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第13回:集団討論・集団面接で「光る」立ち振る舞い。 リーダーシップよりも大切な「他者への貢献」と、議論を活性化させる傾聴力。 【大学生のための教員採用試験 合格への完全ロードマップ(全20回)】

  • 執筆者の写真: 河野正夫
    河野正夫
  • 1 時間前
  • 読了時間: 6分

第13回:集団討論・集団面接で「光る」立ち振る舞い。


リーダーシップよりも大切な「他者への貢献」と、議論を活性化させる傾聴力。


【大学生のための教員採用試験 合格への完全ロードマップ(全20回)】



個人面接で自分の「軸」を固めると同時に重要になってくるのが、複数の志願者が同時に試験を受ける集団討論や集団面接です。


多くの大学生は、ここで、


「自分が一番目立たなければならない」


「他の志願者よりも優れた意見を言わなければならない」


という強いプレッシャーを感じます。


しかし、この考え方自体が、教員採用試験における集団試験の「罠」です。


学校現場は、一人で完結する仕事ではありません。


学年団、分掌、地域、保護者といった多様なステークホルダーと協力し合う「チーム学校」の一員としての資質が問われています。


第13回では、集団の中で評価される立ち振る舞いの本質を解き明かし、リーダーシップ以上に重要視される「他者への貢献」と、議論を深めるための「傾聴力」について詳説します。





1. 集団討論・集団面接で見られている「本当の資質」



集団試験において、試験官はあなたの発言内容の素晴らしさだけを見ているわけではありません。


むしろ、発言していない時間や、他者が話している時の「反応」を鋭く観察しています。



① 「論破」ではなく「納得」を導く力



大学生が陥りやすい失敗は、他者の意見に対して「それはちょっと違います」と否定したり、自分の意見を通そうと躍起になったりすることです。


学校現場で求められるのは、異なる意見を持つ者同士が、子供の最善の利益のために着地点を見出す調整能力です。


議論を力で制するのではなく、全員の意見を汲み取りながら、「今の皆さんの意見を合わせると、このような方向性が見えてきますね」と、全体を納得感のあるゴールへ導く姿勢が、教員としての高い適性と判断されます。



② 組織を活性化させる「フォロワーシップ」



目立つ役割である司会やタイムキーパー役などを無理に引き受ける必要はありません。


むしろ、議論が停滞した時に「視点を変えてみませんか」と提案したり、あまり発言できていない人に「〇〇さんはどう思いますか」と水を向けたりする「フォロワーシップ」が、現在の教育現場で最も求められています。


自分一人が輝くのではなく、グループ全体がより良い結論を出せるように動く。


この「他者への貢献」が、集団の中で光る立ち振る舞いの正体です。



2. 議論を活性化させる「プロの傾聴力」



「話すこと」に意識が向きがちな集団試験において、差別化の鍵となるのは「聞き方」です。


教師にとって、子供や保護者の話を真摯に聞く力は、指導力の根幹を成します。



① 非言語での応答(頷きと表情)



他者が発言している際、無表情でメモを取ることに集中してはいけません。


相手の目を見て、適度な頷きを入れ、「あなたの意見を尊重しています」というサインを全身で送ります。


これは、教室内で子供の発言を肯定的に受け止める姿勢そのものです。


試験官は、あなたが教壇に立った時に、子供たちが安心して発言できる雰囲気を作れるかどうかを、ここから判断します。



② 意見を繋ぎ、深めるための「要約と言い換え」



自分の意見を述べる前に、「先ほどの〇〇さんの『家庭との連携』という視点は非常に重要ですね。その上で、私は……」といった、他者の発言を尊重した上での接続を徹底してください。


単に意見を並べるだけでは「討論」になりません。


他者の意見を要約し、自分の意見を重ねることで議論を一段階深める。


この「繋ぐ力」がある学生は、職員室においても円滑なコミュニケーションが取れる人材だと高く評価されます。



3. 集団面接における「立ち振る舞い」の戦術



集団討論とは異なり、一問一答形式で進む集団面接では、他者との「比較」がより明確になります。


① 他者の回答を自分の学びに変える


自分の番ではない時も、他の受験者の回答を真剣に聞きます。


もし前の人と意見が重なったとしても、焦る必要はありません。


「私も〇〇さんと同じく……を重視しますが、私の経験では……」と、自分の独自性を付け加えることで、柔軟性と協調性を同時にアピールできます。



② 時間の配慮という「他者への配慮」



集団面接では、一人で長く話しすぎることは厳禁です。


自分が長く話せば、その分、隣の人の時間が削られます。


この「時間の感覚」は、集団に対する配慮の有無を如実に示します。


結論を簡潔に述べ、他の志願者への配慮を見せる態度は、「空気が読める」という以上に、「組織全体の利益を考えられる」という教員としての資質として評価されます。



4. 集団討論での「困った場面」への対処法



議論が迷走したり、対立が起きたりした時こそ、あなたの評価を上げる最大のチャンスです。



① 意見が真っ二つに割れた時



どちらが正しいかを決めるのではなく、「双方のメリットを活かす方法はないか」という統合的な視点を持ち込みます。


「〇〇さんの意見は即時性に優れ、△△さんの意見は持続性に優れています。これらを組み合わせることはできませんか」といった提案は、知的な柔軟性を示します。



② 議論が抽象論に終始している時



「現場の視点」を投入し、議論を具体化させます。


「今の議論を、実際の教室の場面に当てはめると、具体的にどのような声かけが必要になるでしょうか」という一言で、空論を実践的な対話へと引き戻すことができます。


これは、大学の理論を現場に繋げる力がある証拠です。



5. 第13回のまとめ:あなたは「チーム」のために何ができるか



集団試験の成功は、あなたが何回発言したかでは決まりません。


あなたがいたことで、そのグループの議論がどれだけ深まり、まとまったかによって決まります。



「自分が目立つ」という意識を捨て、「グループに貢献する」という意識を持つ。


他者の発言を肯定的に受け止め、議論を繋げる「傾聴力」を磨く。


司会などの役割に固執せず、議論の停滞や対立を解消する「動き」を見せる。


常に「目の前の子供たちのために何が最善か」という視点を議論の軸に据える。



集団試験の場は、未来の同僚との出会いの場でもあります。


隣に座っている志願者を敵ではなく、共に教育を創る仲間として尊重し、高め合う。


その誠実な姿勢が、試験官の心に最も強く響く「光る立ち振る舞い」となります。



次回の連載では、いよいよ実践編の山場である「授業」の技術に踏み込みます。



第14回:模擬授業の基本:


大学生でも堂々と教壇に立てる構成案。


導入5分で児童生徒(試験官)の心をつかむ「発問」と「板書」。



「教える」という行為を、単なる説明に終わらせないための、具体的かつ実践的な授業構成のノウハウを伝授します。



【今回の合格ワーク:グループ貢献のシミュレーション】



1. 集団討論を想定し、他者の意見に同意しつつ自分の意見を付け加える「接続のフレーズ」を3つ作成してください


(例:「〇〇さんの意見に付け加えて、私は……」)。



2. もし議論が沈黙してしまった時、あなたならどのような「第一声」で場を動かしますか。具体的なセリフを準備してください。



3. 自分の「頷き」が相手にどう見えているか、鏡の前、あるいは自撮り動画で確認してください。



集団の中でのあなたの立ち振る舞いは、未来の職員室でのあなたの姿です。


他者を活かすことで自分も活きる、その感覚をこのトレーニングで掴んでください。




河野正夫




 
 
 

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