小論文シリーズ9 「自主・自立」「共生・協働」
- 河野正夫
- 2025年6月13日
- 読了時間: 3分
【小論文課題】
かわさき教育プランでは、「自主・自立」「共生・協働」を基本目標に掲げています。児童生徒にこの力を育むために大切なことは何ですか。またどのような取り組みをしますか。具体的に600字以内で述べてください。
(600文字以内)

【小論文】
「自主・自立」や「共生・協働」の力を育むためには、児童生徒一人ひとりが自分の意見をもち、他者と対話しながら考えを深め、集団の中で役割を果たす経験を積むことが重要である。かわさき教育プランの基本目標は、これからの社会で必要とされる資質・能力を、日々の教育実践の中でどのように育成するかを示している。
私は学級担任として、話し合い活動の質を高めることを意識して取り組んだ。ある単元で「よりよい学校生活のためにできること」をテーマに話し合いを行った際、意見が偏ったり、発言しない児童がいたりする場面が見られた。私は、事前に一人ひとりが考えを書き出す時間を設け、自分の考えをもつことの大切さを伝えた。また、話し合いのルールを共有し、相手の意見に耳を傾けながら自分の考えを述べる姿勢を全体で確認し、実際のやり取りを振り返って評価する活動も取り入れた。
その結果、児童は互いの意見の違いを受け止めながら、自分の意見を根拠とともに説明するようになり、集団の中で自分の役割を考えて行動する場面が増えていった。また、話し合いに苦手意識をもっていた児童も少しずつ意欲を見せるようになり、安心して参加できる雰囲気づくりの重要性も再認識した。
私は今後も、児童が安心して意見を表明し、多様な考えに触れながら主体性と協働性を育める学級づくりを目指し、日々の指導に努めていきたい。
【執筆の観点】
本小論文では、かわさき教育プランが掲げる「自主・自立」「共生・協働」の基本目標に対して、それらの資質・能力を学校教育でどのように育成していくかを、自身の実践を踏まえて論述しました。
特に、「具体的実践の描写」と「教育理念との接続」を両立させることを重視し、出題の要求水準に即した構成を採用しています。
序論では、育成すべき力の定義とその意義について簡潔に述べ、出題文に含まれるキーワードを明示的に取り込みながら、課題意識の所在を明確にしました。
ここでは単なる説明にとどまらず、「経験の蓄積を通じて資質が育まれる」という能動的な学びの視点を強調しています。
本論では、話し合い活動を題材とし、当初見られた課題(意見の偏り・未発言児童の存在)を具体的に提示し、それに対する指導上の工夫を段階的に記述しました。
特に、「事前の思考整理」「ルールの共有」「振り返りによる可視化」など、話し合い活動の質を高めるための支援手法を複数提示しており、授業構成力や学級経営力の表出に成功しています。
さらに、児童の変容を「意見表明の質」「行動の自発性」「苦手意識の緩和」などの観点から描写し、成果が個人と集団の両面に及んでいることを明らかにしています。
こうすることで、「自主性」と「協働性」がいかにして関連し合いながら育成されていくかを、教育実践に根ざして具体的に示しました。
結部では、今後に向けた教育的意思を明確に表明し、小論文全体の論理と実践の統合を図っています。
制限字数内において「主張・実践・変容・展望」を一貫して論じた点、また教育観の抽象性と児童理解の具体性をバランスよく統合した構成にしました。
600字制限のある小論文では、このように経験を軸に据えながら課題意識と展望を組み込む構成が効果的です。
河野正夫



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