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第14回:保健指導(模擬授業)の構成案と魅せ方。 5分~15分で児童生徒の心を掴む! 導入から展開への具体的なテクニック。【養護教諭の教員採用試験 合格への完全ロードマップ(全20回)】

  • 執筆者の写真: 河野正夫
    河野正夫
  • 2 日前
  • 読了時間: 7分

第14回:保健指導(模擬授業)の構成案と魅せ方


5分~15分で児童生徒の心を掴む!


導入から展開への具体的なテクニック


【養護教諭の教員採用試験 合格への完全ロードマップ(全20回)】



養護教諭の採用試験において、面接と並んで大きな関門となるのが「模擬授業」や「保健指導」の実技試験です。


自治体によって「5分」や「10分」、あるいは「15分」と設定時間は異なりますが、その多くは45分(または50分)の授業全体を行うのではなく、その冒頭である「導入から展開の入り口」までを実演させる形式を採っています。


準備不足の受験生は、短い時間の中にすべての内容を詰め込もうとして早口になったり、知識の伝達だけに終始してしまったりしがちです。


しかし、この試験で評価されるのは、教え方のテクニックそのものよりも、「いかに子供たちの興味を惹きつけ、自分事として考えさせるか」という授業の入り口を作る力です。


第14回では、限られた時間の中で児童生徒の心を掴み、「今日の授業は面白そうだ、自分に関係があることだ」と思わせるための構成案と、養護教諭らしい「魅せ方」の極意を詳説します。





1. 模擬授業と保健指導の「構造」を理解する



まず整理しておくべきは、試験で求められているのが「授業の導入部分」なのか、「完結型の保健指導」なのかという点です。



① 授業の導入としての模擬授業(5分~15分)



これは、その後に続く「展開」「まとめ」に向けた助走期間です。


ここで完結させる必要はありません。



目的:


児童生徒の既習事項を確認し、本時の学習課題(めあて)を明確にすること。


そして、「なぜこれを学ぶ必要があるのか」という動機付けを完了させることです。



評価ポイント:


子供たちの実態を想定した言葉がけができているか、本時のゴールが魅力的に提示されているか。



② 完結型の保健指導(5分~15分)



「全校朝会での講話」や「学級活動でのミニ指導」を想定したものです。



目的:


特定の健康課題(手洗い、熱中症予防、目の愛護など)に対し、短時間で具体的な行動変容を促すことです。



評価ポイント:


結論が明確であるか、明日から実践できる具体的なスキルが提示されているか。



どちらの形式であっても、共通して重要なのは「最初の1分~2分で子供たちの視線をこちらに固定させること」です。




2. 子供の心を掴む「黄金の導入」3つのステップ



5分~15分という短い時間において、冗長な説明は命取りになります。以下の3ステップで、リズムよく授業を開始しましょう。



ステップ①:


五感に訴える「フック(仕掛け)」の提示



言葉だけで「今日は〇〇について勉強します」と言うのは、もっとも避けたいパターンです。



実物提示:


「先生の手に持っているこのペットボトル、中にはどれくらいの砂糖が入っていると思いますか?」



クイズ・統計:


「このクラスで、昨日10時までに寝た人はどれくらいいるかな? 実は全国では……」



視覚資料(掲示物):


大きなイラストや写真を見せ、「この子の表情、どうしてこんなに辛そうなんだろう?」と問いかけます。


このように、視覚や好奇心を刺激する「問い」から入ることで、子供たちは受動的な態度から能動的な思考へと切り替わります。



ステップ②:


既習事項や「生活経験」との結びつけ



新しい知識を教える前に、子供たちがすでに持っている知識や経験を引き出します。



言葉がけの例:


「みんなも、朝起きたときに『体がだるいな』と思ったことはないかな? 実はそれ、昨日、勉強した〇〇と関係があるかもしれないんだよ。」


自分たちの生活に関連があると感じた瞬間、子供たちの集中力は飛躍的に高まります。



ステップ③:


魅力的な「本時のめあて」の設定



本日のゴールを提示します。



ポイント:


「〇〇について知る」という受け身の表現ではなく、「〇〇マスターになろう!」「〇〇の秘密を解き明かそう!」といった、子供が主体的に取り組みたくなるようなワクワクする言葉選びを意識してください。




3. 「展開」へのスムーズな移行とやり取りの演出



導入で惹きつけた関心を、具体的な学習へと繋げていきます。


ここでは、目の前に子供がいると想定した「エア授業」のスキルが問われます。



① 「発問」と「間」の取り方



一方的に話し続けるのではなく、子供たちに考えさせる時間を作ります。



テクニック:


問いを投げかけたら、必ず2〜3秒の「間」を置きます。


そして、「Aさんが頷いているね」


「Bさんはちょっと不思議そうな顔をしているかな?」


と、子供の反応を実況するように言葉を添えます。


こうすることで、試験官はあなたの教室の空気感を感じ取ることができます。



② 養護教諭ならではの専門的知見の投入



担任教諭にはない、養護教諭だからこそ語れる「体の不思議」や「科学的根拠」を小出しにします。



テクニック:


「実は、みんなの脳の中では夜の間に〇〇という魔法の薬(ホルモン)が作られているんだよ」といった、子供の知的好奇心をくすぐる専門知識を、分かりやすい言葉(比喩)に変換して伝えます。



③ 立ち振る舞いと「視線」の配り方



視線(アイコンタクト):


特定の場所だけでなく、教室全体をM字型にゆっくりと見渡します。



机間指導の演出:


導入から展開に移る際、少し教卓を離れて歩き出し、「あ、いいところに気づいたね」と個別に声をかける動作を入れると、一人ひとりを大切にする姿勢が評価されます。



4. 準備不足でも差がつく「掲示物・板書」の活用術



短い模擬授業において、板書を書きすぎるのは時間の無駄です。


しかし、全く書かないのも授業としての構成を疑われます。



「めあて」は必ず書く:


黒板の左上に、本時のゴールを大きく、丁寧に書きます。



キーワードの掲示:


予め準備しておいた大きな文字のカード(掲示物)を、適切なタイミングで黒板に貼ります。


これだけで視覚的なアクセントになり、話のリズムが生まれます。



構造化された板書:


授業の終わりには、黒板を見るだけで「今日の学習内容の骨組み」が分かる状態を目指します。



5.  5分~15分を乗り切るための「時間管理」と「メンタル」



タイムマネジメント:


自宅での練習時には、必ずストップウォッチで計測してください。


特に導入に時間をかけすぎて、肝心の展開(めあてへのアプローチ)に入れないパターンが多いため、「導入3分、展開への入り7分」など、自分なりの時間配分を体に叩き込みます。



不測の事態への対応:


途中で時間が足りなくなっても、焦って早口にしてはいけません。


大切なのは「伝えたいメッセージの核」を外さないことです。


時間が来たら、落ち着いて「では、続きは次の時間に考えましょう」と笑顔で締めくくれば、構成力は評価されます。



6. 結びに:模擬授業は「あなたの情熱」を伝えるステージ



模擬授業は、完璧な授業を披露する場ではありません。


あなたが保健室を出て、教室で子供たちと向き合ったときに、「この先生の話は面白そうだ」「私たちのことを分かってくれようとしている」と子供たちに思わせることができるか。


その「人間としての魅力」と「教育的愛情」が試されているのです。


準備不足だと焦っているあなた。難しい指導案を作る必要はありません。


まずは、あなたが伝えたい健康の素晴らしさを、目の前の一人の子供に語りかけるように、心を込めて演じてみてください。


明るい表情、はつらつとした声、そして子供の発見を共に喜ぶ姿勢。


それさえあれば、あなたの模擬授業は合格点を超える、素晴らしいものになります。


「先生、今日の保健の授業、もっと聞きたい!」と子供たちが身を乗り出すような、そんな素敵な授業の入り口を作ってください。


応援しています。




第14回のまとめワーク:



1. 自分の得意なテーマ(手洗い、睡眠、姿勢など)を一つ選び、子供の興味を惹きつける「最初の1分間のフック(仕掛け)」を3パターン考えてください。



2. 5分間の模擬授業を想定し、黒板のどの位置に「めあて」を書き、どのタイミングで掲示物を貼るか(略絵を書くかなど)、A4用紙にレイアウトを書いてみてください。



3. 目の前に「落ち着きがない子」や「恥ずかしがっている子」がいると仮定して、その子たちを授業に巻き込むための「ポジティブな声かけ」を5つリストアップしてください。



次回のテーマは:



第15回:ICTを活用した「新しい保健学習」の提案


タブレット端末やスライドを効果的に使い、視覚的に訴える授業づくり。



1人1台端末時代の養護教諭には、デジタルツールを使いこなし、子供たちの思考を可視化するスキルが求められます


模擬授業や場面指導で「ICTをどう絡めるか」の具体的なアイデアを公開します。




河野正夫




 
 
 

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