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第12回:個人面接100本ノック。 あらゆる角度からの問いに「軸」で答える実践トレーニング。 【大学生のための教員採用試験 合格への完全ロードマップ(全20回)】

  • 執筆者の写真: 河野正夫
    河野正夫
  • 2 日前
  • 読了時間: 12分

第12回:個人面接100本ノック。


あらゆる角度からの問いに「軸」で答える実践トレーニング。


【大学生のための教員採用試験 合格への完全ロードマップ(全20回)】



教員採用試験の最終関門である個人面接において、志願者が最も恐れるのは「予想外の質問」です。


多くの大学生は、典型的な質問に対する回答を暗記して試験に臨みますが、実際の面接室では、その準備を笑うかのような鋭い深掘りや、状況判断を問う問いが投げかけられます。


本稿で提示する「100本ノック」は、単なる質問集ではありません。


どのような角度からボールが飛んできても、自分の「軸」を崩さずに打ち返すための、思考の反復訓練です。


なぜ、これほどの演習量が合格のために必要なのか、そして学力の自信に関わらず、どのように取り組めば「受かる回答」が作れるのかを解説します。





1. なぜ「100問」の演習が必要なのか



「100問も覚えるのは無理だ」と感じるかもしれません。


しかし、この訓練の目的は暗記ではありません。むしろ、暗記した言葉を捨てるためにあります。



① 「一問一答」から「一軸多答」への転換



面接官が知りたいのは、あなたの「答え」そのものではなく、その答えを支えている「考え方の芯(軸)」です。


100の異なる質問に答える練習を繰り返すと、不思議なことに、どの質問に対しても自分の中から似たようなキーワードが出てくることに気づきます。


たとえば、「子供の良さを見つけること」を軸に据えている人は、学習指導の問いでも、生徒指導の問いでも、必ずその視点から回答を組み立てることになります。


100問解くことで、自分の軸がどこにあるのかを再確認し、それを磨き上げることができます。



② 脳の「余裕」を確保する



面接の本番では、緊張で頭が真っ白になることがあります。


これは、脳が「何と言おうか」という思考でいっぱいになってしまうためです。


100本ノックで思考のパターンを身体に染み込ませておくと、回答の構成に使うエネルギーを最小限に抑えられます。


その分、面接官と目を合わせる、明るい表情を作る、相手の言葉をしっかり聞くといった「対人コミュニケーション」に脳の力を使えるようになります。


この余裕が、面接官に「この人なら安心して学級を任せられる」と感じさせる決め手となります。



2. 「軸」で答えるとはどういうことか



面接での失敗で最も多いのは、質問ごとに答えの方向性が変わってしまう「一貫性の欠如」です。


これを防ぐのが「軸」の存在です。



① 判断基準を一つに絞る



学校現場には正解のない問題が無数にあります。


面接官は、あなたが「自分なりの定規」を持って判断しているかを見ています。


「子供一人ひとりの居場所を作る」という軸があるなら、「いじめへの対応」も「授業中の発言の促し方」も、すべてその定規で測って答えます。


すると、すべての回答がバラバラに見えて、実は深いところで繋がっている「強い論理」が生まれます。



② 「具体的」に語る勇気を持つ



「子供に寄り添います」という言葉は、誰でも言えますが、誰の心にも残りません。


「寄り添うとは、具体的に何をするのか」を自分の軸に沿って語ってください。


「例えば、休み時間に教室の隅にいる子の隣に座って、一緒に絵を描くことです」といった具体的なエピソードや行動が、あなたの個性を証明します。



3. 100本ノックを成功させるための実践ルール



このトレーニングを効果的に進めるために、以下の3つのルールを守ってください。



1. 結論から話す(PREP法)



「私の考えは〇〇です。理由は……」という形を徹底してください。結論を先に言うだけで、話の分かりやすさは劇的に向上します。



2. 完璧な文章を作ろうとしない



一字一句をノートに書く必要はありません。


質問に対して「キーワードを二つ三つ思い浮かべる」練習を繰り返してください。


言葉の端々は、その場の空気で選べばよいです。



3. 「教師としての自分」を演じ切る



面接室の椅子に座っているのは「大学生のあなた」ではなく「4月から教壇に立つ若手教師」です。


質問をされたとき、目の前に実際の子供がいると想像して答えてください。


そのリアリティが、回答に圧倒的な説得力を与えます。




【面接100問ノック・質問リスト】



ここからは、あなたが教師としての資質を証明するための100の問いです。


逃げずに、一つひとつのボールを自分の「軸」で打ち返してください。



1. 志望動機・意欲・自治体理解(1-15)



1. 教師を志した具体的な時期ときっかけを述べてください。


2. 民間企業や他の公務員ではなく、なぜ「教員」なのですか。


3. 他の自治体ではなく、本自治体でなければならない理由は何ですか。


4. 本自治体の教育施策の中で、特に取り組んでみたいものはどれですか。


5. なぜ、あなたの志望校種(小・中・高・特)を志望するのですか。


6. あなたが理想とする教師像を、具体的に説明してください。


7. 教職の「魅力」と「厳しさ」を、現時点でどう捉えていますか。


8. 本自治体の「求める教師像」に、自分はどう合致していますか。


9. 採用後、どのような学級を作りたいと考えていますか。


10. あなたを採用することで、本自治体の教育にどのようなプラスがありますか。


11. 教師以外にどのような職業を検討しましたか。


12. 併願状況と、本自治体が第一志望である理由を論理的に述べてください。


13. あなたの教職への熱意を、簡潔に話してください。


14. 4月の登校初日、子供たちの前で最初に行いたい話の内容を教えてください。


15. 困難な状況に直面しても、教員を一生の仕事として続ける覚悟はありますか。



2. 自己分析・資質・経験(16-30)



16. あなたの長所と、教育現場での活用方法とを、併せて述べてください。


17. 自分の短所をどう自覚し、どう向き合っていますか。


18. 大学時代に最も力を注いだ経験(ガクチカ)を教えてください。


19. これまでの人生で直面した最大の困難と、その克服過程を述べてください。


20. 友人や周囲からは、どのような性格だと言われることが多いですか。


21. 自分の性格の中で、教師として改善すべきだと考えている点はどこですか。


22. 趣味や特技を、教育活動の中にどう取り入れますか。


23. 自分なりのストレス解消法を具体的に持っていますか。


24. 心身の健康を維持するために、日々実践していることはありますか。


25. 集団の中でリーダーシップを発揮した具体的な場面を述べてください。


26. 組織の中でフォロワー(支え役)として貢献した経験はありますか。


27. あなたが最も尊敬する人物と、その理由を教えてください。


28. 最近関心を持った教育関連のニュースは何ですか。


29. 意見の異なる他者と協力しなければならない時、どう振る舞いますか。


30. 自己研鑽として、今後どのようなスキルや知識を身につけたいですか。



3. 学習指導・授業力(31-45)



31. 子供にとって「わかる授業」とは、どのような授業だと考えますか。


32. 「主体的・対話的で深い学び」を、実際の授業でどう具現化しますか。


33. 学習に対して消極的な子供に対し、どのような働きかけを行いますか。


34. GIGAスクール構領による1人1台端末を、どう効果的に活用しますか。


35. 授業の導入で子供の興味を惹きつけるために、どのような工夫をしますか。


36. 板書をする際、特に留意しているポイントを3点挙げてください。


37. 学習指導要領が示す「三つの柱」を、授業設計にどう反映させますか。


38. 「個別最適な学び」と「協働的な学び」を、どう両立させますか。


39. あなたが担当する教科の魅力を、子供にどう伝えますか。


40. 机間指導の際、何を基準に子供たちの様子を見ますか。


41. 発問を行う際、子供の思考を深めるために意識することは何ですか。


42. 子供のノート指導において、大切にしたいことは何ですか。


43. 学習評価(通知表)を行う際、どのような根拠を重視しますか。


44. 基礎基本の定着が遅れている子供に対し、どのような補習対応をしますか。


45. 探究的な学習において、教師が果たすべき役割は何だと考えますか。



4. 学級経営・生徒指導(46-65)



46. 学級開きの日、子供たちとの信頼関係を築くために何をしますか。


47. 給食や掃除の時間を、どのような教育の機会として活用しますか。


48. 子供同士の激しいトラブルが起きた際、教師としてまず何を行いますか。


49. 係活動や当番活動を通じて、子供にどのような力を育てたいですか。


50. クラスの中で孤立している子供に気づいた時、どう対応しますか。


51. 子供を「褒める時」と「叱る時」の明確な基準を述べてください。


52. 子供の自己有用感を高めるために、日々の生活で何ができると考えますか。


53. いじめの「未然防止」のために、学級担任として可能な具体策は何ですか。


54. いじめが発覚した際、組織(チーム学校)としてどう動きますか。


55. 学校に来ることが困難な不登校傾向の子供に対し、どう関わりますか。


56. 朝の会や帰りの会を、学級経営の中でどう位置づけますか。


57. 学級通信を発行する目的と、期待する効果を述べてください。


58. 教室内の掲示物や環境整備において、配慮したいことは何ですか。


59. 児童会(生徒会)活動を、子供の自主性を育む場としてどう支援しますか。


60. SNS上のトラブルを未然に防ぐため、どのような情報モラル教育を行いますか。


61. 特別な支援を必要とする子供への「合理的配慮」をどう実現しますか。


62. 多様な文化的背景を持つ子供たちが、共に安心して学べる学級とは。


63. 言葉に出せない子供の「 SOS 」を、どのように察知しますか。


64. ジェンダー平等や多様性の理解について、どう指導に取り入れますか。


65. キャリア教育を、単なる進路指導ではなく「生き方」としてどう伝えますか。



5. 連携・不祥事防止・服務(66-85)



66. 保護者との信頼関係を構築するために、日頃から意識することは何ですか。


67. 厳しい意見を寄せる保護者に対し、どのような姿勢で対話に臨みますか。


68. 「チーム学校」として、同僚や管理職とどのように情報を共有しますか。


69. 自分の指導方法をベテラン教員に否定された場合、どう対応しますか。


70. 教職員による不祥事を防ぐために、あなた自身は何に気をつけますか。


71. 体罰が教育において許されない理由を、あなたの言葉で説明してください。


72. 法令遵守(コンプライアンス)の意識を、どう行動に結びつけますか。


73. 勤務時間外の対応や多忙化について、若手教員としてどう向き合いますか。


74. 地域住民や関係機関と学校は、どのような連携を築くべきですか。


75. 自身の授業準備や自己研修のために、時間をどのようにしてつくりますか。


76. スクールカウンセラー等の専門家と連携する際、留意すべき点は何ですか。


77. 自分の過失で子供が負傷した場合、どのような順序で対応しますか。


78. 学校の「働き方改革」を推進するために、あなたができる工夫を述べてください。


79. 修学旅行や運動会などの学校行事の、最大の教育的意義を述べてください。


80. 教員が個人のSNSを利用する際のリスク管理についてどう考えますか。


81. 服務宣誓の意味を、どう理解していますか。


82. 飲酒運転や情報漏洩を絶対に起こさないための策はありますか。


83. 児童虐待が疑われるサインを見つけた際、躊躇なく報告できますか。


84. 地域の行事や活動への参加について、教員としてどうあるべきですか。


85. LGBTQ+や性の多様性について、どのような認識を持っていますか。



6. 状況判断・難問・最後の一言(86-100)



86. 指導中、クラス全体があなたの話を聞かなくなった時、どう打開しますか。


87. 「勉強する意味がわからない」と子供に問われたら、何と答えますか。


88. 授業の途中で突然教室を飛び出した子供がいたら、どう判断しますか。


89. 仲の良い子供同士が、感情的な対立から喧嘩を始めたらどう介入しますか。


90. 管理職の指示が、自分の教育信念と異なる場合、どう振る舞いますか。


91. もし今回の試験に不合格となった場合、どうしますか。


92. 「あなたの教育観は現実的ではない」と指摘されたら、どう返しますか。


93. 自分を象徴(表す)する言葉や比喩を一つ挙げ、その理由を説明してください。


94. 今日までの経験の中で、自分が最も成長したと感じる点はどこですか。


95. この一年間くらいで、新たに気づいた自分自身の課題はありますか。


96. 教員としての自分に「足りないもの」を一つ挙げ、どう補うか述べてください。


97. 10年後、あなたは職場の中でどのような役割を担っていると想像しますか。


98. 自己アピール書(願書等)に書ききれなかった、あなた自身の強みを教えてください。


99. 今日の面接では、伝えたいことを上手く伝えられましたか。


100. 最後に、これだけは言っておきたいということがあれば、簡潔にどうぞ。




4. 第12回のまとめ:回答は「作る」ものではなく「溢れ出す」もの



100の質問を読み終えたとき、めまいがするかもしれません。


しかし、これらすべてに個別の完璧な正解を用意する必要はありません。


自分の「軸」を信じ、すべての問いにその軸を当てはめる。


学力の高低ではなく、目の前の子供のために何をしたいかという「誠実さ」を語る。


膨大な演習量は、本番での「余裕」と「自信」という最高の武器に変わる。


100本ノックを終えたとき、あなたの言葉には「学生の感想」ではない「プロとしての響き」が宿っているはずです。


一つひとつの問いに対して、真摯に向き合う時間が、あなたを本物の教師へと変えていきます。



次回の連載では、個人面接で培った「個の軸」を、集団の中でどのように機能させるかを分析します。



第13回:集団討論・集団面接で「光る」立ち振る舞い。


リーダーシップよりも大切な「他者への貢献」と、議論を活性化させる傾聴力。



他者との比較や協力が求められる特殊な環境下で、あなたの教育的資質を際立たせるための技術を詳説します。



【今回の合格ワーク:軸の最終確認】



1. 提示された100問の中から、自分が最も「嫌だ」と思う質問を5つ選んでください。



2. その5つの質問に対し、自分の「軸」を使って1分以内で話す練習をしてください。



3. 話した内容を録音し、語尾を濁していないか、結論から話せているかを確認してください。



面接の成功は、自分との対話の量に比例します。


100の問いを味方につけて、揺るぎない自信を築いていきましょう。




河野正夫



 
 
 

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