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小論文シリーズ24「確かな学力と自立する力の育成」

  • 執筆者の写真: 河野正夫
    河野正夫
  • 2025年6月29日
  • 読了時間: 4分

【小論文課題】


〇〇県では、施策の根本的な方針の一つに、「確かな学力と自立する力の育成」を掲げています。あなたはそれぞれの力をどのように捉えますか。あなたの考えを述べなさい。

また、このことを踏まえ、あなたはどのような教育実践をしていきますか。具体的に述べなさい。


(800文字程度)





【小論文】


 「確かな学力」と「自立する力」は、現代社会を生きる子どもたちにとって不可欠な基盤である。前者は、知識・技能の習得だけでなく、課題に応じて思考し、判断し、表現する力を含んでおり、後者は、自分の意思で考え、選び、他者と関わりながら行動できる力と捉えることができる。これらは別々に育まれるものではなく、相互に関連しながら児童生徒の成長を支えるものである。


 私はこの二つの力を、日々の学びの中で統合的に育成していきたいと考える。たとえば、社会科において地域の課題を調べる単元では、単に資料を読むだけでなく、児童が自分の問いを持ち、必要な情報を収集し、根拠をもって意見を形成していく過程を重視する。自ら調べ、考えたことを発表し、仲間と意見を交わす中で、学力の定着とともに、自己決定や協働の経験を積むことができる。このような探究的な学習を積み重ねることで、知識と行動力の両方が養われると考える。


 また、日常の学級経営においても、自立を促す仕掛けが必要である。係活動や当番活動を通じて責任感や計画性を育むだけでなく、子ども同士が支え合い、失敗を通じて学び直す経験も大切にしたい。その際には、教師が先回りしすぎず、適度な距離感を保ちながら見守る姿勢が求められる。加えて、子どもが安心して挑戦できる環境づくり、つまり間違いや多様な意見が尊重される教室文化の醸成も重要である。こうした日常の積み重ねこそが、子どもの自立心と学習意欲の土台を育てていく。保護者や地域との連携を通して、子どもたちの成長を多方面から支える姿勢も欠かせない。


 今後も私は、学力の土台に支えられた自律的な学びをめざし、「確かな学力」と「自立する力」を日常の教育活動の中で結びつけて育てていきたいと考えている。教育の目的を長期的な成長に据え、目の前の子どもたちと丁寧に向き合う実践を継続していくことを重要視したい。子どもたちが将来、社会の一員として自信をもって歩む力を身につけられるよう、教育の本質を見据えた指導を展開していく。



【執筆の観点】


1. 序論における概念の定義と関係づけの明確化が大切です。


「確かな学力」と「自立する力」という抽象的な語句に対しては、最初にその教育的意味を定義づけることが必要です。


それぞれを「知識・技能の活用力」「意思決定や行動する力」と捉えたうえで、両者を対立概念ではなく相補的な関係に位置づけることで、論の焦点が明確になります。


こうした整理は、設問の「どのように捉えますか」という問いに対して、論理的な立場を提示する役割を果たします。



2. 本論では、教科と生活の両面から具体的な教育実践を構成することが求められます


学力と自立を統合的に育てる教育実践を述べる際には、教科の学習活動と日常の学級経営の双方に触れる構成が効果的です。


たとえば、社会科における地域課題の探究では、情報収集・整理・表現の各段階において、児童の主体性と論理的思考を育む工夫が必要です。


一方で、係活動や当番活動などの生活場面では、責任を担う経験や他者との協働を通して、自律の芽生えを支える視点が求められます。


両者を並行して扱うことで、児童の成長を多面的にとらえることができます。



3. 結論では、実践と教育理念の接続を意識することが大切です


論の締めくくりにおいては、教育実践の意義を短期的成果にとどめず、児童の将来的な社会的自立と結びつけて位置づけることが重要です。


「将来、社会の一員として歩む力の育成」や「教育の本質を見据えた指導」といった表現を用いることで、実践が教育理念とどのように交差するかを読者に伝える構成が望まれます。


結論部での理念的展望は、論全体の方向性を再確認し、読後感に深みを加える効果があります。




河野正夫



 
 
 

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