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小論文シリーズ14 「いじめのメカニズム」

  • 執筆者の写真: 河野正夫
    河野正夫
  • 2025年6月18日
  • 読了時間: 3分

【小論文課題】


「いじめのメカニズム」を踏まえたうえで、いじめが生まれない学級づくりの方法を、学年の発達段階を考慮して論じなさい。


(800字以内)





【小論文】


いじめのメカニズムを理解することは、いじめが生まれない学級を構築するための前提である。いじめは単なる個人間の対立ではなく、集団内における力関係や関係性の歪みによって生じる構造的な現象である。特に小学校の中学年から高学年にかけては、仲間との一体感や集団の規範を重視する傾向が強まり、排除や同調圧力がいじめの温床となりやすい発達段階にある。


この段階の児童に対しては、まず「互いの違いを受け入れ合い、個が尊重される空間」を日常的に保障する必要がある。そのために有効なのが、学級活動や話し合い活動を通じて多様な価値観に触れる機会を継続的に設けることである。たとえば、学級会で少数意見にも耳を傾ける姿勢を育む指導や、道徳の授業で役割演技を取り入れて相手の視点を体感させる活動が考えられる。


また、教師自身の関わり方も極めて重要である。教員が無意識のうちに特定の児童を優遇するような態度を取ると、学級内に序列や上下関係が形成され、見えにくいいじめの構図が生まれやすくなる。すべての児童に対して公平な対応を行い、個々の努力や良さを肯定的に認める姿勢を貫くことが、信頼される教師像と安全な学級の土台をつくる。


さらに、児童が自由に自分の思いや考えを表現できる環境づくりも欠かせない。ペア活動や日記交流、学級通信などを通して自分の存在が受け入れられている実感を得られるよう工夫することが求められる。こうした関係性の積み重ねが、いじめを未然に防ぐ文化を学級内に根付かせる鍵となる。


いじめを防ぐ学級経営には、児童の発達特性や集団の状況を見極め、肯定的な人間関係を意図的に育む教師の力量が必要である。私は、日々の実践の中で、いじめの芽を見逃さず、子どもたちの安心と信頼に満ちた学びの場を築いていく。



【執筆の観点】


この小論文では、いじめのメカニズムに着目し、学級集団のダイナミクスを重視した構成としました。


特に、小学校中〜高学年の発達段階における特徴を明示することで、主題に対する理解の深さを表現しています。


まず、主題設定の根拠として「いじめは関係性の歪みから生じる」という社会的構造の視点を取り入れています。


単なる道徳的批判ではなく、教育的・実践的な視点で論を展開する軸を築いています。


論述展開では、具体的な実践例(学級会・道徳の授業・日記交流など)を児童の発達段階に応じて提示し、再現可能性と教育的意義の双方を意識しました。


また、教師の姿勢に関する視点を中核に据え、「公平な対応」「肯定的な関わり」など現場での実践に結びつく記述を工夫しています。


文体上は、常体を維持しながらも強い断定を避け、読み手が共感しやすい穏当な語調でまとめました。


構成面では段落ごとに主題を明確に分け、展開と結論の重心をやや厚くすることで、論点の深まりと説得力の両立を図っています。




河野正夫



 
 
 

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