第14回:集団討論・グループワークの攻略法 【教員採用試験の不合格を合格に変える!】(全20回連載)
- 河野正夫
- 2025年10月10日
- 読了時間: 10分
第14回:集団討論・グループワークの攻略法
【教員採用試験の不合格を合格に変える!】(全20回連載)
# 第14回:集団討論・グループワークの攻略法
## はじめに
教員採用試験では、多くの自治体で集団討論やグループワークが実施されます。
4〜6人程度のグループで、教育課題について討論したり、協力して課題を解決したりする試験です。
「他の受験者とどう関わればいいのか」「何を話せばいいのか」「目立ちすぎても目立たなさすぎてもダメなのでは」という不安を持つ人は多いです。
集団討論・グループワークは、個人面接とは異なる評価の視点があります。
この記事では、集団場面でのコミュニケーション理論をもとに、評価される行動と避けるべき行動を分かりやすく解説します。

## 集団討論・グループワークで評価されるポイント
面接官は、集団場面で何を見ているのでしょうか。
**協調性とチームワーク**
他者と協力して目標を達成できるかが評価されます。
教員は一人で働くのではなく、学年団や職員集団の中で協働します。
その適性が見られています。
**コミュニケーション能力**
自分の意見を分かりやすく伝える力、他者の意見を正確に理解する力が評価されます。
**傾聴の姿勢**
自分の意見を主張するだけでなく、他者の意見を尊重し、真摯に聞く態度が重要です。
**建設的な貢献**
議論を前に進める発言、新しい視点を提供する発言、意見をまとめる発言など、グループに貢献する姿勢が評価されます。
**リーダーシップとフォロワーシップ**
リーダーとして議論を導く力も、フォロワーとして支える力も、どちらも評価されます。必ずしもリーダー役を取る必要はありません。
## 集団討論の基本的な流れ
典型的な集団討論の流れを理解しておきましょう。
自治体によって異なりますので、詳細は、自治体の公式サイト等で確認しましょう。
**導入(2〜3分)**
テーマが発表され、個人で考える時間が与えられることもあります。
メモを取りながら(メモが許されていれば)、自分の意見を整理します。
**討論開始(20〜30分)**
グループで討論が始まります。
多くの場合、受験者自身で司会を決め、時間配分も受験者に任されます。
**まとめ(5〜10分)**
議論の結論をまとめます。
代表者が発表する場合もあれば、各自がまとめを述べる場合もあります。
**全体の時間**
30〜40分程度が一般的です。
自治体によって異なるので、事前に確認しましょう。
## 討論開始時の行動
討論の最初の数分で、グループの雰囲気が決まります。
**司会役について**
司会役を引き受けることは、リーダーシップをアピールできる機会です。
ただし、司会だから有利というわけではありません。
司会でなくても、建設的な発言をすれば十分評価されます。
司会を引き受ける場合の注意点:
- 自分だけ話しすぎない
- 全員に発言の機会を作る
- 時間管理をしっかり行う
- 公平に意見を引き出す
司会でない場合の貢献:
- タイムキーパー役を引き受ける
- 記録係を引き受ける
- 積極的に意見を述べる
- 他者の意見を整理する役割を果たす
**自己紹介**
簡単な自己紹介をする時間がある場合は、明るくハキハキと述べます。
緊張をほぐし、グループの雰囲気を良くすることが大切です。
## 効果的な発言方法
集団討論での発言には、コツがあります。
**最初の発言を準備する**
討論が始まって沈黙が続くと、雰囲気が悪くなります。
最初に発言できるよう、準備しておきましょう。
最初の発言例:
「○○について、私は△△と考えます。その理由は、□□だからです。皆さんはどうお考えですか?」
**意見には必ず理由をつける**
「私は○○だと思います」だけでなく、「その理由は△△だからです」と理由を添えます。説得力が増します。
**具体例を示す**
抽象的な意見だけでなく、具体例を挙げることで、議論に深みが出ます。
発言例:
「子どもの主体性を育てることが重要だと考えます。たとえば、学級会で子どもたち自身に話し合わせ、クラスのルールを決めることで、主体性が育まれます。」
**他者の意見を受けて発言する**
自分の意見を一方的に述べるのではなく、前の人の意見を受けて発言すると、議論がつながります。
つなげる発言例:
「今の○○さんの意見に賛成です。それに加えて、△△という視点もあると思います。」
「○○さんの意見もとても重要ですが、別の見方として△△ということも考えられませんか。」
## 傾聴の姿勢を示す
発言することと同じくらい、聞く姿勢が重要です。
**うなずきや相づち**
他者が話している時は、適度にうなずいて、話しやすい雰囲気を作ります。
**メモを取る**
他者の意見をメモすることで、真剣に聞いている姿勢を示せます。
また、後で意見をまとめる時にも役立ちます。
**目を見て聞く**
話している人の方を向き、目を見て聞きます。
下を向いていたり、よそを見ていたりすると、聞いていないように見えます。
**発言を引き出す**
あまり発言していない人に、「○○さんはどう思いますか?」と尋ねることで、全員が参加できる雰囲気を作ります。
## 議論を前に進める発言
評価される発言は、議論を建設的に前進させる発言です。
**論点を整理する**
議論が混乱した時、論点を整理する発言が有効です。
整理する発言例:
「今まで出た意見を整理すると、○○という意見と△△という意見がありますね。それぞれのメリット・デメリットを考えてみませんか。」
**新しい視点を提供する**
まだ出ていない視点を提示することで、議論が深まります。
新視点の例:
「これまで教員側の視点で話していましたが、子どもの立場からはどう見えるでしょうか。」
「保護者の立場も考える必要があると思います。」
**具体的な提案をする**
抽象的な議論に終始している時、具体的な方策を提案します。
提案例:
「それでは、具体的にどんな取り組みができるか、考えてみませんか。たとえば、○○という方法はどうでしょう。」
**時間を意識した発言**
残り時間が少なくなってきたら、まとめに向かう発言をします。
時間管理の発言例:
「残り時間が10分になりました。そろそろ、まとめていきませんか。」
## 避けるべき行動
集団討論で評価を下げる行動を知っておきましょう。
**全く発言しない**
発言が全くないと、「協調性がない」「消極的」と判断されます。
最低でも2〜3回は発言しましょう。
**発言しすぎる**
自分ばかり話して、他者に発言の機会を与えないのも問題です。
全体の人数分の1強程度の発言量が適切です。
**他者の意見を否定する**
「それは違います」「その考えは間違っています」という否定的な言い方は避けます。
意見が異なる場合も、「別の見方もあると思います」と柔らかく伝えます。
**感情的になる**
議論が白熱しても、感情的にならないことが大切です。
冷静さを保ちます。
**一人で結論を決める**
「だから答えは○○です」と一人で結論を出すのではなく、「皆さん、こういうまとめでいかがでしょうか」と合意を形成します。
**他者の発言を遮る**
人が話している途中で割り込むのは失礼です。
最後まで聞いてから発言します。
**関係ない話をする**
テーマから外れた発言は、議論の妨げになります。
常にテーマを意識します。
## グループワークの特徴
グループワークは、討論とは異なり、協力して課題を解決する形式です。
**グループワークの例**
- 模造紙に意見をまとめて発表する
- グループで授業案や学級経営案を作成する
- 教育課題の解決策をグループで考える
**グループワークでの評価ポイント**
討論と同様、協調性、コミュニケーション能力、貢献度が評価されます。
加えて、作業への積極的な参加、役割分担の工夫なども見られます。
**効果的な参加方法**
- 役割分担を提案する(書記、発表者、タイムキーパーなど)
- 作業を進める具体的な提案をする
- 全員の意見を取り入れようとする
- 時間内に完成させる意識を持つ
## 頻出テーマへの準備
集団討論でよく出題されるテーマを知り、自分の意見を準備しておきましょう。
**頻出テーマ**
1. いじめ問題への対応
2. 学力向上のための取り組み
3. 主体的・対話的で深い学びの実現
4. ICTを活用した授業づくり
5. 特別支援教育の充実
6. 保護者との連携
7. 働き方改革
8. 不登校児童生徒への支援
9. キャリア教育の推進
10. 地域と連携した学校づくり
各テーマについて、自分の意見、理由、具体例を準備しておきます。
ただし、丸暗記ではなく、柔軟に対応できるよう、考え方を整理しておく程度にします。
## 意見が対立した時の対応
討論中、意見が対立することがあります。
**対立を恐れない**
意見の対立は悪いことではありません。
多様な視点から議論することで、より良い結論に至ります。
**対立を建設的に扱う**
対立した時は、どちらが正しいかを争うのではなく、両方の良い点を活かす方向を探ります。
対立を乗り越える発言例:
「A案とB案で意見が分かれていますね。両方のメリットを組み合わせた、C案は考えられないでしょうか。」
「それぞれの案が適用できる場面を分けて考えてみませんか。」
**妥協点を探る**
どうしても一つの結論にまとまらない場合は、「複数の方法を併用する」「状況に応じて使い分ける」という柔軟な結論もあり得ます。
## 学生と講師それぞれの強み
学生も講師も、それぞれの立場で貢献できます。
**学生の強み**
- 新しい視点、柔軟な発想
- 最新の教育理論の知識
- 素直に学ぼうとする姿勢
学生らしい発言例:
「まだ現場経験は少ないですが、大学で学んだ○○理論の視点から考えると、△△ということが言えると思います。」
**講師の強み**
- 実際の現場経験
- 具体的な実践例
- 現実的な課題の理解
講師らしい発言例:
「実際に授業をしていて感じるのは、○○です。たとえば、△△という場面では□□という工夫が有効でした。」
どちらの立場であっても、自分の経験や知識を活かした発言をすることで、グループに貢献できます。
## 演習方法
集団討論・グループワークの力は、実践練習で向上します。
**仲間との練習**
4〜6人程度のグループを作り、実際に討論の練習をします。
頻出テーマを選び、30分程度で討論します。
練習のポイント:
- できるだけ本番に近い形式で行う
- 終了後、お互いにフィードバックし合う
- 録画して自分の様子を確認する
- 役割を変えて複数回練習する
**優れた指導者からの助言**
可能であれば、優れた指導者に討論の様子を見てもらい、助言をもらいます。
客観的な評価が、改善につながります。
**一人でできる準備**
一人でも、頻出テーマについて自分の意見をまとめる、1分程度で意見を言う練習をする、などの準備ができます。
## 当日の心構え
集団討論・グループワーク当日の心構えも重要です。
**緊張をほぐす**
同じグループになった人たちと、試験前に軽く会話することで、緊張がほぐれます。笑顔で挨拶しましょう。
**他者と比較しない**
他の受験者がどんなに優秀に見えても、比較して焦る必要はありません。
自分らしく、誠実に参加することが大切です。
**完璧を目指さない**
すべての発言が素晴らしい必要はありません。
失敗を恐れず、積極的に参加する姿勢が評価されます。
**楽しむ気持ち**
討論を楽しむ余裕があると、良いパフォーマンスができます。
「同じ目標を持つ仲間との対話」だと思って、前向きに臨みましょう。
## まとめ
集団討論・グループワークの攻略には、協調性とチームワーク、コミュニケーション能力、傾聴の姿勢、建設的な貢献という4つの要素が重要です。
発言することと聞くことのバランスを取り、議論を前に進める発言を心がけることで、高い評価を得られます。
重要なのは、目立とうとすることでも、リーダー役を取ることでもありません。
グループ全体が良い結論に至るために、自分ができる貢献をすることです。
他者を尊重し、協力して課題に取り組む姿勢が、教員としての適性を示します。
次回は、模擬授業の完璧な構築と実践について解説します。
限られた時間の中で、教師としての力を最大限にアピールする方法を学んでいきましょう。
河野正夫



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