小論文シリーズ21「誰一人残されない学びの保証に向けた不登校対策」
- 河野正夫
- 2025年6月26日
- 読了時間: 3分
【小論文課題】
不登校の児童生徒が増加する中「誰一人残されない学びの保証に向けた不登校対策」が求められます。このことについて、あなたはどのようなことが大切だと考えますか?そのためにどのように取り組みますか。
(600文字以内)

【小論文】
不登校の児童生徒が増加する中で、「誰一人残されない学びの保証」に向けた不登校対策は喫緊の課題である。すべての子どもが安心して学び続けられる環境を整備するには、学校という場の枠にとらわれず、柔軟で多様な学びの機会を保障することが必要である。
私はかつて、長期間登校できなかった児童への支援に携わった。最初は教室に入ることが困難であったが、家庭訪問を重ねる中で、児童が興味を示した昆虫の話題を通じて信頼関係が生まれた。その後、図鑑を用いたプリント学習や、写真のやりとりを含むオンライン交流を取り入れることで、学びに対する前向きな意欲が徐々に回復していった。最終的には別室登校を経て、クラスメートとの共同活動に参加できるようになり、自己有用感も育まれていった。
この経験を通じて実感したのは、児童の関心に寄り添い、無理のない方法で学びの接点をつくることの大切さである。同時に、家庭との連携や、学級担任以外の教員との分担協力体制も欠かせなかった。今後は、ICTの活用やフリースクール、教育支援センターとの連携を通じて、多様な教育資源を結集し、子ども一人ひとりの学びを支える体制を整えていきたい。さらに、地域社会との連携も視野に入れ、孤立を防ぐネットワークづくりにも取り組んでいくことも考えたい。私自身が教員として不登校に対する理解を深め、日常的に配慮ある支援を積み重ねることを、これからも続けていく。
【執筆の観点】
1. 序論では、課題文のキーワードを受けて論点を明確化する
序論では、「誰一人残されない学びの保証」「不登校対策」といった課題文の語句を引用しながら、論じる主題を具体的に定めている。
「学校という場の枠にとらわれない」「多様な学びの機会を保障する」という表現を用い、抽象的な理念ではなく、実際の教育現場に即した課題意識に基づいて論点を提示している。
このように、社会的背景の変化を踏まえつつ、論述の方向性を序盤で明示する構成が意識した。
2. 本論では、実践に基づく具体的支援の描写を通して説得性を高めている
本論では、長期欠席の児童への支援経験を取り上げ、児童の関心を起点に信頼関係を形成していく過程を描写している。
図鑑や写真を媒介とした学習支援の工夫、段階的な登校の再開、さらには自己有用感の形成に至るまでの流れを記述することで、不登校支援の在り方を具体的に示している。
また、単に支援の手法を紹介するのではなく、「児童のペースに応じた支援」「関係性の構築」といった観点から、教育的配慮の本質を浮かび上がらせている。
3. 結論では、今後の展望と社会的広がりを視野に入れている
結論では、「ICTの活用」「教育支援センターとの連携」「地域社会との協働」といった実践的方策を列挙することで、多層的な支援体制の必要性に言及している。
また、最終文においては「教員自身の理解深化」や「日常的な配慮の積み重ね」に触れることで、制度だけでなく教育者個人の姿勢にも視点を広げている。
このように、実践と理念の両面から論旨を収束させ、課題に対する責任感と展望が含意される構成とした。
河野正夫



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