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第10回:保健指導・保健教育の面接質問を突破する技術。

  • 執筆者の写真: 河野正夫
    河野正夫
  • 2025年6月16日
  • 読了時間: 4分

『養護教諭のための無料講座』【全20回連載テーマ一覧】


第10回:保健指導・保健教育の面接質問を突破する技術


学年別・課題別に構成する保健指導案の語り方


教科連携・ICT活用・アクティブ・ラーニング



はじめに


「語ることのできる『指導案』」をもつ強さ



教員採用試験の面接において、養護教諭の保健指導や保健教育に関する質問は高頻度で出題されます。特に以下のような問いが典型的です。



「あなたならどのような保健指導をしますか?」


「〇年生を対象に、感染症予防の授業を行うとしたら、どのように組み立てますか?」


「性教育に関する保健授業の指導案を説明してください」



これらの質問は、単なる教材知識や形式的な構成力を問うものではなく、教育観、発達理解、授業観、そして語る力(教育言語力)の総合評価を目的としています。


本講では、学年別・課題別の構成法、面接での効果的な語り方、さらには教科連携やICT、アクティブ・ラーニングの導入法について論じていきます。





指導案の語りで最初に示すべきは「目的」と「ねらい」



面接で保健指導案(学習指導案ではなく、指導の実践例やプランなど)を問われたときに、いきなり活動内容やワークの説明に入ってしまう例は少なくありません。


しかし、最初に明確に語るべきは「ねらい」すなわち教育的目的です。



たとえば、次のような導入が望まれます。



「私は、小学5年生を対象に『感染症予防』をテーマに保健指導を行いました。ねらいは、“自分と他者の健康を守るために必要な予防行動を、自分事として考え、実践につなげること”です。」



このように「誰に・何を・なぜ教えるのか」を冒頭で明示することで、後の指導内容が論理的に位置づけられ、信頼性の高い語りとなります。



学年別・課題別の構成モデル:子どもの発達に即した組み立て




保健指導・保健教育では、児童生徒の発達段階に応じてテーマとアプローチを調整する必要があります。以下に、学年別・課題別の代表的構成例を示します。



【低学年】(例:小1〜小2)


テーマ:手洗い、排便習慣、早寝早起き


アプローチ:絵本・紙芝居・クイズ形式など感覚的に楽しく学べる活動


ねらい:「健康的な生活習慣の基礎を身につける」



【中学年】(例:小3〜小4)


テーマ:けがの予防、視力保持、生活リズム


アプローチ:ロールプレイやグループ活動による体験的学習


ねらい:「自分の体を意識し、具体的な行動で健康を守る視点を育てる」



【高学年】(例:小5〜小6)


テーマ:感染症、性の健康、ストレスへの対処


アプローチ:ディスカッション・ICT教材・ワークシートを活用


ねらい:「自他の健康を尊重し、状況に応じて判断できる力を養う」



テーマに応じた構成だけでなく、「この学年でなぜこの内容が必要か」を語れることが、教育的判断力の証明になります。



教科連携・ICT活用・アクティブ・ラーニングの導入法



面接では「教科連携は考えていますか?」「ICTは使いますか?」と問われることもあります。


ここで大切なのは、流行語として語るのではなく、具体的に“どう”取り入れているかを示すことです。



● 教科連携の例


図工との連携で「健康ポスター制作」(視覚による健康啓発)


国語との連携で「健康に関する新聞づくり」(言語活動の発展)



● ICTの活用例


感染症の拡がりを動画で可視化


タブレットで“健康チェックシート”を記入し自己理解を促進



● アクティブ・ラーニングの導入例


スモールグループで「正しい手洗い行動」について意見交換し、模擬発表


健康的な朝ごはんの献立を考える活動を通じて、生活習慣を省察



重要なのは、「活動の面白さ」ではなく、「教育的効果」と「ねらいへの貢献性」を語れるかです。



面接での語りの実践モデル(例)



「私は小6を対象に、“ストレスとのつきあい方”をテーマに保健指導を行います。ねらいは、自分のストレス反応に気づき、対処法を選択する力を育むことです。授業では、日常生活の中で感じるストレス場面をロールプレイで共有した後、リラクゼーション法をタブレットの音源を使って体験し、効果をグループで話し合います。最後に、保健室でもできる対処法として“安心カード”を作成し、自己管理への意識を高めます。」



このように、目的・構成・手法・評価の観点が一貫して語れることが、指導案に説得力をもたらします。



おわりに


「語れる授業」を持つことは、教育観をもつこと



保健指導や保健教育は、養護教諭が児童生徒に直接関われる貴重な“教育の場”です。


だからこそ、単なる形式的な指導案ではなく、「どんな学びを子どもに渡したいのか」という思考の深さが求められます。


面接においても、話す内容の正確さ以上に、教育者としての志向性や情熱、論理構成力が評価されることを意識しましょう。



次回(第11回)は、「面接で語る『あなたらしい支援』とは何か」をテーマに、個人の経験と理念をどのように語れば評価されるかを、具体例を交えて考察していきます。



どうぞご期待ください。




河野正夫



 
 
 

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