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小論文シリーズ4 コロナ禍の影響と児童生徒への指導・支援

  • 執筆者の写真: 河野正夫
    河野正夫
  • 2025年6月8日
  • 読了時間: 3分

【小論文課題】


長期にわたるコロナ禍での対応を通し、様々な環境の変化から児童生徒の心身への影響が懸念されています。あなたは養護教諭として、児童生徒への指導や支援にどのように取り組みますか。懸念される具体的な児童生徒の姿を示しながら、600字以内で述べなさい。


(600文字以内)





【小論文】


長期にわたるコロナ禍の影響により、いまだに児童生徒の心身には多様な不調や課題が生じている場合がある。生活リズムの乱れ、身体活動の低下、人との関わりの不足、学業への不安などが複合的に絡み合い、養護教諭としての対応の重要性が一層増していると感じている。


私は昨年度、昼夜逆転の生活習慣が定着し、朝の登校が困難になっていた中学生Bに関わった。Bは保健室に足を運ぶものの、体調不良というよりも、無気力や孤立感を訴える様子が顕著であった。担任との連携を図りながら、私はまずBの存在を受け止める関係づくりに努めた。保健室登校を一時的な受け皿としつつ、日々の声かけや健康観察を通して、徐々に生活リズムの改善と教室復帰への意欲を引き出す支援を行った。


また、Bに限らず、保健室を訪れる児童生徒の背景には、不安や孤独が隠れていることが多い。だからこそ、私は身体症状の訴えのみに着目するのではなく、その背後にある心理的・社会的要因を丁寧に読み取り、関係機関や家庭との連携を図るよう心がけている。学校全体の健康教育や心の健康に関する掲示、保健指導も工夫し、予防的支援にも力を入れている。


長期にわたるコロナ禍を経験し、見えにくくなった子どもの声を丁寧にすくい上げ、誰もが安心して過ごせる学校づくりに貢献することが、養護教諭としての私に求められる役割であると考え、日々、実践していく。



【執筆の観点】


本小論文は、コロナ禍による児童生徒の心身への影響を的確に捉えたうえで、養護教諭としての対応方針と具体的支援実践を結びつけて構成しました。


制限字数が600字以内と限られているため、課題設定・実例提示・方針の明示・結びの意思表明をコンパクトに整理する構成を採用しています。


序論では、コロナ禍に起因する子どもたちの生活や心理状態の変化を多角的に示し、問題意識を明確にしました。


そのうえで、本論では「保健室登校」や「無気力」「孤立感」など、現実に見られる具体的な児童生徒像を例示し、それに対する実践的対応を展開しています。


特に重視したのは、身体的訴えを通して心理的背景を見抜く視点と、関係機関や家庭との連携、予防的アプローチといった養護教諭ならではの役割を明確に記述することです。


個別支援と組織的対応の両立を図ることで、限定された字数の中でも立体的な支援像を描くことを意図しました。


結びにおいては、「声をすくい上げる」「安心できる学校づくり」というキーワードを用いて、受け身ではない専門職としての主体的な姿勢と使命感を表現しています。


教職員との協働を前提としつつ、独自の専門性を発揮する覚悟を示すことが、養護教諭志望者としての文章に求められる基本姿勢です。




河野正夫




 
 
 

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