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小論文シリーズ6 キャリア・在り方生き方教育

  • 執筆者の写真: 河野正夫
    河野正夫
  • 2025年6月10日
  • 読了時間: 3分

【小論文課題】


川崎市ではキャリア・在り方生き方教育を進めているが、このことについて、あなたはどのようなことが大切だと考えますか。また、そのためにどのような取組をしますか。具体的に600字以内で述べてください


(600文字以内)





【小論文】


キャリア・在り方生き方教育において大切なのは、児童が自らの生き方を主体的に考え、未来に希望をもって進んでいく力を育てることである。川崎市がこの教育を重視する背景には、変化の激しい社会において、個々の価値観や多様な生き方を尊重しながら生きる力が必要とされている現実がある。だからこそ、学校は単に職業観を育てるだけでなく、子どもが「自分らしく生きるとは何か」を考える機会を意図的に提供していく必要がある。


私が担任した児童Aは、学力や運動面での自信をもてず、自己肯定感が低かった。発言や挑戦の機会を避けがちで、「どうせ無理」という言葉を繰り返す姿が印象的だった。私はまず、Aの小さな努力や工夫に着目し、短くても具体的な言葉で承認することを日々続けた。加えて、総合的な学習の時間において、自分の得意なことや将来やってみたいことを調べ、グループで共有する活動を取り入れた。


この活動を通して、Aは自分の関心を言語化する機会を得て、他の児童に認められる経験を重ねた。次第に「もっと調べてみたい」「人の前で話してみたい」と自己表現の意欲が見られるようになった。


私は今後も、児童が自分の良さや価値に気づき、未来への見通しをもてるように、一人ひとりの成長に寄り添いながら、児童の個性に応じた在り方や生き方を共に考える授業づくりを実践していきたい。



【執筆の観点】


本小論文では、「キャリア・在り方生き方教育」の趣旨を社会的背景と教育的意義の両面から捉え、具体的な児童の姿と指導実践を結びつけて構成しました。


600字という制限の中で、理念・課題・実践・成果・展望の5要素を簡潔に表現することを意識しています。


冒頭では、川崎市が推進する教育の目的を、自分らしく生きる力の育成と位置づけ、変化の激しい現代社会に即した教育課題として整理しました。


このように教育施策を背景とした問題提起によって、論述の導入に説得力をもたせています。


本論では、児童Aの内面の変化を丁寧に描写し、教師としての働きかけと教育効果の因果関係を明確にしました。


「具体的な承認」「言語化の機会」「集団での共有」といった支援要素を論理的に配列することで、実践の意図と成果が一貫して伝わるよう工夫しています。


結びでは、「ともに考える」という教員の姿勢を明示し、指導者としての主導性ではなく、対話的・伴走型の教育観を打ち出しました。


この点が、川崎市の教育の精神と合致し、児童の主体的な学びを支える姿勢として評価されるでしょう。


教育理念と具体的実践とを結びつけ、そこに教員の意思を加える構成は、採用試験の小論文において有効な書き方と言えます。




河野正夫





 
 
 

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