく、「学び→実践→気づき→教職への展望」の流れで語ることが求められます。



【構成例】


学び:大学での講義や文献から得た知見


経験:教育実習、ボランティア、アルバイトでの実践経験


気づき:個別性に応じた対応の難しさや重要性への理解


展望:今後、教員としてどのように支援していきたいか



5.模範回答例



質問:「特別支援教育についてどのような関心を持っていますか?」



私は大学で発達障害やインクルーシブ教育について学ぶ中で、「誰もが安心して学べる環境づくり」の重要性を強く感じました。


教育実習では、通常学級に在籍していた注意欠如・多動症(ADHD)の傾向のある児童への対応に難しさを感じましたが、担任の先生や通級指導教室の先生と連携し、本人の強みに着目して関わることで、少しずつ学習意欲が高まる様子を目にしました。


この経験から、特別支援教育は特別な場面だけでなく、すべての教育実践に通じるものであると実感しました。


今後は、合理的配慮や個別の支援計画の理解をさらに深め、どの子どもにも安心して学べる環境を提供できる教員を目指したいと考えています。



6.評価される語り方のポイント



● ポイント①:


知識と実践経験をつなぐ


→ 単なる教科書的知識ではなく、「現場で出会った子どもの姿」に結びつけて語ることが重要です。



● ポイント②:


“共感”ではなく“理解”を軸にする


→ 「かわいそう」「大変そう」という感情的な表現は避け、教育的視点で語ることが評価につながります。



● ポイント③:


教育的価値への展望を示す


→ 「その子の可能性をどう引き出すか」「学級全体の中でどう支えるか」という広い視点を加えると説得力が増します。



おわりに


“見える子ども”だけを見てはいけない



面接で高く評価されるのは、「特別支援教育が“別世界の話”ではない」ことを深く理解し、自分の言葉で語れる受験者です。


教員になるということは、あらゆる子どもを“見る力”をもつことであり、その視野の広さが現場では何よりの武器になります。


大学での学びや実習の経験を土台に、特別支援教育について自分なりの視点を育ててください。


それが結果として、「どの配属先でも活躍できる受験者」という評価に結びついていきます。



次回予告


第16回:「教育課題への理解」、施策や教育観を自己化して語る力



教育施策や時事的なトピックは、暗記しても評価されません。


それを“自分の教育観にどうつなげるか”という語りの技術を中心に、政策理解と面接対策の融合を解説します。




河野正夫




 
 
 

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