第14回:<大学生のための面接無料講座>「チームとしての学校」、“個の力”と“組織の一員”としての両立。
- 河野正夫
- 2025年6月19日
- 読了時間: 5分
第14回:「チームとしての学校」、“個の力”と“組織の一員”としての両立
協働する専門職としての姿勢をどう語るか
はじめに
「学校はチーム」という時代的要請
学校はかつて、「教師個人の裁量に任された空間」として理解されてきた時代がありました。
しかし今日、教育を取り巻く課題が複雑化する中で、学校は明確に「チームとして動く組織」であるという認識が社会的にも制度的にも強まっています。
中教審の答申や文部科学省の文書などにおいても、「チーム学校」「協働性」「多職種連携」というキーワードが繰り返し強調されており、教員採用試験における面接でもこの観点からの質問が増えています。
本稿では、学校における「チーム性」がなぜ重要なのかを明らかにしながら、「個人としての専門性」と「組織の一員としての協働性」をどう面接で語るかについて、戦略的に解説します。

1.学校現場における「チーム性」とは何か?
(1)教育は“集団的営み”である
教育活動は、単独の教員によって完結するものではありません。
学級経営や授業だけでなく、生徒指導、保護者対応、特別支援、危機対応など、あらゆる場面で他の教員や専門職と連携しながら行動する必要があります。
(2)「チーム学校」の制度的位置づけ
文部科学省は「チームとしての学校づくり」の推進を掲げ、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、養護教諭、栄養教諭などを含めた多職種協働を前提とした教育体制を整備しています。
面接での評価も、「協働する姿勢があるか」「自己判断に頼らず連携できるか」といった観点に基づいて行われるのが現状です。
2.面接で問われる協働性とは?
「チームとして働けますか?」という質問は、そのまま投げかけられることもあれば、以下のような形式で問われることもあります。
「困ったとき、誰にどのように相談しますか?」
「同僚と意見が対立した場合、どのように対応しますか?」
「保護者とのトラブルがあった場合、どう連携しますか?」
これらの問いに共通して求められるのは、「独断を避けて適切に助けを求められる力」と、「相手の立場や考えを尊重しつつ、主体的に動ける力」です。
3.評価されない語り方のパターン
【NG①】個人主義的な語り
「自分で最後まで責任を持ちます」
→ 責任感は評価されますが、“相談しない姿勢”と受け取られるとマイナスです。
【NG②】指示待ち型の語り
「困ったら上司に従います」
→ 受け身で、自分の専門性や判断が感じられない語りは評価されません。
【NG③】抽象的で協働が見えない語り
「周りと協力していきたいです」
→ どのように協力するのか、何を意識しているのかが伝わらないと評価は低くなります。
4.“個の力”と“組織の一員”を両立する語り方
面接で求められるのは、「個としての強みを持ちつつ、他者と補完し合う姿勢」です。以下のような構造で語ると効果的です。
【構成フレーム】PREP+実践具体化
P(Point):
私はチームの一員としての働き方を大切にしています。
R(Reason):
教育は一人では担いきれない課題が多いため、互いの専門性を尊重した協働が必要だと考えているからです。
E(Example):
教育実習では、担任の先生だけでなく養護教諭や支援員の方と情報共有しながら、○○への対応を行いました。
P(再提示):
このように、私は自分の考えを持ちつつも、組織の一員として学び合い、支え合いながら行動できる教員を目指しています。
5.模範回答例
質問:「学校はチームで動く場だと言われますが、どのように考えていますか?」
私は、学校は一人で完結する場ではなく、教員同士が連携し、専門性を持ち寄る“チーム”であるべきだと考えています。
教育実習では、ある児童の行動について悩んでいた際、担任の先生だけでなく、養護教諭や学年の先生とも話し合い、情報を共有しました。その中で、自分が見えていなかった側面に気づき、対応を調整することができました。
この経験から、個人の力には限界があること、そして多様な視点を受け入れることでより良い支援ができることを学びました。
私は今後も、自分の専門性を磨くと同時に、他者と協力し合う姿勢を大切にしながら、チームの一員として貢献していきたいと考えています。
6.面接対策の観点からの3つの実践ポイント
● ポイント①:「専門性+連携」という構造を意識する
→ 自分の強みや経験を語るときにも、他者との関わりの中でどう活きたかを示すことが鍵です。
● ポイント②:「協働」の具体的経験を用意しておく
→ 教育実習、ボランティア、ゼミ活動などでの“連携経験”を振り返り、具体例を整理しておくと有効です。
● ポイント③:「自立と依存の間」をとる語りにする
→ 自己判断と他者への相談、そのバランスをどうとっているかが語れると、面接官に信頼されやすくなります。
おわりに
“協働する個人”としての教師像を描こう
学校において、優れた教員とは、孤高の完璧主義者ではありません。
また、すべてを他人任せにする指示待ち型でもありません。
必要なときに支援を求め、同僚と学び合い、子どもたちにとって最善の環境を整えようとする“協働する専門職”です。
その姿勢は、面接でも確実に評価されるポイントとなります。
個としての専門性を追求しつつ、組織の一員としての責任を自覚する。そうしたバランス感覚を備えた語りが、面接官の心に残る合格ラインの表現になります。
次回予告
第15回:「特別支援教育への関心・対応力」、現場配属への広い視野を示す
配属先の現実としてますます増加する特別支援学級や支援が必要な児童生徒への対応力は、面接でも重要な評価対象となります。
受験者として最低限語れるべき知識と関心の示し方を紹介します。
河野正夫



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