top of page
検索

【第9回】模擬面接で“評価される人”になる:練習の質を高める5つの視点【10回以上不合格だからこその教採面接講座】(連載シリーズ)

  • 執筆者の写真: 河野正夫
    河野正夫
  • 2025年6月14日
  • 読了時間: 5分

【第9回】模擬面接で“評価される人”になる:練習の質を高める5つの視点


「場数」ではなく「質」で逆転する、戦略的リハーサル設計



はじめに:


なぜ「練習しているのに伸びない」のか



教員採用試験において、10回以上不合格を重ねている受験者の中には、模擬面接を何度も経験しているにもかかわらず、なかなか成果が現れないという課題を抱えている人が少なくありません。


熱心に練習し、想定問答を繰り返し、フィードバックをもらい続けているにもかかわらず、本番の面接で評価が伸び悩む。


このような状況は、単なる努力不足ではなく、練習の質の問題に根ざしています。


量的な練習は確かに必要です。


しかし、量だけを積み重ねても、それが「改善につながる質的変化」に結びついていなければ、成長は停滞します。


むしろ、間違った方法での反復は「悪い癖の定着」にすらなりかねません。


本稿では、模擬面接の成果を飛躍的に高めるために必要な「質的転換の視点」を5つに整理し、それぞれの視点からどのように実践を変えるべきかを具体的に解説します。


練習の質を変えることが、面接本番で“評価される人”に変わる最短の道です。





第1の視点:


目的の明確化


「何の練習か」を定義する



多くの模擬面接は、漠然と「面接に慣れる」ことや「一通りの質問に答える」ことを目的にして実施されています。


しかし、こうした目的不在の練習は、単なる演習の繰り返しに終始し、内省も改善も生まれません。


まず最初に必要なのは、「今回の模擬面接では何を改善するか」「どの要素に意識を集中するか」を練習前に明確に設定することです。


たとえば、「語りの構造を整理する練習」「非言語表現を意識して話す練習」「フィラーワード(えー、あのー)の削減を目指す」など、一点集中型の課題設定が有効です。


こうした目的の明示は、練習後の自己評価やフィードバックの質を飛躍的に高めます。


目的がなければ、成功か失敗かという結果論に終わり、次につながる学びが得られなくなります。



第2の視点:


記録と観察


「感覚」ではなく「証拠」で振り返る



模擬面接の改善で極めて重要なのが、自分の語りを「主観的な印象」ではなく、「客観的な記録」で振り返る習慣を持つことです。


具体的には、スマートフォンや録画機器で模擬面接の様子を動画で記録し、自分自身で再生して分析することが推奨されます。


録画を見ることで、「自分では自然に答えたつもりだったが、実際には語尾が不明瞭だった」「思ったより姿勢が崩れていた」「話の冒頭で結論が見えにくかった」といった具体的な課題が浮き彫りになります。


また、記録の再生時には、「面接官の視点」で自分を見ることが重要です。


「この語りは信頼できる印象を与えているか」「相手の問いに正面から答えているか」といった観点で、自分の語りを他者の目で評価するメタ認知力が育ちます。



第3の視点:


フィードバックの質


「印象論」から「行動単位」へ



模擬面接でフィードバックをもらうことは非常に重要ですが、その内容が「良かったです」「自信を持っていて安心感がありました」「やや抽象的でした」などの印象論にとどまっている場合、改善にはつながりにくくなります。


ここで必要なのは、行動単位に即した具体的な指摘です。


たとえば、「“主体的な授業”という言葉を使っていたが、具体的にどのような活動かの説明が不足していた」「『そのときどう感じたか』が省略されていたため、心情が伝わりにくかった」など、言語・構造・内容に関するフィードバックを言語化してもらうようにしましょう。


そのためには、まず、優れた指導者にコメント・フィードバックをしてもらうことが不可欠です。


受け身でフィードバックを受けるのではなく、「どの点を改善すべきか」「この表現は相手にどう聞こえたか」といった質問型フィードバックを積極的に求める姿勢が、練習の質を変える決定打になります。



第4の視点:


応答の“可変性”を鍛える


丸暗記から文脈応答へ



模擬面接で失敗しやすい典型的パターンの一つが、「覚えた答えを話すことに集中しすぎて、相手の質問意図からずれてしまう」ケースです。


これは、模擬面接を“再現の場”として扱いすぎた結果です。


本来、模擬面接は“対応力”を磨くための場であり、暗記の確認の場ではありません。


したがって、「この質問にはこの答え」という一対一対応の固定型練習から脱し、「問いの文脈に応じて構成を調整する柔軟な語り」の訓練へと移行すべきです。


たとえば、同じ「志望動機」でも、「教職を選んだ理由」「本校を志望した理由」「他の仕事ではなく教員である理由」など、問いの角度によって語り出しや構成は変化するべきです。


この可変性を持たない語りは、「準備されたものを出しているだけ」という印象につながり、面接官の信頼を得られません。



第5の視点:


模擬面接を“対話の場”として再定義する



最後に最も重要なのは、模擬面接を「試験のリハーサル」ではなく、「対話の場」として再定義することです。


本番の面接は、面接官との即興的なコミュニケーションであり、正解を述べる場ではなく、「この人と働けるか」「この人は自分の言葉で語っているか」を見られる場です。


したがって、模擬面接においても、「質問に答える」のではなく、「質問に向き合う」「相手との応答を通して思考を深化させる」態度が求められます。


受け答えにおいて即答を避け、わずかに間を置いて考える、自分の言葉で語る、問い返しに柔軟に応じるといった行動が評価の対象となります。


模擬面接でこの“対話的態度”を意識することで、話す内容や構成に多少の不完全さがあっても、「この人は信頼できる」「一緒に働ける」という評価につながりやすくなります。



おわりに:


「話し方を直す」のではなく「話す前の構えを変える」



模擬面接の本質は、話し方を直すことではなく、「どう語ろうとしているか」という内面的な構えを変えることにあります。


何を見て、どう気づき、どこを修正するか、その過程の質が、面接本番での語りの厚みとなって表れます。


評価される人は、話す力だけで評価されているのではありません。


「変わろうとした努力」「見直そうとした構え」「省みてきた軌跡」こそが、面接官の信頼を得る語りの背景にあるのです。


次回はいよいよ最終回として、本番1ヶ月前からの「逆転合格に向けた強化ロードマップ」を具体的に提示します。


準備の量と質、心構え、最終確認項目を含め、合格への最後の戦略を構築していきます。




河野正夫



 
 
 

コメント


bottom of page